第275話 香織の真実
シーーーーーーーーーーン!
誰も言葉がでなかった。
ユーナ「おじいちゃん、かわいい孫がまた拐われたね。」
ギョ!とするみんな。
神様「まぁ、しょうがないて。」
ユーナ「かわいい孫が拐われたのに随分呑気だね。」
神様「香織にはマーカーをつけたし、あやつらも香織を乱暴に扱う事はないだろう。いやできないだろう。」
ユーナ「ふーん。それはやっぱり香織が巫女だから?」
神様「ユーナ、香織は巫女ではない。神子、神の子じゃ。」
「「「「「「えーーーーーーーーっ!」」」」」」
一同、香織の真実を知り一斉に驚く。
神様「だから、大丈夫じゃて。」
ユーナ「なにそれ?私は何も聞いてないよ?」
神様「実は儂も最近知ったのだ。ここまでとはさすがに儂も思わなかったがな。」
「「「「「「えーーーーーーーーっ!」」」」」」
もう、何がなんだか分からないが、一斉にハモっている。
ユーナ「それ、確証があるの?」
神様「間違いない。確かじゃ。」
太郎様達一行、勇者一行は唖然としたまま。
そしてやっと太郎様が話はじめる。
太郎「すいません。ちょっと話を聞いてもいいですか?」
太郎様は神様に失礼がないように話をする。
神様「太郎、お前も随分大きくなったの。」
太郎「えっ?」
ユーナ「太郎、じいちゃんは、生きていた頃に、小さい太郎と何度も会ってるんじゃ。」
太郎「すいません。話を少し整理してもいいですか?」
神様「構わないが。」
太郎「えーと、神様は香織の実のおじいさんですよね。そして、ユーナは神様の姪っ子ですよね。そして、後ろにいる勇者、あなたは香織の実の兄で間違いないですよね?」
神様「間違いないな。」
突然、太郎様が語気を強めた。
太郎「勇者、貴様は英雄と一緒に香織を拐った。なぜだ?」
太郎様は勇者と英雄に食ってかかった。
勇者「太郎、お前も全然変わっていないな。」
太郎「そんな話をしてるんじゃない。なぜ香織を拐った!」
神様「それには儂が答えよう。」
みんなは唾を飲み込み、やや緊張しながら黙って話を聞いていた。
なにせ相手は、神様、女神様、勇者、英雄、古代竜。そして太郎様。大物勢揃い。
先生達が緊張しない訳がない。
神様「太郎と香織が一緒にいると、元の世界に帰る方法が無くなるからじゃ。違う言い方をすると、太郎と香織が一緒だと、絶対に元の世界に帰れんてことじゃ。」
太郎「なっ、それは、どうして?」
神様「香織の力を引き出す為には太郎と一緒だと発揮しないからな。それに香織は太郎を頼り続けるだろうから、それだと香織が成長せんのじゃ。」
グッ。太郎様は何も言えなかった。
ユーナ「それで、これからどうするのじゃ?」
神様「ふむ。そうじゃな。とりあえず今日はここで休むとしようかの。太郎達もそうしていたようじゃし。」
ユーナ「じゃあ、話はあとじゃな。」
神様「太郎、一緒でかまわないか?」
太郎「はい。食べ物もありますから、一緒に。」
神様「太郎、そんなに落ち込むな。香織は絶対に大丈夫だから。もしもの時は儂の命と引き換えに助けるから。」
太郎様は一気に疲れと緊張感がとかれ、グッタリしている。
太郎様はふと古代竜の方に向かう。
そして、白古代竜の側にきて、
太郎「ありがとう。多分香織を沢山助けてくれたんだね。」
『太郎様との約束でもあったが、香織の事が、好きになってしまったわい。』
カッカッカカカカ。と笑う白。
太郎「でも、約束を守ってくれてありがとう。このお礼はいつか必ずするから。」
『気にするな。儂も好きでやってる事だからな。』
太郎「それでも、君たちには感謝するよ。お礼には、俺の命をかけて必ずするからか。」
カッカッカカカカ。古代竜達が笑っていた。
本気の殺しあいをした間柄には見えず、長年の友達のように話をして盛り上がっていた。
それを見ていた神様は。
神様「やはり太郎だけしか、他にはおらぬな。」
意味深な事を呟きながら、みんなで夜営と食事の準備をしていた。
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