第387話 もうダメだろう、アーゼスト王国
「わかった。しかし少し時間がかかる。それまで待て。」
「王子、いや国王。我々もそんなに悠長に待っている時間はないんだ。…………そうだな。あと1日だけまってやろう。それまでに生け贄にする人物と我々に献上する女を用意しろ。そしてすぐに我々の仲間を召喚するんだ。」
「な、1日だと!それは無理だ。地方の領主などを家族ごとこの王都に呼び集めるだけでも最低でも2週間はかかる。」
「その地方の領主とやらが何処にいるか今すぐ教えろ。我々が直に迎えに行く。」
「直にだと?ふざけるな。どうやって迎えに行くのだ。一族全てだと多い所だと、2~30人になるぞ。それを………」
「我々の輸送ヘリが何機もありますから、心配にはおよばぬ。それより、国王自ら書いた召集命令書を書いて頂きたい。あとは、地方の領主の住んでいる正確な場所を教えていただこう。」
「悪魔め!」
「国王、何を言ってる。我々を勝手に呼び出し、あまつさえ自分達が召喚した人物と周りの強国を潰せ!なんて命令を出したのは一体誰だっけ?」
「それは、前国王の父親がやった事だ!」
「そんな嘘は我々には通用しませんよ。あなた方の会話や会議の内容は我々には筒抜けですよ。は、ははははは。」
「なんだと!貴様ら、私を侮辱するつもりか。反逆罪で捕らえて死刑にする事も……………」
「国王、無駄な事は止めた方がいい。我々が何であなた方に武力行使しないかわかっていないようだな。」
「どう言う事だ。」
「我々は出来れば元の世界に帰りたい。しかしその方法がわからない。」
「そんな簡単には教える訳にはいかない。貴様らみたいな奴等がこの世界と貴様らの世界を簡単に往き来されたら私達の世界は貴様らの自由になってしまう。そうなったら、我々の世界の住人は貴様らの奴隷以下になりかねない。」
「国王、そんなのは簡単に知る事もできるんですよ、我々は。しかし、なぜか召喚主には一定以上命令を逆らうと何故か身体中に痛みが走り、何も出来なくなってしまう。それが、この国を守れ、国王以下貴族は直接殺すな、この国を占領するな。なぜかこれだけは守らなくてはいけないみたいだ。だが、それ以上は我々の命令に従ってもらう。それが例え国王でも、第一王女でも。」
「くっ、たかが平民の兵士の分際で!」
「くっははははは。国王、まだそんな身分にしがみついてるのですか?」
パァン
銃声が響き渡った。
国王の顔をかすめた銃弾は、後ろにいた執事にあたった。
「ぐはっ!」
「きさまぁ~!」
「くはははは。国王、ね人が死ぬの簡単でしょう?国王もこうなりたくないでしょう、早く召喚命令書と、地方の領主の正確な場所を教えて下さい。」
「がはっ!王子、申し訳ございませんでした。…………今まで本当にありがとうございました。……国王…………さま………。」
執事はそまま帰らぬ人となった。
「ぐっ、許さん。許さんぞ!そいつを捕まえろ!」
回りにいた近衛兵士達が一斉に取り囲んだ。その瞬間、
パッ、パパパパパパパッ!
乾いた軽機関銃の音が響く。
「ぐわっ!」
「ひぐっ!」
「がはっ!」
「うわっわわわ。」
「ぎゃあああ、こんな事で死にたく…………」
「ぎゃあ!」
「ぐはぐはぐは!」
「ふふふふふ、はっはははは!国王、何を無駄な事を?早く召集命令書を書け!そして、この地図にその地方の領主の場所を書き込め!これが最後の命令だ。この意味がわかるな。」
「ぐぐぐぐぐっ。わかった。少し待て。命令書を書いてくる。」
「王子、そんな事をしたら周りの貴族からの反発が………」
宰相らしき人物が王子、今は国王に話かける。
「では、お前は俺が死んでもいいと言うのか!」
「そ、それは…………」
国王は執務室に入っていった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
一方、香織は………………
香織「おじいちゃん!」
神様「何じゃ、香織は自力で帰ってきた訳か。でも今は助かるのう。敵の戦力が益々増えてしかも強力になってきておるのでな。」
香織「私は、空中戦艦一隻潰してきたわよ。」
神様「ほっほほほほ。たいしたもんじゃ。」
香織「ねぇ、おじいちゃん。それより太郎は?」
神様「うむ。やはり話さなければならんかの。」
香織「おじいちゃん、太郎に何かあったの?」
神様「………………太郎は死んだ。」
香織にとっては衝撃的な告知だった。……………だった?
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調子に乗って新作を出しました。
「ここは異世界?」良かったら見て下さい。よろしくお願いします。m(_ _)m




