第377話 古代竜の速度
「うっうううう。」
「なんでぇ~。」
「くっ、なぜこんな事に。」
みんな、ノアの死に落胆していた。
先生「これで太郎君に続いて二人目……………神様、どうにか生き返らす事は出来ないのでしょうか?」
神様「すまんな。例え手足が無くなろうと僅かに生きてさえいれば何とかなるんじゃが、即死してしまっては…………」
先生「そうなんですか。」
先生はかなり落ち込んでいる。
ノアと一緒に行動した時間は短かったけど、何度も戦いを通じて信頼しあえる大事な仲間になっていたからだ。
ニーナ「神様、黒の治療が終わりました。」
神様「うむ。ご苦労じゃった。」
先生「神様、今日はこの後どうされますか。」
神様「先生も見たと思うが、あれは地球での最新鋭の兵器じゃった。おそらく我々の今いる位置も分かっておるじゃろう。」
先生「やっぱり…………では、この後は別の場所に移動ですね。」
神様「そうじゃな。敵が見えない所から攻撃されては、儂も反撃のしようがないからの。」
黒とアンの治療が終わり、ノアをその場に埋葬して即移動を開始した。
なんとも呆気ないそして突然の事でみんなはかなり落ち込んでいる。
飛び立つ黒には気を失った勇者とアン、それに神様が乗っていた。
また敵の発見をおそれ、古代竜達は超低空で、しかも最高速度で移動していた。
敵が最新鋭の兵器を使っている事がわかった為、敵のレーダー網に引っ掛からないよう行動していた。
あれから何時間飛び続けたのだろう?
古代竜に乗っているみんなが緊張と疲れから、うつらうつらし出していた。
神様「もう、この辺りが限界かのう。」
神様は黒に川の近くで今日の夜営が出来る場所がないか探すように指示を出した。
運良くいい場所があり、そこに古代竜達は降り立った。
神様「ふぅ~、さすがに長時間の高速移動は疲れるの。」
神様は古代竜が出す速度に乗っているみんなが風圧に耐えられない為、先頭で風魔法を使い続けみんなを風圧から守っていた。
こんな無茶な魔法を使えるのは、神様以外は太郎様と香織しか出来ない。
それは長時間魔法を使い続けるだけの魔力や体力がないと5頭分の風圧を守るのは無理だからだ。
先生「神様、お疲れ様でした。ゆっくり休んで下さい。」
勇者「おじいちゃん、俺なんて言っていいかわからなくて。…………ちっくしょう!何が勇者だ!自分も守れないただの人間じゃないか!」
アン「勇者…………」
神様「いさむ。何も無力に感じたのはお前だけではないぞ。儂だって何もできんかった。黒のお陰でお前とアンは助かったのじゃ。今は敵をどうするかを考えるのじゃ。」
勇者「ぐっ。ちっくしょーーーーーーーーーーーっ!」
勇者の叫び。それはみんなも一緒だった。
今は実質、四人いなくなった状態だ。
しかも、最大戦力の太郎様、香織、ユーナがいない。このままでは、いずれまた誰かを失うはめになる。
神様「ユーナを何とか連れ戻さないとな。」
先生「神様、あてはあるのですか?」
神様「おそらくじゃが、天界に………太郎に会いにでもいってるはずじゃ。」
勇者「おじいちゃん、それってやっぱり遠いのか?」
神様「いや、儂なら一瞬で行けるが、お主らが一緒だと、かなりの時間がかかるし、天界に入れない可能性が高いはずじゃ。」
先生「じゃあ、神様1人で………」
神様「その方が早いし楽じゃな。だが、その間柄また同じ敵に攻撃されたら前回の戦いより酷い目に会うじゃろう。いや、生きてはいられんじゃろう。」
先生「そうですね。難しい選択になりますね。」
神様「とりあえず今日はここでゆっくりと休む事にしようかの。今日はかなり移動したから、すぐに敵には見つからんはずじゃ。」
この日神様以外は知らないが、長時間の高速移動により約1千キロも移動をしていたのだ。
古代竜の速度は、神様やユーナかゆらの加護を受けてから音速に近い速度で飛行することができるが、超低空によりやはり速度は7割から8割までしか出せなかったが、それでも1千キロを移動には驚きだ。
敵もまさかここまで移動されてはいるとは思いもよらなかった。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
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