第197話 突然の行動。
リーンをお姫様抱っこしながらみんなの所に帰ってくると、物凄い威圧を感じた。
みんなをよく見てみると、顔は笑顔なのに目が笑っていない。瞳の奥が笑っていない。
これ、凄く怖いんですけど。
マリー「太郎様、お疲れ様です。」
シーバ「太郎様。リーンは私が状態を見ますので、こちらに。」
ヒトミ「太郎様、相変わらず容赦がないですね?」
ニーナ「はい、太郎様。これを。」
ニーナが、濡れた綺麗なタオルを差し出した。
みんな、なんか怖い!
太郎「あ、ありがとう。ニーナ。」
そう言いながらいつもみたいに頭を撫でようとしたら、思いっきり交わされた。
右手が宙に浮いたまま、俺苦笑い。
太郎「何だろう、この最悪な雰囲気は?」
ポツリと呟いた。
はい。今日やっと出演の、いつものナレーターです。
太郎様、何もわかっていません。
太郎「なにが?何がわかっていないんだよ?」
はぁ~、太郎様。リーンをさっきどうされましたか?
太郎「あ~ぁ、リーンをブチのめしたからか?」
はぁ~、違いますよ。もう一度考えてみて下さい。
太郎「んーーー?」
太郎様は先ほどリーンをお姫様抱っこをしてましたよね?
太郎「確かにしたけど、それが何が問題なんだ?」
は~ぁ。ダメだこりゃ。
太郎「黙って聞いていれば、言いたい事言いやがって!本気で一回死ぬか?」
あわわわわ。ち、違います。別に太郎様を侮辱した訳ではありません。
太郎「じゃあ、なんだよ!はっきり言え!」
太郎様、先ほどリーンをお姫様抱っこしてたではないですか。それが原因でみなさん怒っているのです。みなさんもお姫様抱っこがされたいのです。
太郎「は?そんな事?意味が話からないぞ?」
太郎様、そこは女心ってやつです。みなさん、リーンに嫉妬をしているのです。
太郎「マジで?そんな事で?はぁ~。」
太郎様、わかって頂けましたか?
太郎「あ~、わかったよ。」
良かったです。
太郎「みんな、ちょっとこっちに……ってなんでそんなに逃げ出すんだよ。」
太郎様が何かを思い立ったように、みんなを呼び掛けるが、なぜかみんな「アイツなんかヤバい?」って顔をしていた。
太郎「あっ、ナレーターとの話を変に思っているのか?」
太郎様、こういう事には鋭いです。
太郎「みんな、そんな顔をするなよ?せっかくの美少女が台無しだぞ。」
出ました。太郎様必殺の無意識フラグ製造セリフ。
これは、太郎様の言葉に、何らかのフェロモンが含まれている為に、このセリフを聞いた女性はこれだけで太郎様の虜になる。
みんなの顔も綻んできた。
太郎「ほら、マリー。こっちに来てくれ。」
マリー「は、はい。太郎様。」
マリーは素直に、太郎様の側にくる。すると太郎様が突然マリーを抱きしめた。
マリーは突然の事でビックリする。
太郎「マリー、いつもありがとう。マリーの優しさで俺はいつも癒されているんだ。」
マリー、顔から耳まで真っ赤にして、体から力が抜けていく。そしてそのまま幸せそうな顔をして、気絶した。
太郎様は倒れこんだマリーを抱き抱え、リーンの時と同じようにお姫様抱っこをして、逃げ出していたみんなの所に歩きだした。
(はぁ~、あとこれを三回やらないとダメなんだよな。)
太郎様はこころの中で呟く。
ノア「あのう、太郎様。」
太郎「うん?なんだい?」
ノア「た、太郎様~。」
ノアが突然、太郎様に抱きつき、太郎様の顔に両手を添えて太郎様にキスをした。
それを見ていたみんなは呆然とし、太郎様は突然の事で頭がブリーズしてしまい、そのまま時間が止まったかのように長いキスをしていた。ノアの舌が太郎様の口の中に入りこんで、太郎様の口の中を蹂躙していた。
この中で一番早く気がついたのがヒトミで、素早く二人の間に話って入っていった。
ヒトミ「な、な、なんですか、何をしているのですか、ノア様?」
太郎様は幸せそうな顔をしてぼーっとしている。
このフラグ建築一級士は!(聞こえていなくてよかった。)
先ほどの太郎様の必殺技に、ノアが太郎様に落ちてしまって我慢ができず、突然の行動だったみたいだ。
シーバもようやく元に戻り、太郎様の所に駆け寄り、今だにぼーっとしている太郎様から気絶をしているマリーを受け取り、リーンが寝ている横寝かせた。
シーバ「太郎様、まったく困った方だ。」
ヒトミ「本当ですよね?」
ノア「ぼーっ。」
ニーナ「ノア様、ノア様?」
ノア「はっ!あれ、私はいったい………私は誰?ここはどこ?」
ノア、………そんな古いギャグなんか今時誰も知らないから。
ニーナ「ノア様?」
ノア「ハッ!あれ?あ、ニーナ様。」
ヒトミ「これは、本人は覚えていないっぽいですね?」
シーバ「そうのようだね。」
ニーナ「ノア様、大丈夫ですか?」
ノア「何がですか?私は大丈夫ですよ。ほら、ケガもちゃんと治ってますし。」
太郎様のこの必殺技はかなりヤバいです。
太郎様、この技は封印しましょう。っていつまで惚けてるのですか?
太郎「は、ははは。キスってあんなに凄いのか?」
太郎様、始めてのキスではないですよね?
太郎「うん?そうだけど、なんかなんか違うんだよ。」
あーーー、そうですか。良かったですね。
いつも最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
今日、15話まで小さな変更、修正、訂正、追加などが終わりました。
これで、多少はわかりやすく、読みやすくなったと思います。
もし、良かったら読んでみて下さい。
それから、皆様からの感想やご意見、文章力(一番自信が無い。)、など是非お待ちしています。




