第353話 母上
ここは天界。
太郎様が今どうなっているかを確認に来た女神ユーナ。
ユーナ「……………………いやじゃな。出来ればあと1000年くらいは会いたくなかったのじゃが、太郎の事じゃから、背に腹は変えられん。」
ユーナが、今太郎様の為に嫌な相手にどうしても会わなくてはいけないみたいですね。しかし、1000年会いたくないとか、どんだけ長寿なんでしょうか?
それでも会わなくてはいけない相手とは一体……………
ユーナ「…………………会えばわかる。」
はい、そうですね。でも私は見てるだけですが。
ユーナ「母上、今帰りました。」
えーーーーーっ?ここユーナのお家?
何も無いんですが。
ユーナ「私達に家とかの概念は存在しないのじゃ。」
そ、そうなんですか。
ユーナ「母上!ユーナです。どこですか?」
暫くすると、何処からともなく美しい声が聞こえてきた。
「ユーナですか?」
ユーナ「母上、私です。重要な要件がありまして、おじさんのお使いで帰ってきました。」
あれ?ユーナは「~のじゃ。」使いではなかったのでは?
ユーナ(色々余計な事は言うな。ここでは、お主の思考もダダ漏れじゃから気を付けるのじゃ。)
は、ハイッ!わかりました。
母上「ユーナ、随分早い帰りになりましたね。」
ユーナ「ぐっ、はい。今回はおじさんのお使いがありまして。」
母上「あら、神様の方のお兄様からですか?」
ユーナ「は、はい。そうなのです。」
な、なんですか。この面倒くさい関係は?
ユーナ「母上。」
要約姿を表したユーナの母親。
……………………え?
母上「そ、それでお兄様からのお使いとは一体なんですか?」
ユーナ「はい。………………実は今私とおじさんは、ある世界で一緒でして、大変な事に巻き込まれています。」
母上「……………それでお兄様はなんと?」
ユーナ「……………話をすると長くなりますので、その話はまた今度で、今回は要件だけを………」
母上「ユーナ、ダメです。最初から最後までキチンと話をしなさい。」
えーーーーーっ?面倒くせぇーーーー!
ユーナ「……………母上、時間が無いので要件だけでお願いします。」
母上「ユーナ、話をしないのなら、今からお兄様の所に行って、直接話をききます。それで今お兄様はどちらにいるのですか?」
うわゎゎゎゎゎゎ!超面倒くせぇーーーー!
ユーナ「母上、お願いします。大切な事で時間が無いのです。(私にとって。)」
母上「さぁ、お兄様はどこですか。」
ユーナの母親、超ブラコン?しかし、見た目は……………ユーナの双子の姉?妹?
ユーナ「母上!本当に時間が無いのです。おじさんのいる場所は教えますから、私の要望を聞いて下さい。」
母上「………………ユーナ。何をそんなに必死になっているのですか?私は話を聞くまであなたの要望とやらも聞くわけにはいきません。」
ユーナ「母上!どうしてもダメですか?」
母上「ダメに決まってます。」
ユーナ(これだから会いたくなかったのじゃ。)
母上「なんですか、ユーナ?」
ユーナ「母上、では今から私と一緒おじさんの所に行きましょう。そこで話を聞いてもらえますか?」
母上「そ、そう?では今から支度するので少し待ちなさい。いいですね、ユーナ?」
ユーナ「はい、わかりました。なので早く支度を終わらせて下さい。」
母上「すぐに戻るわ。」
母親が支度の為何処かに行ってしまった。……………なんかえらく面倒くさい展開になりそう。
ユーナ「仕方がない。今から太郎達と初めて会った所から全て説明なんかしているより、おじさんに会わせて、要件だけを言った方が何倍も早いからの。」
うーん、大変なキャラが登場してしまいました。
この先どうなるのやら。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。




