第350話 神様のズルは卑怯
先生「では、多数決の結果、この街を……………」
ゴクリ
誰かが生唾を飲み込んだ……音が聞こえたような気がした。
ドュルルルルルル。なぜかドラムロールの音まで聞こえてきたような……………。
神様「……………………(ちょっとこの街で遊んでいきたいの。)」
はっ?
ちょっと待って。神様今なんと?
先生「では、多数決の結果、この街を……………」
先生、いくらなんでも伸ばし過ぎでは?
神様「………………(ワクワク)」
神様ーーーーー!
先生「この街を……………見捨てる事に決まりました。さぁ、さっさと次に行きましょう。」
神様「えっーーーーーーー?」
みんな『えっーーーーーー?って何が?』
素早く神様に突っ込みをいれるパーティーメンバー。
神様「そ、そんな。」
先生「なにが、そんな?ですか。いいですか神様。民主主義に乗っ取り、多数決で決まった事です。諦めて下さい。それに早く香織さんを(いつの間にか名前呼び)探さなくては。」
勇者「そうだよ!こんな所で道草してる場合じゃないだろう?早く香織を探しに行こう!」
アン「勇者のかわいい香織に何かあったら、勇者は一生ダメ人間になりますよ。」
勇者「アン!それはいい過ぎだ!せめて引きこもりぐらいになる。で勘弁してくれ。」
な、何だろう。このパーティーは?
ニーナ「さぁ、支度できました。」
マリー「ニーナ様は支度が早いですね。」
シーバ「私も終わった。」
ヒトミ「はい!3番目!」
ノア「私はいつでも。」
リーン「ふーう。」
先生「さぁ、行きましょう。」
勇者「白、香織の臭いで居場所はわかるか?」
白「犬じゃあるまいし、わかるか!」
勇者「そ、そうか。」
シュン。と項垂れる勇者。
先生「神様、行きますよ。」
神様「…………………はぁ。」
街で遊べなくて項垂れる神様。
やはり、血は争えません。
準備も整い、町長に挨拶もせず旅立とうとした瞬間。
ピカッーーーーーーーーーー!
先生「な、なに?」
勇者「目、目、目がぁ~!」
アン「ぐっ!」
ヒトミ「えっ?なに?」
ニーナ「キャーー!」
マリー「何も見えませんわ。」
シーバ「リーン様、だ、大丈夫か?」
リーン「シーバ様のお陰で大丈夫。」
シーバ「一体何が?」
リーン「ッチ」
えっーーーーーーーーー?リーン様?今舌打ちしましたよね?
ってなぜ?
リーン「神様が我が儘やりだした。」
『えっ?』
シーバ「な、リーン様何を。」
リーンは憎々しげな顔をしながら次第に平伏しだした。
その神々しいまでの光を直接見ていた古代竜、勇者、アン、マリー、ヒトミ、ノア、先生等は自分の意思とは関係なくその場に次々と平伏しだした。
偶然リーンを庇う様に背を向けていたシーバだけが何がなんだかわからなく、背後からの威圧ににも似た物を感じ、その場に倒れこんでしまった。
しかし、なぜか、なぜか1人だけ平然とした人物がいた。それは………………
神様「ふむ、さすがじゃ、ニーナ。」
神々しい光が段々と弱まり、周りの平伏しているみんなを見てニーナは。
ニーナ「あれ?みんな何をしてるの?」
神様「ほっほほほ。ニーナは凄いの。」
みんなは平伏したまま気を失っていた。
…………………てか、この物語、気を失う事が多いと思います。実生活で、気を失う事なんて、一生に1度あるかないかじゃないかと思います。………………はっ、すみません。私情が入ってしまいました。
話を戻します。しかし、なぜニーナは無事なんでしょう?
ニーナ「神様、みんなに何をしたのですか?」
あれ?ニーナ少し怒ってます?
神様「ほっほほほ。いや、ちと儂の言う事をみんなが聞きやすいように、ちょっとズルをな。」
ニーナ「な、神様ズル?」
はぁ、この人本当に神様なんでしょうか?
神様「儂は本物の神様じゃぞ。」
ニーナ「ジーーーーーーッ。」
はぁ、ダメだこりゃ。
最後まで読んで頂き本当にありがとうございます。
誤字脱字などありましたら、華麗にスルーしてお読み下さい。




