第279話 第2回じゃんけんぽん
ウズウズ。ウズウズ。
勇者「なぁ、おじいちゃん。俺ちょっとダメだ。」
神様が悔しがっている様子を見ながら、勇者が突然言い出した。
勇者「俺、太郎を殺してもいいか?」
「「「「「はぁーーー?」」」」」
一同驚く。
勇者「いや、あれじゃあ香織がかわいそうだろう?」
「「「「「あれ?ってどれ?」」」」」
勇者「いやいや、太郎の事だよ!」
みんなはなぜか「んーーーー?」って感じで勇者を見る。
勇者「いや、おかしいでしょう?太郎が何人も婚約者がいるって!…………いや!おかしいからっ!」
みんな、やはり勇者の言ってる事に理解が及ばない。そこで神様が一言。
神様「いさむ、お主は何を言っておるのじゃ。」
はっ?とした勇者の顔。
神様「しかし、太郎のヤツメすっかりハーレム王だのう。ほっほほほ。」
ユーナ「じゃろう!太郎は凄いじゃろう!」
嬉々として話すユーナ。
神様「しかし、さすがに儂の親族じゃ。第1婦人と第2夫人か。」
勇者「なっ!」
言葉にならない勇者。
神様を含めた、みんながわいわいガヤガヤと話始めた。
アン「ふぅ~。勇者、諦めな!この世界では、当たり前の事だし。」
勇者「アン、お前までも………」
アン「しょうがないよ。この世界では人の命は軽いからね。だから、人は沢山の子供を作る。そしてその相手が強い男なら尚更。女は黙っていないしね。」
勇者「じ、じゃあ、た、太郎のあの結果は悪くない……と。いや、寧ろ歓迎される……と。」
地球生まれの地球育ちの勇者には少し理解し難いことなのかもしれない。
神様「で、後のお嬢様方はどうなんじゃ?」
マリー「はい!次は私で。」
リーン「マリー、それはない。次は私。」
ヒトミ「いやいや、ここはやはり私から?」
シーバ「こら、ヒトミ私が…………!」
ノア「みなさん、騒がしいので先に私が…………」
わいわい、ガヤガヤ!
「ストーップ!ここはやはりじゃんけんで決めましょう!」
突如の発言はなんと1番の年下のニーナだった。
神様「良し。それでいこうかの。」
ドンドン、パヒュパヒュ!わぁーーーーーーっ!
神様「あ~、ごほん!え~、ではただ今から第2回じゃんけんぽんをスタート!」
ザワザワ、ザワザワ。
神様「最初はグーーーーーッ!じゃんけんぽんっ!」
第2回じゃんけんぽん大会がはじまった。これを見ていた太郎様と勇者は二人で大きなため息をついていた。
『はぁーーーー。』
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。




