第308話 ニーナ
太郎「マリー、いったい何があった。」
ニーナを抱き抱えている太郎様。
マリー「太郎様、落ち着いて下さい。それより早くここからニーナを連れて逃げて下さい。」
太郎様は何を言われているか、一瞬わからなかった。
太郎「な、なんだアイツら…………」
マリー「早く、太郎様!ここは私が!」
なぜか太郎様はあの古代竜戦以来の膨大な力が溢れてきていた。
太郎「マリー、ニーナを頼む。…………」
マリー「太郎様、待って下さい!私が囮になりますから、早くニーナをユーナ様の所に……」
太郎「マリー、俺がそんな事出来ないのは知ってるだろ。ちょっと待ってろ。すぐにアイツらを片付けてくるから。 ニーナ、悪いけどちょっと待っててくれ。」
そう言うと、太郎様はニーナ様の頭を撫でた。すると、テレポート(太郎様は目で見える範囲でしかテレポートができない。)で一気に敵の中心に姿を表した。
アイツらとは………
アンデッド。おそらくこの近くの元村人達のようだ。
太郎様は怒りの絶頂に。
腰にさげているショートソードを鞘から抜く。その刃は眩しい程に光輝いていた。
おそらく100体近くいるアンデッドに対してショートソードを横一直線に薙ぎ払った。
一瞬にして半分以上のアンデッドが消滅した。
さらにアンデッド達が太郎様目掛けて集まってきた。そこにまた太郎様は今度は反対側に横一直線に薙ぎ払った。
たった剣を2回振っただけで、今この場にいるすべてのアンデッドが黒い霞となって消滅した。
マリーはただ呆然見ていた。
太郎様がマリー様とニーナ様の元に戻ってくる。
太郎「マリー、悪いけどそのままニーナをしっかりとかかえていてくれ。すぐにユーナの所に連れて行くから。…………ニーナ、ちょっと我慢してくれよ。」
太郎様はマリー様とニーナ様を抱える様にしてゆっくりと空に上がっていく。
太郎「マリー、ニーナ、ちょっとだけ我慢な。」
すかさず太郎様は、ドンッ!ともパンっ!ともいえない音を出して飛んでいった。
太郎(あのアンデッド……少し変だったけど、ニーナをこんな目に合わせた事、絶対許さない!)
そしてすぐにユーナ様の場所に。
太郎「ユーナっ!ユーナっ!早くニーナを、ニーナを見てくれ。」
突然現れた太郎様とマリー様、そしてグッタリしてマリー様に抱えられているニーナ様。
突然の事で皆はビックリしていた。
太郎「ユーナ!早く!」
ユーナ「どうしたのじゃ!」
太郎「ニーナが、ニーナが。」
これだけ取り乱した太郎様は、勇者に香織を連れ去られた時以来だった。
太郎「ユーナっ!ニーナは助かりそうか?」
神様は俯いていた。
ユーナ「太郎、ニーナはもう。」
太郎「はっ?お前なに言ってんだよ!早く回復魔法で治せよ!」
神様「太郎!少し落ち着け!」
太郎「なぁ、ニーナ、ニー………くっ、…………マリー、一体ニーナに何があった!」
そこでユーナが太郎様にビンタが飛んだ。
ユーナ「太郎!少しは落ち着け!」
太郎「だって、ニーナが…………」
太郎様はニーナ様を抱きしめる。
神様「マリー、一体何があったのじゃ。」
マリー「はい、実は…………」
マリー様の話は信じられない事だった。
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