第311話 ギリギリ
空飛ぶ戦艦。
剣と魔法、魔物や魔獣、人族や亜人、神様や女神様が存在する異世界ファンタジーの世界でかなり異質な物。
どこから来たのか。或はこの世界で作られた物なのか。今はまだわかりません。
そんな物までも、使い物にならなくしてしまった太郎様。
そのエネルギーは計りしれないものでした。
『か、考えられん。』
1人の謎の男が呟いた。
『あんなバゲモノと正面からまともに相手などしてたらいくつ命があっても足らんわ。』
そして、小型の脱出挺で香織を連れて…………
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
一方、太郎様達は?
神様「ユーナ、すまなかった。太郎に気を取られて結界を張り忘れてたわ。」
ユーナ「それはいいけど、太郎の様子はどうじゃ?」
辺り一面が爆発により煙と砂塵により視界は最悪。
神様「まだ何も見えぬの。
」
ユーナ「なら、風魔法で辺りを…………」
神様「待つのじゃ。まだ状況がハッキリわからんのじゃ。無暗に動くのは得策ではない。」
先生達も古代竜とユーナ様の結界により、なんとか助かったようだ。
神様「ユーナよ、竜達や先生の中でケガをしておるものがいないか確認をするのじゃ。」
ユーナ「そうじゃな。」
軽い擦り傷程度で、みんな無事であった。ただ、太郎様とニーナ様がどうなったのか?あの爆発により二人とも無事ではすまないのでは?そればかりが気になりケガどころではなかった。
神様「見えてきたの。」
神様はゆっくりと歩きだし、ユーナ様もそれに続いた。
神様「な、」
そこには太郎様と思われる人物とその人物に大事に抱かれていたニーナ様の姿があった。
ユーナ「太郎っ!」
ユーナが走りだし、咄嗟に太郎様に触ろうとした時に。
神様「ユーナ、太郎に触るでない!」
神様からの一喝により、ビックッ!とし、ユーナ様の手が止まった。
良く見ると太郎様は…………ピクリとも動かず、全身が白くなっていた。髪も肌も服まで。
神様「………………姿形には残っているが…………ギリギリじゃな。」
ユーナ様は言葉も太郎様を無く見つめていた。
後ろからは、先生達がやってきた。
先生「太郎君?」
シーバ「う、嘘………」
ヒトミ「なんですか、これ?」
リーン「太郎様、太郎様?」
ノア「これってまさか…………」
マリー「なんでこんな事に………」
神様「魔力や力をほぼ使い切ったのじゃろう。かろうじて、形として残っておるから、まだギリギリ生きているはずじゃ。じゃがこれは………」
ユーナ「そうじゃな。太郎を普通の状態に戻すには、私と伯父さん二人の魔力を太郎に供給しても助かるかどうか………………」
神様「しかも、動かせないのだから余計じゃな。」
先生「あ、ニーナ様は?」
神様「太郎が命がけで救ったみたいじゃな。まったく無茶をしおって。」
ユーナ「不謹慎じゃが、ニーナが少し羨ましいの。」
先生「そうですね。でも同じ状況になったら太郎君なら同じ事をきっとすると思います。そんな人だからみんな太郎君の事が大好きなんじゃないですか。」
ユーナ「そうじゃな。」
みんなは先生の話を聞き、黙って頷いていた。
神様「じゃが、このままにはしとく訳にはいかんからな。とりあえず今日は、儂とユーナでギリギリまで魔力を太郎に供給するから、お主らは夜営の準備と、食料と水の調達を竜達とお願いするのじゃ。恐らくは一週間はかかるから、そのつもりでの。」
先生「わかりました。神様もユーナ様も太郎様とニーナ様の事よろしくお願いします。」
ユーナ「こらこら、先生?何を正妻ぶっておるのじゃ?」
神様「ほっほほほほ。儂も一瞬香織の事を忘れてしまったわ。ほっほほほほ。」
これからのち、10日間に及び、太郎様に魔力供給をおこなった。
3日間後にニーナ様が目覚めましたが、太郎様は10日間過ぎても目覚める事はありませんでした。
最後まで読んで頂き本当にありがとうございます。
明日の更新はお休みします。
すみませんでした。最後の2行くらいの文章が抜けてました。追加しました。




