第267話 身内に酷い?香織
「はぁーーーーーーっ?」
香織が大きな声で叫ぶ。
勇者「いや、だから香織の力でで空とか飛べたりするか聞いてるんだよ。そ、そりゃあ、俺やアンは似たような事ができるが、香織のは俺達と違って完全に空に浮かぶんだ。」
香織「お兄ちゃんやアンさんって、空を飛べるの?」
勇者「違う、違う。俺達は身体能力と力を利用した、空中に見えない階段や足場を小さく作ってその上に乗り移動するものなんだ。」
香織「ふむ、ふむ。」
勇者「ところが、香織の場合は完全に空を飛ぶ…………うーん、重力が無くなった感じで空に浮く感じなんだ」
香織「お、お兄ちゃん。頭大丈夫?」
香織が実の兄を物凄く残念そうな人を眼でみる。
アン「香織、勇者は本当の事を言ってるから。実際私も見たから。こーう。ふわ~って感じで。」
香織「……………ふーん。で?」
「「あっ!それ、その顔は信じてないな!」」
勇者「おじいちゃんからも何か言ってくれよ。」
神様「ほっほほほ。二人共何を言ってるかの?人間が空なんぞ飛べる訳ないじゃろ。」
と、からかう神様。
香織が思いっきり冷たい眼で勇者とアンを見る。
勇者「だぁーーーーっ!おじいちゃん何言ってんだよ?一緒に見たじゃん!」
神様「ほっほほほ。まぁ、まぁ。香織、本当に何も覚えてはおらぬのか?」
香織「うーん、そうね。空を飛んでいない事だけは覚えているかな?」
「「おじいちゃん(神様)!何か言って!」」
神様「そうか。あとは何か覚えていたり、思い出したりした事はないか?」
香織「え~っ、あっ、思い出した!」
「「「「?」」」」
香織「空に浮いた記憶が無いって、今思った。」
勇者、アン唖然、呆然。
香織「お兄ちゃん、それで?何で私は10日間も寝てたの?」
勇者「いや、だからまず確認の為に空に飛べるか聞いていたんだよ。」
香織「空なんか飛べる訳ないじゃない。何を言ってるのかな?かな?この少し脳筋のお兄ちゃん。」
あっ、勇者がガックリ地面に両手をついた。
神様は相変わらず「ほっほほほ。」笑っているだけ。
アンは今一生懸命勇者を慰めている。
香織「それで?脳筋なお兄ちゃん。私が空に浮く事と10日間寝ていた事に何の関係があるの?………あれ?」
アン「香織、少し勇者をそっとしておいてあげない?今とても話ができる感じじゃないから。」
大好きな妹から、会いたくて会いたくてしかたがなかった妹から、「脳筋お兄ちゃん、頭やっぱり大丈夫?」的な事を言われ、かなりのダメージを追っていた。
そう、かのドリーン王国との一戦いらい。
香織「もう、なんなの?お兄ちゃんは。おじいちゃん?」
神様「まぁ、そういさむを責めるな。それにな、いさむやアンが言っている事はすべて本当じゃぞ。」
香織「へぇ~。そうなんだ。私って空を飛べるんだ?今度、白と空中散歩ができるかな?」
神様「香織、本当じゃから。」
香織「え?脳筋お兄ちゃんの妄想じゃなく?」
神様は黙って頷いた。
香織「またまた、おじいちゃんボケたの?」
あーーーっ、これは神様に向かってあまりにも酷い言い方。
香織「うそ?……………えーーーーー!」
香織は叫び、神様と勇者は身内からのキツイ一言で項垂れていた。
香織「え?私って凄くない?」
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
すみません、まだ少し短文で続きます。
誤字脱字がありましたら、スルーしてお読み下さい。




