第198話 ノア王女は………
今だに呆けている太郎様。
そして、その事態をおこした本人、ノア様は自分が何をしたのかを全然覚えていないと言う事に、みんな不思議がっていた。
ヒトミ「シーバ様、これって。」
ヒトミが珍しく深刻そうな声でシーバに話かける。
シーバ「うーん。私達はあの時いつもより太郎様にグラついたけど、あんな事にはならなかったからな。」
ニーナ「太郎様をこのままほっといていいのですか?」
ヒトミ「少し位いいと思いますよ。ちょっと腹が立ちますけど、太郎様、今幸せそうな顔をしているし?」
シーバ「そうだね。」
ノア「あのう、私が何かをしたのですか?」
シーバ「なんて言ったらいいのか、そんなたいした問題じゃないんだけど。」
ヒトミ「シーバ様、これは大変な問題ですよ?」
ノア「あの、もしかして太郎様があのようになっているのは私が原因なんですか?」
「「「うん。そう。」」」
3人でハモっています。
ノア「それで、私は一体何を………。」
ヒトミ「シーバ様、話して大丈夫ですかね?」
シーバ「うーん、どうしよう?」
ニーナ「ノア様、あのですね、ノア様から太郎様に抱きついて、太郎様とキスをしたの。」
((うわっ、ニーナ様言っちゃった!))
ニーナは見た目はりっぱな美女でみんなより大人に見えますが、中身は13歳のまだ子供。無邪気に話てしまったのです。
シーバ「あーーっ、言っちゃった。」
ヒトミ「もう、隠せないですね?」
ニーナ「みんなどうしたの?」
シーバ「いや、ニーナ様何でもありません。」
ヒトミ「シーバ様、何でもあるでしょう?」
ノア「あの、あの、あの、私が太郎様と、そ、そ、そのあ、あ。」
シーバ「ノア様、落ち着いて下さい。」
ヒトミ「ノア様、ゆっくりと深呼吸をして落ち着いて下さい。」
ニーナ「ノア様、どうしたの?」
((ニーナ様のせいでしょう!!))
二人は心の中でもハモっていた。
ノア「あの、あの、私が、私が。」
ノアはパニックですね。どうやら初めてのキスで、自分からしたとか思っていなかったみたいです。
しかし、エルフって長寿種ですよね。そう言えばノアの年齢って。
シーバ「ノア様って、今いくつですか?」
ヒトミもハッ!となり、シーバと一緒に話をそらすようにする。
ヒトミ「ノア様、ノア様って確か妖精族のエルフですよね?」
ノア「は、はい。そ、そううです。この間16才になったばかりです。わ、私は妖精族の中ではかなり若い方だと思います。」
ヒトミ「ちぃ。」
シーバ「くっ、当てが外れた。」
シーバは何の当てが外れたのでしょうか?
それでこの二人は何を言ってるのでしょう?
ニーナ「じゃあ、ノア様は、私の3つ上ですね!」
ノア「えっ?」
ノアが驚くのも当然だ。ノアの前にいるのは一人前のレディにしか見えないニーナがいるからだ。
ニーナ「えへへへ。」
無邪気なニーナ。レディなのに、無邪気な顔で笑うと、誰でも無条件に惚れてしまうだろう。これはこれで、凄い破壊力だ!
そして、ここにもいる美少女二人。暗い表情をして落ち込むシーバとヒトミ。
太郎様、いつまで惚けているのですか?早くこの状態を納めてください。
太郎「あ、あぁ、そうだな。」
ダメだこりゃ。
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