番外編 日本に帰ってから…………4
太郎はリビングからベランダに出ていた男子達を眺めていた。
(そんなに珍しいかな?)
みんな夜景なんかいくらでも見てきたはず。太郎は不思議がっていた。
しかし、久々に日本に帰ってきて、高い場所から観る夜景にみんなは感慨に耽っていた。
そして誰かがポツリと呟いた。
「本当に帰ってきたんだよな。」
太郎「みんな、こっちにきてくれ。とりあえずこれからの事を話そうぜ。」
みんなは太郎に呼ばれて初めて気が付いた。自分達がいかに真剣に外を眺めて観ていた事を。
立花「そうだな。………そう言えば女子達は?」
太郎「先に風呂に入ってもらってる。みんなも後から風呂に入っていいから。」
立花「風呂か………早く入りたいな。」
太郎「みんな、何か飲むか?」
ザワッ!
立花「な、何があるんだ?」
太郎「ちょっと待ってくれ。えーッと・・・炭酸ジュース、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、お茶、ミルクティー、紅茶、コーヒー、オレンジジュース・・・かな。」
するとみんな一斉に。
「「「「「炭酸ジュースくれ!」」」」」
太郎「うぉ!何だよ、みんな炭酸に飢えてるな!」
太郎は食器棚からコップを取り、それをみんなに渡して、2リットル入りの炭酸ジュースを渡した。
其々にジュースが行き渡り、勢いよく飲みだした。
「「「「「「うめっーーーーー!もう一杯!」」」」」」
太郎「なんの宣伝だよ。」
太郎は笑いながら、自分も炭酸ジュースを久々に飲んだ。
太郎「な、マジか!久々に飲むと喉が痛いけど旨いな!」
太郎もみんなと一緒になって2杯3杯とお代わりをした。
ようやくみんなが落ち着いたのを見計らってから太郎が話をしだした。
太郎「今から話す話は事がハッキリするまで、女子達には内緒にしたい。」
立花「椿、女子達に内緒にしないといけない話ってなんなんだ?」
太郎「…………確実な話じゃないんだけど、明日もし本当に召還される日だったらまずいだろ?」
立花「そっか。それで先に女子達に風呂に入らせたのか。」
太郎「女子達がそろってから確認するけど、今日が本当に明日召還される日なら…………その時、俺達はどうなると思う?」
立花「………なぁ、椿。今日をみんなで何時かを確実にするのはいいが、もし明日が召還される日なら、俺達はどうするつもりなんだ?」
太郎「もし、明日…………と言うかもう今日の朝だが、それが確実が取れたら、今この時間にいる召還される前の俺達は朝起きるまで家で寝てると思うか?」
「「「「「えっ?」」」」」
太郎「考えたらすぐに分かると思うけど、もし明日が召還される日なら、俺達が同じ時間帯にいる事になるんだが、…………要するに、もう一人の自分がいる可能性が高いって事だよ。」
立花「やっと日本に帰ってこられて、ジュースに感動していていたから、そんな事全然考えもしなかったよ。」
太郎「で、だ。俺達が召還された日に、みんなはもう一人の自分に会ってない訳だから、明日堂々と学校に行っちゃダメな気がする。」
立花「太郎、まさか。」
太郎「委員長、そのまさかをしないとダメじゃないかな。」
「どう言う事だよ。」
「意味が分からないよ。」
太郎「みんな、落ち着いて聞いて欲しい。明日、俺達じゃない、俺達が召還されたら、代わりに俺達がそのまま元の生活をするって事さ。」
立花「し、しかしそれだと召還された俺達を………」
太郎「俺達を助けてどうする?同じ人間が同じ世界で暮らすにはデメリットが多すぎる。それより召還された俺達に代わって、俺達がまた元の生活をした方が問題ないと思うけど。」
確かに太郎が言う通り、もし帰ってきたこの日本にもう一人のの自分がいたら…………
太郎「後は、女子達が風呂から出てきて、俺達が風呂に入って、出てきてから話をしよう。とりあえず、女子達には入れ替わって生活をする話は、女子達の様子をみてからにしよう。」
「「「「「うん。」」」」」
香織「さっぱりしたぁーーー!」
太郎「おっ!みんな出てきたか?」
先生「気持ちよかった。」
太郎「香織、冷蔵庫に飲み物があるから適当に飲んで俺たちが風呂から出るまで待ってくれ。寝てもいいが、話をするときには起こすからな。」
香織「わかったーーーー。」
香織は久々のお風呂上がりでふにゃふにゃだ。
太郎達は女子達と入れ替わりにお風呂に入っていた。
先生「みんな、ちょっと話があります。」
香織「話なら男子達がお風呂から上がってからで…………」
先生「この話は男子達にはまだ秘密にしたいからなの。」
マミ「男子達に秘密の話しですか?」
先生「そう、もしかしたら太郎君辺りは気づいているかもしれないけどね。」
香織「先生、一体どんな話なんですか?」
先生「まだちゃんと確認が取れてないからハッキリとハッキリと言えないけど、もし仮に明日が本当に召還される日なら、今この世界に自分がもう一人いると私は思うけど、みんなはどう思う?」
香織「確かに、今日の朝本当に学校で召還される日なら、もう一人の自分がいる可能性が高いですね。」
マナ「じゃないと、召還された私達の今の存在が証明できない。」
先生「そう、それでみんなに確認したいのだけど、あの召還された日にもう一人の自分に会った人はいませんよね?」
香織「あ!先生、それって。」
先生「みんな、同じ世界に同じ人間が存在する事のメリットやデメリットはどう思いますか?」
マミ「……………デメリットしかないですね。」
香織「それは、私達がもう一人いる事を確認しないと…………」
先生「確認方法はいくらでもあるから大丈夫。そうぬぇ、例えば今日の朝学校に行く時間帯に、自分の携帯に公衆電話からかけてみるとか。」
「「「「あ、なるほど。」」」」
結局、男子達も女子達も同じ考えをしていた。ただ…………
香織「先生、もし本当に自分が本当にいたら………」
先生「その自分達はそのまま召還された後に、私達が入れ替わって元の生活に戻るしか方法が無いと思うの。」
香織「………………先生、私は……もしもう一人の自分が召還されるのなら……………私は私を助けたい。」
先生「三ヶ日さん、それだと…………」
太郎「はぁーーー、久々のお風呂は気持ちいいな。」
香織「太郎、随分早いね。」
太郎「えっ?そう?」
マナ「カラスの行水か!」
男子達はまだ太郎以外出てきてなかった。
太郎「香織、どうした。さっきまでと違ってだいぶ顔色が悪いぞ。」
香織「………………大丈夫。」
香織の私を助けたい発言。太郎の入れ替わり作戦。まだ、二人の意見が交わされた訳ではないが、全くの正反対の話はどうなるのか。
(私は私はを助けて、その後はどうするの?)
香織は自問自答を繰り返していた。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。




