第251話 香織だけが知っていた。
ファンタジーも何も、すべてを無視をする神様のやり方に、突然クレームが出ました。
確かに、古代竜に乗って潜水艦につかまり湖を潜るとか、10キロの深さだとか、自動運転とか、GPSとか、ツッコミどころ満載です。
香織「おじいちゃん、ちょっと待って。」
神様「なんじゃ、香織。早く行くぞ。」
香織「いや、だからちょっと待って、って言ってるの。」
神様「いさむ、アン、準備は出来たか?」
香織「おじいちゃん、だから、ちょっと………………」
神様「じゃあ、出発するぞ、みんな早くこの潜水艦につかまるのじゃ。さぁ、早く、早くせんか。」
香織「……………おじいちゃん、私の話を聞いて。」
神様「よーし、準備はいいか?」
香織「………………ちょっと待てっていってるの!」
香織が突然叫び出すと、空からいきなり雷が落ちた。
ズバァーーーーン!
神様「ギャーーーーーーア!」
神様がのけ反り、カミナリが神様に直撃する。
勇者「か、香織?」
アン「え、」
香織「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」
神様「ガハッ!」
神様をもキズを負わせる、謎のカミナリ。神様、グッタリとして横たわった。
香織「おじいちゃん、ちょっと待てって言ってるのッ!」
勇者「なっ、ま、まさか。」
神様「ま、待て、待て香織。ぐっ、ほぃ。」
神様の体が光り出す。
神様「ふぅ、………………。香織、何をするのじゃ、本気で死ぬかと思ったわ。」
えっ?神様って死ぬのですか?
神様「バカもん!神様だって死ぬ時は死ぬのじゃ!しかも、今のは結構ヤバかったのじゃ。」
……………………………………………。
神様「香織、おじいちゃんを殺すな。」
…………………………………………………………。
勇者「殺す?」
神様「今のカミナリ攻撃は、香織が放った攻撃なんじゃ。しかも、かなり痛かったわ。」
…………………………………………………………。
勇者「か、香織。大丈夫か?」
……………………………。
神様「いさむ!それはワシに言う言葉じゃ!」
………………………………………。
アン「なんなの?」
神様「香織、一体何の真似じゃ。」
香織「だって、だって、私の話を全然聞いてくれないから。」
神様「だからって、なにもワシを殺そうとする事もなかろうに。」
香織「知らないよ。勝手にカミナリが落ちたんだから。」
……………………………………。
勇者「香織、大丈夫か?」
神様「いさむ。ワシにはそのセリフはないのか?少しは老人を敬いなさい。」
……………………………………………?
神様「で、香織話しとはなんじゃ?」
香織「おじいちゃん、少しは考えて。こんな湖の底に転移門なんかあると思う?」
神様「えっ?」
……………………………えっ?
勇者「えっ?」
アン「はっ?」
神様「………………ちょっと待ったぁーーーー!」
香織「待たない。おじいちゃん、おじいちゃんは転移門の場所を大体しってるはずだよね?」
神様「えっ?」
……………………………えっ?
香織「だって、ここに来たときに早朝になってから湖を渡る話をしてたでしょう?なのになんで突然湖の底に行く話になってるの?おかしいでしょう?ふふふふふふふ。あ、本当におもしろい。」
……………………あれ?神様?
神様「あ、あれ?本当じゃ。なんで湖の底に行かなくちゃいけないんじゃ?」
勇者「か、香織。ちょっとお兄ちゃんにも分かる話をしてくれ。」
香織「お兄ちゃん、おじいちゃんは転移門の場所を大体知ってるのに、突然表れたのはその水竜によってみんな周りが見えなくなってるの。だっておかしいでしょう?湖の底に転移門なんかがある事が。水竜に話を聞いたみんなは、それが本当の事でその場所に行かなくては!って強迫観念みたいになってたの。」
勇者「た、確かに香織の言ってる事は正しいが、おじいちゃんも、水竜も湖の底にあるって言ってたし、おじいちゃんも迷わず行こうとしてたから、湖の底に転移門があるんだって、普通に思ってた。」
アン「私は何もわからないから。みんなについて行くだけだったし。」
神様「確かに。何で湖の底なんじゃ?」
香織「だから、みんな水竜とか言うヤツの話を信じこまされたんだよ。」
勇者「ば、ばかな。」
神様「ば、ばかな。」
………………………………はい、ばか二人確定です。
神様「ちょっと、待ってくれ。フッ!」
神様が何かを飛ばす。みんなの体から、黒い煙が立ち込めた。
神様「バカな。香織の言ってた通りじゃ。みんな、魔法にかかっておったわ。」
香織「やっぱり。白古代竜!水竜を捕まえて!」
「うむ。私も騙された訳だ。みんな、水竜を捕まえろ!」
古代竜達が一斉に水竜に襲いかかる。
水竜は、みんなに魔法をかけ続けてたせいで、体力も魔力もなかったのか、あっという間古代竜達に捕まった。
そして、白古代竜が水竜を口に咥えて神様や香織達の所に連れてきた。
神様「お主、何者じゃ。ワシに魔法をかけるとは。しかも、まったく気がつく事ができなかった。なんでそんな事ができたのかはちょっと置いといて。」
神様が両手で荷物を持つジェスチャーをしている。
香織「おじいちゃん。」
勇者「はははっ。」
アン「?」
神様「お主、何者じゃ?」
いや、神様それはさっき言いました。
神様「お主、何が目的だ?金か?地位か?名誉か?それともおん…………だっ!イタっ!」
香織「おじいちゃん、真面目にやって!」
香織から神様の頭にチョップが入った。アブドラザー・チョップ?
神様「香織、さっきからおじいちゃんを苛めすぎじゃ。痛たたたたたっ。」
香織「そこの、水竜!何が目的なの?お金が欲しいの?それとも地位や名誉かしら?それともおと………イダッ!」
…………………………。神様から香織の頭に馬場チョップが入りました。
神様「コラっ!香織、何を言い出すのじゃ。少しは慎みを持ちなさい。」
神様は慎みを持たなくてもいいにのでしょうか?
神様「本題に入ろうか。水竜。何か話すことでもあるか?」
水竜「………………。ごめんなさい。」
「「「「えっ?」」」」
突然の水竜の謝罪に驚くみんなだった。
あれ?潜水艦は何処に?
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
誤字脱字などがありましたら、スルーしてお読み下さい。
確認作業は完璧だと思います。(笑)




