第221話 本当の恐怖
先生に向けて放ったドラゴンのブレスが・・・
ブレスが消え、辺り一面が焼け跡になり、焦げた臭いが広がる。
地面が高温によりシュー、シュー音をたて、煙りが広がった。
結界を張りながらも、何とか先生を守ろうとしていたユーナ様は、結局結界を張る魔法が間に合わず、青ざめた顔をしながら先生がいたであろう場所を見ていた。
勿論、クラスメイトや、マリーやシーバ、リーンにヒトミ、ニーナやノアも。
みんな一様に、先生がドラゴンのブレスで殺されてしまった。と思い、ショックとこのあとは自分が殺されてしまうのではないか?と色んな気持ちが混ざり、呆然としていた。
ニーナ「イヤーッ!ウソだー!」
ニーナが突然大声を上げ、泣き出したのだ。
暫くすると、徐々に煙りも霧散していき、先生がいた場所が見えてきた。するとそこには太郎様の姿があった。
『ウワッー!』
何人かが、声を上げた。
しかし。
太郎様は先生をお姫様抱っこした状態で、立ち止まっていた。
みんが二人を心配しだした。しかし、近くにはドラゴンが何十頭といる為、無闇に近づけなかった。
そこで、ユーナ様がおかしい事に気がついた。
ドラゴンが攻撃をしてこないのだ。
太郎「お前ら、俺を本気で怒らせたな。覚悟しろ!全殺しだっ!」
物凄い威圧と殺気を辺り一面に放つ。
ドラゴンは金縛りあった状態になり、一頭も動けなかった。
太郎様は抱いている先生を見る。
あの、凛とした美人な顔はブレスにより火傷ただれ、見る影もない。あのキレイなロングヘアも頭の半分まで火傷を負って、もはや先生と判別するのが難しい。
体も上半身は完全に火傷を負っていて、見てるのが辛くなる。
太郎「先生、ごめん。間に合わなくて。」
それでも、太郎様は少しは間に合っていた。先生はまだ辛うじて生きていたからだ。
☆☆☆☆☆☆
『椿太郎。お前の力、お前達の力をみせろ!』
そう、もうこの時には、ユーナ様達は戦っていたのだ。
しかし、太郎様が先生にドラゴンの群れが集まっていたのを見て、先生が危ないと思い、助けに動こうとした時に、太郎様の廻りには、10頭を越えるドラゴンに囲まれていたのだ。
しかし、太郎様にそんな事は関係なかった。
太郎「どけっー!邪魔だっ!」
一番手前にいて、先生を助けに行く進路を邪魔していたドラゴンを素手で殴り飛ばしていった。
『ぐわっ!』『がはっ!』『ぶっふ!』
次々にドラコンが宙を舞う。まるで特撮映画を見ているようだ。
成竜など前に戦った古代竜に比べたら、大人と小学生ぐらいの差があった。
それに、なぜか太郎様の力のレベルが段違いに上がっていた。
太郎様は先生がドラゴンのブレスの的になっているのに気付き、瞬時に瞬間移動の能力を使った。しかし、少し間に合わなかった。
でも、太郎様が先生を庇わなかったら、ブレスで灰も残らなかったはずだ。
太郎様はまた瞬間移動を使い、ユーナ様の所に現れた。
ユーナ様は、先生の状態をみてショックを受けて言葉も出なかった。
太郎「ユーナ、先生はまだ生き
ているから、早く魔法で治療をしてくれ。」
ユーナ様は黙ったまま、先生を見ていた。すると、
太郎「ユーナっ!」
太郎様の大きな声で、ハッ!と気がつき、太郎様に生返事をする。
ユーナ「そ、そうじゃな。ま、まだ助かる。」
太郎「ユーナ!しっかりしろっ!」
その場にいたみんなが、ビクッん!と体を震わせた。
太郎「ユーナ。しっかりしろっ!お前がそんなんでどうする?みんなも、しっかりしてくれ!」
みんなは、先生の状態がかなり酷い事にショックを受けて、体が固まっていた。
そこに、太郎様から先生はまだ生きている。ユーナがいれば助かる。その話にホッとしていた。しかし、そのあとの太郎様が、はっきり言ってドラゴンの大群より恐怖以外の何物でもな かった。
太郎「あとは、大丈夫。俺がやる。先生にこんな事したり、みんなを襲ったり・・・やつらは、俺の中では全殺し決定。」
本当に恐ろしかった。みんなにもう大丈夫だ!と言っているだけなのに、言葉だけで、殺すって言っているだけなのに、なぜこんなに怖いのか?おそろしいのか?
太郎様が別人に見えた。
太郎「じゃ、ちょっといってくる。」
まるで、近くにあるコンビニでも買い物に出掛けるようにいってしまた。
その間、声が出せたのはユーナ様だけだっだ。
いつも最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
前回の話は誤字が多くてすみませんでした。確認はしてますが、もし見かけた場合は軽くスルーしてお読み下さい。
ついでに、少しだけ話を追加しました。




