第184話 全員集合!
リーンの思わぬ能力にビックリしていた、先生とニーナは、実は自分達にもリーンと似た能力を発揮していた。
そう、今の太郎様にケガを負わせる事は、普通の女性には出来ないからだ。
リーン「先生、ニーナ、太郎様に何したの?」
先生「ーーーーー、腕を引っ張った?」
ニーナ「私も?」
やはり気がついていなかった。
リーン「太郎様、大丈夫かな?」
先生「はっ!そうだわ。椿君、大丈夫?」
太郎「ぐぅぅぅぅぅ。」
ニーナ「リーン様、太郎様が、太郎様が!」
リーン「え?」
太郎様はリーンに背中から押さえつけられて、息ができなくなっていた。
先生「リーン様、とりあえず椿君から降りて下さい。顔が!」
太郎様、真っ青な顔をして死ぬ一歩手前?です。
ニーナ「リーン様、早く、早く!」
リーン「むーーー。しょうがない。」
リーンは、太郎様からゆっくりと降りた。しかしまた暴れださないように背中を手で押さえている。
先生「椿君、椿君!しっかりして!椿君!」
あ~、これは早くユーナを連れて来ないと不味い事になっています。
足跡が聞こえてきた。
ヒトミ「ユーナ様を連れてきました。」
確かにユーナを連れてきたヒトミ。しかし、なぜかお姫様抱っこ?
「「「?」」」
ヒトミ「ユーナ様っ!起きてください!ユーナ様っ!」
ヒトミは容赦なくユーナのほっぺを叩き込みながら呼び掛ける。
ユーナ「ふっ。ふが。いたい、痛いのじゃ!何をする!」
先生「ユーナ様、しっかり起きてください。椿君が大変なんです。」
大変な事をした人の言うセリフではないかと………。
ユーナ「な。なんなんじゃ?太郎がなんなんじゃ?」
リーン「ユーナ様、太郎様が死にそう?」
はい、ここでも太郎様を殺そうとした人のセリフとは思えない。
ニーナ「ユーナ様、早く太郎様を助けて!太郎様が死んじゃう!」
また1人自覚の無い人のセリフです。
ユーナ「もう、一体何があったの……うわっ!太郎が死にかけているのじゃ!」
先生「ユーナ様!早く椿君に、治療をお願いします。」
ユーナ「わ、わかったのじゃ。ちょっとまっておれ。」
ユーナが長い呪文を高速で唱え始めた。すると太郎様の体中に光が包み込み、暫くすると光が消えて、治療が終わった。
ユーナ「ふーう。一体何があったのじゃ?太郎をあんな状態にするとは。何かに魔物にでも襲われたのか?」
はい、ここに3人の魔物がいます。
マリー「太郎様、大丈夫ですか?」
シーバ「空から落ちてきたから、大ケガでもしてなければいいのですか。」
ユーナ「なに?太郎は空から落ちてきたのか?」
マリー「はい、そうなんです。」
シーバ「ビックリしたよね。顔面血だらけで。」
ユーナ「なんと、空を飛ぶ魔物……竜にでも襲われたのか?」
マリー「そこまではちょっと。」
先生、リーン、ニーナ、ヒトミが3人の話に参加せず、それぞれバツが悪そうに、下を向いていたり、川を眺めていたり、こっそりとその場から逃げようとしたり様々。
ユーナ「ふーん、しかしまだ結界は生きておるし、結界の中にはそんな強そうな魔物もおらんのじゃが。」
先生「は、はは。なんでしょうね?」
リーン「知らない。」
ニーナ「あ、私は何もしていません!」
ヒトミ「はははははっ。みんな演技が下手?」
「「「演技?」」」
そこに
ノア「あのぅ、みなさんどうかしたのですか?」
これで、全員集合!
太郎様は気絶したままですが。
いつも最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
またまた、クラスメイトは放置です。




