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どうして次から次へと異世界に~異世界へ強制転移される太郎~   作者: アドリブコージ
第7章 新たなる出会い、そして別れ……
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第409話 ただの人間




エール共和国。

かっつて、太郎様が古代竜達と戦闘した国だ。


この世界で圧倒的な強さを誇った古代竜。

勇者や英雄が全く相手にならなかった生き物。

それを太郎様は圧倒的な力でねじ伏せて従わせた?(太郎様にはそんなつもりは無い。)


古代竜達は、自分達がこの世界で一番強い存在だと思っていたが、太郎様によりそうではない事を、嫌でも思い知らされた。

人間が、古代竜5頭に信じられない力の差を見せつけられた場所だが、今の太郎様は違う思いがあった。


太郎(そう言えば、ここで初めて古代竜達と話をしたんだよな。)


あ、太郎様にはあの激しい戦闘の事が頭からスッパリと抜けていた。


太郎(やっぱり竜がしゃべるのに違和感あったなぁ~。)


太郎様は戦闘より古代竜達が人間と会話出来る事の方がインパクトがあったみたいですね。

確かに普通に考えたら、竜がしゃべるなんて太郎様からしたら犬や猫が人間の言葉を発しているような感じなのかも。


神様「太郎、感傷に浸っている所悪いんじゃが、そろそろ本題に入ってもいいかの?」


太郎「あ、ごめん。いいよ。」


神様「すべての元凶はこのエール共和国にあるのじゃ。」


太郎「詳しく教えてくれない?」


神様「この国の王や王子。そして大臣や貴族達が、この世界を統一しようと考えたのが始まりじゃな。」


太郎「え?この国の王子達に会った事あるけど、そんな感じ全然しなかったけど………むしろ、この世界では一番まともだと思っていたけど、違うんだ。」


神様「全然違うの。」


太郎「じゃあ、この国のトップ達が原因でこの世界はこんなに乱れているんだ。」


神様「太郎、それはちと違うの。この国のトップ達ではなく、この国に住むすべての人達じゃ。」


太郎様はギョッとした。


太郎「それって、この国に住んでいる普通の人達もって事?」


神様「……………残念なんじゃが、この国の国民すべてじゃ。」


太郎「おじいちゃん、国のトップが悪いのなら分かるけど、普通の人達まで悪いなんて………」


神様「太郎、この国がなぜ世界統一を企んだかわかるか?」


太郎「いや、全然分からないけど…………」


神様「儂としてはあまり関わる事が出来ぬから、太郎に頼むしかないんじゃ。…………この国の住民すべてが変異の吸血食人族なんじゃ。」


太郎「なにその気持ち悪い名前。吸血……食人?」


神様「こやつらは、人類の敵じゃ。人類を自分達の家畜にする為じゃ。勿論、召還された奴等も最後にはその対象になるのじゃが、その事は誰も知らぬのじゃ。」


太郎「人類を家畜…………自分達の食料にする為に?」


神様「そうじゃ。こやつらは人間の血を吸って、血がなくなったらその人間を食べるのじゃ。じゃがそんな事ばかりしていたら人類がいなくなってしまうから、若い女の子には子供を沢山生ませて、ある程度育てたらそやつらはまた吸血食人族達の餌になるのじゃ。だから太郎の大魔法でこの国ごと消滅して欲しいのじゃ。儂はあまりにも大規模な事に手を貸すことが出来ぬからな。」


太郎「おじいちゃん、それって本当…………だよね。おじいちゃんが嘘言うはずがないし。」


神様「太郎、やってくれるかの?」


太郎「……………わかったよ。これが終われば、日本に帰っていいんだよね。」


神様「いや、悪いんじゃが、まだ少しやる事があるのじゃ。それらが終わったら……………」


太郎「はぁ、まだやる事があるんだ。」


神様「太郎悪いな。じゃが、今頼んだ事が一番大変なんじゃ。この国の人々を一人残さず消して欲しいからの。香織達には頼めん仕事じゃ。」


太郎「確かに。…………わかったよ。」


そう言うと、太郎様は力を圧縮しだした。


シュウ、シュウ、シュウ。


太郎様の手が、段々赤くなっていく。


太郎「ぐっうぉぉぉぉ。」


赤くなった手が今度は白くなっていった。


神様「凄い力じゃの。」


神様もビックリする程、力を溜め込んでいく太郎様。


シューーーーーーーゥ!


神様「なんと!まだ力を溜め込むのか?……………太郎!これ以上はこの星が消滅してしまう!もう十分じゃ!」


神様が叫んだ事で、太郎様は圧縮して溜め込んだ力をエール共和国に向けた。


ギューーーーーーーーーゥン!


1メートルぐらいの球体が太郎様の両手から発せられた。

そして、その球体はゆっくりとエール共和国に向かっていった。


神様「信じられん。いくら神達からの加護があるからと言って、ここまでの力をただの人間が…………」


あ、神様。太郎様はただの人間ではありませんから。

ってか、神様がその事を一番分かっているはずでは?


エール共和国の終わりが近づいていった。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。



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