第28話 盗賊 その2
いつもお付き合いしていただきありがとうございます。
誤字脱字により読みにくい所は、後日なおします。
また、感想や意見などありましたらお待ちしてます。
少しセリフを追加しもした。
「お前達はこのままおとなしく捕まるか、それとも……」
太郎は、既に死んでいる騎士団風のヤツを見てそう静かに話をしている。
太郎にとって、初めての人殺のはずだが、臆することなく逆に残りの5人に対して、物凄い殺気を飛ばしてる。
他の盗賊?達は太郎の威圧に対してまったく動けなくなっていた。
「先生、馬車の人達は大丈夫です?」
「え~、大丈夫みたいだから、私達の馬車に移動させますね。椿君1人で平気ですか?」
「僕はもちろん大丈夫です。先生にも死んで欲しくありませんから、頑張ってみます。」
(椿君、随分余裕ですね。でも気をつけて下さい。マップ上だと、ここにいる盗賊以外にもまだいますよ。)
当然、太郎のマップにも、まだり距離はあらるが15人位の人達が、こちらに向かってきているのがわかる。すべて赤のマークだ。
遠くの方から「お~!どうした~!」
「あんまり遅いから迎えにきたぞ~!」
1人の盗賊が、「ヨシッ!マクベ様も一緒だ。おいっ!そこの小僧もう泣いても謝っても絶対に許さないからな。お前の女はお前を殺した後に……ぎゃああああ~!あれ、俺の両腕が……」
男はそのまま、ガシャガシャ、ずぅんと言う音とともに直れた。」
「お前うるさい。しゃべりすぎ。何しれっと仲間の到着の時間稼ぎしてるんだ。でもたいして時間たってないか。」
太郎は冷静だ。これは能力の1つが開いたためだ。『胆嚢』これにより騎士団みたいなやつらが何人いても(鎧だけ中はただの盗賊)、人を殺す事に躊躇や忌避感が無いのもこの能力のおかげだ。
「先生、またバカが増えてきました。」
「椿君、あの人数相手に出来る?」
「まぁ、何とかなると思いますよ。うちのクラスのヤツがいたらやっかいですが。」
馬車に乗っていた女の子達は、すでに先生の乗る馬車に移っていた。
とうとう仲間がぞろぞろ集まりだした。
「おいおいおい。どう言う事だ?」
現場についたら1人の男が、盗賊達を蹂躙していた。頭と思われる人に部下が耳打ちしていた。おそらく状況説明だろう。
「おっ!そこの小僧っ!これやったのお前か?」
盗賊の頭らしきやつが来た。
「だから?」太郎は挑発する。
「お前わかってるの?今ここに20人くらい仲間がいる。で、お前1人。
クックックック、アーッハハハ!面白い。お前結構強くても、所詮1人。数で押せば、人はいつか疲れて動けなくなる。ましてやこんな小僧相手にクックック。」
「あ~、そうだ。後ろの馬車にいるあの女俺のに決定!」
「マクベさん、ほかのは……」
「あ~、あの女以外に好きにしていいぞ!
やったー!、ひゃっはー!、俺達の頭最高っ!
「だから、あの小僧をさっさと始末して、帰るぞ!」
うぉぉぉぉ~っ!さっさとやっちまって、いいことしようぜっ!みんな行けぇ~っ!
その瞬間、太郎はマクベとか言う盗賊の頭のうしろにいて、ショートソードを首に当ててた。
襲いかかってきた20人からの盗賊は、なぜか、声も上げず、次々に倒れていった。
ドサッ!バサッ!ド、ドサドサっ!
いきなり静かになった事に不思議に思い、首にショートソードを当てられてるにもかかわらず、目で周りの状況を見ていた。
死んでる?みんなが、あの人数を一体この短時間でどうやって。
額から汗が止まらない。
「おいっ!お前!確かマクベって言ってたよな。」
「は、はいぞうでず。」
恐怖で歯がガチッガチが止まらず、何がなんだかわからない。もう終わりだっ!そんな事を考えていたら突然太郎から質問が飛び出た。
「おいっ!聞いてるか?」
「はい~ぃ、ぎいでまず。」
太郎は、はぁ~とタメ息をして質問をしてみた。
「お前達はなんであの馬車を襲った?」
マクベの顔を覗きもむ。
「ひぃぃっ。はなじまず、はなじまずがら、ころざないで。」
「じゃあ、教えろっ!」
これでは、どっちが悪者かわからなくなってきている。
それは、馬車の上にいる先生も同じ気持ちだった。
「はいっ、自分等はマクベ団って言う結構有名な盗賊です。今日たまたま、奴隷として売られていく馬車が通る情報を手に入れて、待ち伏せしてました。男は殺して、女だけアジトに連れて帰る簡単な仕事の予定がぁ~。」
(マクベ団?子供団かよっ!)
「おいっ!あんまり動くと、首無くなるけどいいの?」
「ひぃぃっ、おねがします、何でもしますから命だけは。」
「う~ん、どうしようか。あっ!」
太郎は何か閃いた。
「なぁ、お前らのアジトってドコ?」
「アジトですか?それなら……」
「いや、ここから近いの?」
「はっ、はいっ!すぐそこの洞窟ですが、認識阻害の簡単な結界があり見た目はわかりないと……」
「その結界ってどうすれば外せるの?」
「こ、こっ、この魔道具のボタンを押せば結界は消えます。」
「じゃあ、詳しくここにアジトの場所書いて。まぁ、ウソを……」
「書きます!書きますっ!ウソは書きません。」
カリカリと地図を書いた紙を太郎に渡す瞬間、マクベが靴の先端に隠しナイフが仕込んであり、それを後ろから首にナイフを突きつけている太郎の股間めがけて蹴り出す。
が、マクベは「あれ?なんであそこに俺の体か……」
太郎は一瞬の殺気を感じ、躊躇わずマクベの首をはねたのだ。
先生が心配そうな顔をして、走ってくる。
「ドサッ!」先生は派手に転んでいた。
「先生、大丈夫ですか?」
先生はムクリッと立ち上がり、顔と目を真っ赤にして、泣きながら抱きついてきた。
(わーっ、なんか柔らかいものが2つ当ってますからっ!当たってるー!)




