第309話 神様と女神様の存在意義
マリーの話は驚愕するものだった。
マリー「私とニーナ様で先程までいた村で、この村の責任者に緊急の話があるから会わせて欲しい。とお願いしていました。」
一同、固唾を飲んでマリー様の話を聞いていた。
マリー「村の人達は、ごく普通に対応してくれまして、村長の家まで案内されました。」
神様「うむ。その時はみな普通じゃった訳かな。」
マリー「はい。最初に声をかけた女性………女性だったのですが、普通の対応で村長の家まで案内してくれる。との事でしたが、話の途中で男性が近づいて、その方も一緒に案内をしてくれる事になりました。歩き出して周りを見ましたがごく普通の村。と言う感じですが、ただ少し人が多いかな?と思う程度でそれほど気になりませんでした。」
太郎「マリー!それでニーナをこんな目に合わせたのが村長か?」
神様「太郎、お主は少しは黙っておれ。話が進まないからの。」
太郎「ぐっ、」
神様「それからどうなったのかの。」
マリー「はい、それから村の中心近くまで歩き、村長の家と思われる場所まで若い男性と最初に声をかけた女性の二人に案内されました。ここが村長の家です。と。」
神様「ここまで話を聞くと、ごく普通の村のようじゃな。」
マリー「そうです。今その時の事を思い出しても、何処にでもありそうな村でした。」
神様「マリーや。村長の家に行くまでに、他の村人達はおったのかの。」
マリー「はい、畑仕事をしている人、薪を割っていた人、外で遊んでいる子供達、洗濯をしている女性。こんな感じでした。」
神様「他の村人達からは、挨拶やら、話し掛けられたり、マリー達を見ていた村人達はいたたかの。」
マリー「いえ、最初の二人としか話はしてません。」
神様「じゃあ、結構な村人が居ったにも関わらず、マリー達の事は見ていたり話し掛けられたりしなかったわけじゃな。」
マリー「はい、その通りですけど??」
太郎「じーちゃん、話が見えないんだけど?」
神様「太郎、もしマリーやニーナみたいな美少女で身なりのいい娘が知らない村を歩いていたら………………?」
太郎「そっか。マリーやニーナを初めて見たら少しは注目を集めてもおかしくない。いやむしろ集めない方がおかしい。(=村人はおかしい。)話は出来なくても、二人なら絶対に注目集めるからな。」
神様「まぁ、そう言う事じゃな。二人は幻覚でも見せられてたのじゃろう。それからどうしたのじゃ。マリーは村長に会えたのかの?」
マリー「あ、いえ、その前に突然村長の家の中から黒く長い手が出てきまして、ニーナ様を村長の家の中に引きずり込まれ、すぐに私が助けに行こうと動いたら最初に案内をしてくれた二人に体を捕まれまして、『二人共、凄い力………動けない。ニーナ様は。』それからすぐにニーナ様が村長の家の入り口から私の正面に飛んできました。ニーナ様は私にぶつかり、その勢いで3人共に飛ばされました。運良く私を捕まえていた二人がクッションとなり、さらにニーナ様は倒れた私の上にいましたので、起き上がって、ニーナ様を抱き抱えその場から急いで逃げました。ビックリしたのは、その二人が追いかけてくる時は、アンデッドになっていた事と連鎖的に色んな場所からアンデッドが追いかけてきて、マズイ捕まる………あと少しで……と言う時に太郎様が助けに来てくれました。」
神様「うーむ、やっかいじゃな。」
ユーナ「これは不味いのじゃ。」
みんなが「え?え?」と。
神様「マリーの話を聞いてニーナはもう生きかえる事ができぬ可能性が高くなってました。」
太郎「な、どうして?ユーナっ!」
ユーナ「太郎、ニーナはもしかしたら魂を喰われた可能性があるのじゃ。魂を喰われたらもう生きかえる事ができんのじゃ。」
太郎「うそだろう?だって、この世界じゃあ、簡単に死んだ人間を生きかえらす事が出来るじゃないか!」
神様「太郎、本来生き物の命は一つなのじゃ。地球ではそれが絶対だったはずじゃが?」
太郎「今、地球の話とか関係ないじゃん。それなら、こっちは異世界だから生きかえらす術があるじゃないの!」
ユーナ「太郎、いくら異世界でも出来る事と出来ぬ事はあるのじゃ。」
神様「太郎、お主は何か勘違いをしていないかの?」
太郎「え?どう……」
神様「お主は儂やユーナがいるから何とでも出来るとか思っておらぬかと言っておるのじゃ。」
太郎「……………」
ユーナ「なぁ、太郎。女神様や神様が普通の人と話をする事ってあるのかの?」
太郎「あ、そ、……………」
そうです。いくら異世界であろうと、女神様や神様は人とは話をしません。たまに、本当にたまーに(100000万年)に一回くらいお告げや、天恵などがありますが、今の太郎様達みたいにパーティーを組んで、しかも古代竜まで従えて旅したり魔物を退治したりはしません。
なまじ、香織のお祖父様とその姪っ子だった為(太郎様は生前の神様とは面識有り…どころか、香織と太郎様の婚約を決めたのは神様だった。)その事を忘れていた太郎様とみんなでした。
神様「太郎、わかってくれ。」
ユーナ「太郎……………」
すると、太郎様の体の中で凄まじい力と魔力が増大していく。
太郎「わかったよ。じーちゃん、ユーナ。今まで色々ありがとう。」
神様「た、太郎!お主………ぐっ、」
キャー!神様とユーナ様以外の娘達が飛ばされる。それを必死に古代竜達が助ける。
ユーナ「太郎、止めるのじゃ!」
太郎「ユーナ、今までありがとう。香織と他の皆にも…………いや、なんでもない。」
神様やユーナ様が制御しきれない力と魔力が膨れ上がる。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『な、なんだこの力は。』
ガタガタ、ガタガタ。
「えっ?これってまさか太郎?」
『この場からすぐに離れる!総員第一戦闘配備!機関全開緊急発進の準備にかかれ!香織もついてこい!』
「これ、太郎だ。」
『あ~、どかのバカがパンドラの箱かを開けたようだ。』
「太郎がパンドラの箱?」
『出発準備整いました。』
『すぐ出発!この機体に防御結界を大至急に張れ!巻き添えをくう前に逃げるぞ!全速前進!』
『了解!』
「太郎、一体なにが………」
ギューーーーーーン!
そして、せっかく香織がいる近くにいたのに、また遠くにと…………
最後まで読んで頂き本当にありがとうございます。
急いでアップしたので、誤字脱字などありましたら、スルーしてお読み下さい。




