第219話 ドラゴンとの戦い。
ドラゴンの目がゆっくりと開く。
太郎様は、それを待っている。
ドラゴンの目が開き、羽も開き首を伸ばしたあと、大きな咆哮を上げた。
辺り一面に空気の振動と、大きな雄叫びが響き渡る。
太郎様は、何事も無かったように、ドラゴンの前に立っている。
恐らくは、成竜であろう大きさで、羽を広げれば20メートルはある。
ドラゴンは太郎様に威圧を放ちながら睨み付ける。
これが普通の人であれば、この時点で良くて気絶。悪ければショック死する程の強力な力だ。
しかし、太郎様は平然としていた。
そこで、突然ドラゴンが喋りだした。
「お前が椿太郎か?」
太郎様は待ってました!とばかりに返答をする。
太郎様「そうだけど、ドラゴンがなぜ俺を知っている?それに一体何の用だ?」
若干挑発とも思える返答をする太郎様。
「お前の力・・・お前達の力がどんな物かをしりたい。今から我々は椿太郎とその仲間を殺す!」
太郎様「誰が誰を殺すって?」
「椿太郎、まずはお前の仲間達から殺す!」
太郎様は慌てて、後ろの方にいるみんなを見る。
そこは、もう戦場になっていた。
太郎様「くっ!」
太郎様は慌ててその場から離れようとするが、行く手をドラゴンに阻まれる。しかも一頭や二頭のドラゴンではなく、10頭からのドラゴンに囲まれていた。
☆☆☆☆☆
ユーナ「みんな、いいか。お主らは恐らくはあのドラゴン達と対等に戦えるはずじゃ。」
マリー「ドラゴンを相手にですか?」
シーバ「ユーナ様、それは無理ですよ。」
ユーナ「いいか、良く聞くのじゃ。お主らは、太郎の眷属化をしてきているのじゃ。」
みんなは「なにそれ?」みたいな顔をしている。
ユーナ「だから、今のお主達なら、ドラゴンとも戦える力があるはずじゃ!」
リーン「あるはずって。」
ヒトミ「ユーナ様、もう時間が無さそうですよ?」
ニーナ「あ、あ、ドラゴンがあんなに一杯。」
ノア「ユーナ様、私はそんな力はありません。」
ユーナ「お主はみんなの手伝いをして欲しいのじゃ。」
みんなは、簡単な軽装防具を纏い、武器を握りしめていた。
ユーナ「まずは、ニーナ!お前からじゃ。ノアから借りた弓矢で、ドラゴンの目を狙って撃つのじゃ!」
ニーナ「ユーナ様、怖いよう。」
ユーナ「ニーナ、私の所にくるのじゃ。一緒に弓を引いてやるから。」
ニーナはすぐにユーナ様の所まで駆け寄り、ユーナ様と一緒に弓を引いた。
ユーナ「良く狙うのじゃ。あのドラゴンはまだ目覚めていないから、今のうちじゃ。」
ニーナはコクリと頷き、目一杯弓を引く。
ユーナ「よし、今じゃ。」
ユーナ様がそう言うとニーナは弓を放つ。
バシュ!
矢が物凄いスピードでドラゴンの目に向かっていく。
弓を放った瞬間の音と、矢の異常な速度にみんなは驚き、矢の行く末を見守っていた。
矢がドラゴンの目に向かって正確に命中した。
ドシュ!
ズーーーン!
本来、ドラゴンの皮膚は普通の矢では刺さりもしない頑丈なものだ。しかし、ドラゴンと人間がもし戦う事になる時は、まず目を狙って戦うしか方法がない程、ドラゴンとはとても強い存在なのだ。
それを13歳の女の子が放った矢がドラゴンの目に正確に射抜き、尚且つそのまま矢が目の奥まで刺さり、それが致命傷になりドラゴンが倒れたのだ。
みんなは呆気にとられ、ニーナはユーナ様を見た。
ユーナ「これで少しはわかったかのう。お主らは今ドラゴンと戦える力があるのじゃ。恐れることはない。私が付いているし、死んでも絶対に生き還すことも出来るからのう。」
いや、死ぬ前提で生き還すなんて嫌です。
そんな話をしていたら、次々ににドラゴン達が目覚め始めた。
数にして、50か、いや100か?
ユーナ様はしんどい戦いになるな。と思っていた。
ドラゴン達が襲いかかってきた。
みんなは、それぞれ剣や槍などを構えた。
一斉に10頭近くのドラゴンが襲ってくる。
ユーナ様はとっさに無詠唱で結界を張る。
そして、戦いは始まった。
いつも最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
前回は酷い誤字があり、落ち込みました。
誤字を修正したついでに多少セリフも追加しました。
読みにくくてすみませんでした。




