第231話 通常運転とリミッター解除
最終日の夜中、交代で夜番をしていた太郎と先生。
先生「たろうくん。どうしてもだめですか?」
太郎「先生、今はまずいですよ。」
先生「たろうくん。お願い。」
太郎「先生、あんまり大きな声を出したらみんなが起きてきますよ。」
先生「どしてもダメ?」
太郎「今は止めましょう。みんなが起きてくるから。」
先生「そんな事言っても、もう我慢できないの。」
太郎「先生って結構そんな猫なで声を出したりするんでね。」
先生「そんな意地悪な事言わないで。もうすぐ交代の時間になるから。」
なにやら怪しい会話をしている太郎様と先生。
その横では、委員長こと、立花遼太郎が今だに眠ったままだった。しかし、その眠っていたはずの立花遼太郎がゆっくりと目を覚ます。
この事にはまだ気がついていない太郎様と先生。
立花遼太郎は目だけをギョロギョロと動かし、周囲の状況を見ていた。
当然、焚き火を囲んでいる太郎様と先生の会話には、聞き耳を立てていた。
段々と、立花遼太郎の目が鋭い物に変わっていく。
立花(俺は何で今寝ていたんだ?……………そうか、椿と戦って、その後の記憶がまったく無い。)
『ふふふふっ、立花君やっとお目覚めですか?』
立花(だ、誰だお前は…………グッ、頭が割れるほど痛いっ!)
『強制的に無理して念話を出来るようにした為に少し副作用がでたのか?』
立花「あ、う。ぐ。」
口からはまったくしゃべれない。
『立花君、そろそろ頃合いじゃ。今なら椿太郎も油断している。今から立花君の真の力を発揮できるように、リミッターを外すから、しっかりと椿太郎を殺せ。これは命令だ。決して逆らう事のできない命令だ。もしこの命令に背いたら立花君、君の命は背いた時点で終わる。よく覚えとくように。ふふふっ。』
誰かからの命令なのか?
立花遼太郎は、外に殺気が漏れないように力を、魔力を高めていく。
立花(だ、ダメだ。自分の意識が………だ、誰かに………)
立花遼太郎は、限界まで力と魔力を高め、太郎様の方を見定める。
位置的には、太郎様の後ろに立花遼太郎が寝ている位置なので太郎様からはまったく見えない。
立花遼太郎がゆっくりとゆっくりと起き上がる。それも太郎様の隣にいる先生に見つからないように、太郎様の背中に隠れるように。
立花遼太郎は右手に魔力を込めて太郎様の背中に一撃を加える。
立花遼太郎の右手は指先から肘まで真っ黒になっていた。
立花遼太郎はゆっくりと右手はをひき、指先を揃えて太郎様の背中、性格には心臓がある場所に目掛けて繰り出された。その瞬間
バキッ!
ユーナ「お主は、太郎に何をしようとしておるのじゃ。」
ユーナ様が太郎様の後ろから襲ってきた立花遼太郎のさらに後ろから、今度は立花遼太郎を攻撃したのだ。
ユーナ様、立花遼太郎に木の棒で頭に一撃!
これに驚いた太郎様と先生は、今度は慌ててユーナ様の声がする方に振り向く。
すると、そこには木の棒で頭を叩けれ、倒れる立花とユーナ様がいた。
ユーナ「太郎、お主は何をしておるのじゃ?今危うく襲われる所じゃったぞ。」
太郎様は、倒れている立花を見る。
太郎「やっぱりこいつはダメだな。」
ユーナはなんの事かわからず首を捻っていた。
立花遼太郎、太郎様暗殺失敗!やはり異世界転生物でイケメンは爆発するのがテンプレなのか?それとも仕様?
ユーナ「太郎と先生、今さっきまでのキャハウフフ。について詳しく話してもらうのじゃ。」
リミッター解除をして能力アップをした立花遼太郎より
ユーナ様の方が危険だった。
いつも最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
最近、スランプ気味です。後になってセリフの変更、物語の修正。それでもがんばります。
前回の話は後で読み返して、かなり酷かったと思います。
話は変わりますが、皆様からの感想をお待ちしています。
出来れば皆様からのダメ出しが欲しいです。
よろしくお願いします。




