第260話 早く太郎に会いたい。
神様一行が、香織のやらかした場所からかなり離れた所で夜営をして、次の日を迎えた。
神様「うーん、さてどうすかのう。」
神様なぜか思案中。
勇者「おじいちゃん、おはよう。相変わらず朝起きるの早いね。」
神様「いさむか。あぁ、おはよう。年寄りは朝起きるのが早いんだよ。まぁ、ワシは基本的に寝なくても全然大丈夫じゃからな。」
勇者「あ、そっか。おじいちゃん神様だからね。」
実の祖父が神様だと忘れている勇者。
香織「う、うん。はぁ、もう朝なんだ。」
そして、12時間以上寝ていた香織が起き出した。
勇者「お、香織起きたか?おはよう。」
香織「あ、お兄ちゃん。おはよう。なんだか体がだるいの。」
((だろうなぁ、あんな力使ったんだから。))
神様と勇者。
アン「はっ!いつの間に寝たの?」
アンが突然に起きる。
勇者「アン、おはよう。早く一緒に朝食済ませようぜ。」
アン「あれ?勇者。……………………ねぇ、私いつの間に寝たの?」
勇者「あ、う、うん。ここについてすぐ横になって寝てたから、そのまま起こさなかったんだよ。」
嘘の下手な勇者。
アン「そうだっけ?なんか重大な事を忘れてる気がするけど。」
勇者「き、気のせいだよ。早く朝食にしよう。」
アン「……………うん。わかった。」
あんまり納得していないアン。
香織「おじいちゃん、なんか起きれないんだけど。なんでかな?風邪をひいて高熱を出した時みたいにだるいの。」
((それはムリもない。))
アン「香織、大丈夫?」
香織「うん、だいじょばないかな?」
アン「え?なにそれ?」
勇者「おじいちゃん。」
神様「うむ。分かっておる。」
神様、香織が横になっている側まできて香織の額に手をかざした。熱を測るように。
神様「香織、これでもう大丈夫はずじゃ。」
香織は自分の体がフッと軽くなるのを感じて、意識もハッキリとしだす。
香織「うそ?なんかさっきまでの感じが無くなったよ?おじいちゃんが何かしたの?」
神様「そうだな。まぁ、簡単な風邪ぐらいすぐに治せる力ぐらいワシにもあるぞ。」
(おじいちゃんのウソつき!)
神様「ほれ香織、早くご飯を食べなさい。食べ終わったらすぐに次の転移門に向かうからな。」
香織「うん、そうだね。早く太郎に会いたいし。」
ほほほほほっ。
と神様は微笑ましく香織を見つめ、シスコン勇者は顔をしかめた。
え?太郎様の何が気に入らないのかな、勇者は?
まぁ、そんな色んな事情など知らずに、神様一行はそのあと直ぐに次の転移門に向かった。
香織「白、今日もよろしね。」
白「は、はい。よろしくお願いいたします。」
香織「…………………なにそれ?」
白「あ、なんでもないぞ。しっかりと掴まってるんだぞ。」
白も嘘が下手だった。
香織「……………うん。じゃあ、よろしくね。」
((うわっー。白ちょっと気の毒。))
神様、勇者、古代竜は秘密を抱えたまま次の転移門に向かった。
そして、飛行する事合計15時間後に(休憩もちゃんとありました。)地下3階へと続く転移門まで到達した。
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
最近短文ばかりで、すみません。
誤字脱字などありましたら、スルーしてお読み下さい。




