第391話 ウキウキの香織。絶望の敵。
ルンルン、フンフン。
何やらご機嫌な香織さん。
司令官「本当に大丈夫だろうか?」
香織はまず信濃のレーダーの性能を約三倍にした。
そして、各対空砲にはレーダーを装備し、命中率が格段に上がった。
香織がいた過去、第二次世界大戦ではアメリカ軍のレーダーの圧倒的な性能差に負けていた。
しかし過去の日本がアメリカ軍に負けた理由はそれだけではない。
圧倒的な物量差、諜報、暗号解読の重要さ。敵の分析やそれに対抗できる新兵器の制作。など色々あったが、今香織ができる事をしていた。
しかし、今はまだレーダーだけなので、操作等はレーダー担当がすぐに理解してくれて、今まで通り操作ができるようになった。
そして、一番大きいレーダーがですが積まれている戦艦大和、武蔵、長門、等にもレーダー改造をちょこちょこっと魔法で改装してしまった。(内容は全然大幅改造です。)
こちらも、各主砲や対空砲にもレーダーを装着。
そして、最後は一番数が多い巡洋艦クラス以下の艦艇には
レーダーはもちろん、対潜水艦ソナーを新たに取り付けた。
これはやはり過去の日本軍が、アメリカ軍の潜水艦に次から次へと大事な空母や大型艦が沈められた事があるため、仮に相手がアメリカ軍(仮定)とするならば必ず何処かに原子力潜水艦がいるはず!(今は神様の世界だから敵はいない。)と香織の主張が通り取り付ける事になった。勿論、最新鋭の装備だった。
あと、各空母の甲板はすべて厚さ100ミリのこの異世界に存在する固くそして軽量なミスリルに交換された。
この当時の飛行甲板は木製の物が多く、攻撃を受けた時の耐久性が弱かったので、香織はミスリルに目をつけた。
この世界でも貴重なミスリルを香織が探したしてきて(不思議パワーで)、さらに、魔法で錬金加工をして古い甲板を力づくで剥がして取り付けた。(すげぇ)
格納エレベーターもちゃんと忘れずに、最後の作業に入っていった。すると…………
香織「う~ん、なんか早く終わったし、かなり余ったミスリルどうしよう?……………あ、そうだ!」
ミスリルが余る程、どこで見つけたのやら。
香織はそのまま信濃艦橋に転移した。
香織「お待たせしました。大体終わりました。司令官、ちょっとお話が…………………はどうですか?」
司令官「そ、そのような事出来るのですか?」
香織「ただぁ~、それだけでミスリルを使うのは勿体ないと思うの。だから…………………ね。どう?」
司令官「それは………作るのは可能なのですか?」
香織「うん、大丈夫。すぐに作るわ。そうね。実験的にこの信濃でやらせてもらえない?」
司令官「ふ~ん、わかりました。」
香織「やったー!これで対艦に対潜に対空まで完璧ね。あ、それとちゃんと、今までと違う暗号を使っての連絡してますよね?」
神様の耳は地獄耳だった。………神様のくせに。
神様「香織、よくそこまで気がまわるの。」
香織「ふぇ!そ、そう?おじいちゃん。」
神様「いや、普通レーダーの強化やソナーの取り付けに暗号変更させるなて、普通女子高生には考えつかないはずじゃが?」
香織「あ~ぁ、それね。実はね…………太郎の影響なの。」
神様「ほっほほほほ。やはりのう。」
香織「じゅあ、司令官まだ作業の途中なので戻りますね。」
神様「やり過ぎなければいいのだか。」
司令官「しかし、さすが神様のお孫さんですね。魔法も凄いですが、あの頭の早さと豊富な知識は。」
神様「あれも、香織能力の一つじゃからの。」
今の香織は現代地球にあるスーパーコンピューターが総て集まっても敵わない程の頭をしている。……………形は変わっていません。そのままだから凄いのです。
さて、その香織達の敵は………
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「艦長、予定の地点に到達しました。」
「よし、静かにタンクブロー。潜望鏡深度まで浮上。」
「了解、タンクブロー。潜望鏡深度まで浮上します。」
「通信員、本部との連絡準備を」
「了解しました。」
原子力潜水艦はゆっくりと浮上していく。
「ふーん、空にも海上にも海中にも敵がいないな。よし、アクティブソナーを一回打て。」
「了解、アクティブソナー打ちます。」
ピッコーーーーン!
反応は何もなかった。
「レーダーに反応無し。」
「よし、浮上する。対空、対艦監視員準備!」
潜水艦が浮上した。
すると、これに神様が気がつき、すぐさま別の世界の海に連れていかれた。一瞬だった。誰も気がつかなかった。
浮上した潜水艦の中からハッチを開けて人が出きた。しかし、まったく同じ海、同じ海域にいると思い、命令通り偵察を続けるかわいそうな潜水艦に乗っている人達だった。
「本部に連絡。当海域にて、敵艦隊は発見できず。次の指示をを待つ。」
「了解しました。繰り返します。『当海域にて敵艦隊を発見できず。次の指示を待つ』ですね。」
「そうだ。………しかし、静かすぎるな。」
艦長、鋭いです。そこの海には魚は勿論、生き物が一切存在しない神様が作った世界ですから。
「か、艦長!大変です!」
「敵か!至急監視員は艦内に戻れ!緊急潜航準備!」
「艦長、敵ではありません。もっと大変なことが…」
「報告は簡潔かつ明瞭にしろっ!」
「はい。本部との連絡が取る事ができませ。」
「それは、どう言う事だ!」
「こちらからの通信は間違いなく発信されています。ただ、本部からの返答がまったくありません。」
「我々の通信機の故障ではないのだな。」
「はい。間違いなく作動しています。」
「我々はこれから本部に帰港する。艦を戻せ!急速潜航。全速力で帰港!」
「了解!」
かわいそうな潜水艦乗り達。
このまま永遠続く海をさまよい続けるのでしょう。…………多分。
今回は少しだけ魔法を使うシーンはありましたが、早く初心に戻って、魔物や魔獣、盗賊や山賊などが跋扈する世界になって欲しいです。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
誤字などありましたら、華麗にスルーしてお読み下さい。
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