第180話 自己紹介
しかし、
先生「はぁ~。今度は椿君ですか。」
リーン「なにが?」
ヒトミ「だから、昨日はユーナ様が逃げ出して、今度は太郎様って事です。」
四人はトボトボ歩きながら話をしている。
ニーナ「それじゃあ、今は太郎様もユーナ様もいないって事ですか?」
「「「「はぁ~。」」」」
先生「あら?」
先生はふとクラスメイト達が戻ってきていたことに気がついた。でも、まだ時間は止まったままだ。
先生「それじゃあ、ユーナ様は?」
ヒトミ「先生、あそこでマリー様とシーバ様と一緒に寝ていますよ?」
リーン「本当だ。」
ニーナ「あっ、先生。あのエルフの娘が。」
みんなはエルフの娘が寝ている所に向かった。
先生「ケガが治っていますね。」
ヒトミ「これはユーナ様が治したのでしょうか?」
リーン「あ、起きた。」
「う~ん、はっ!」
エルフの娘が周りを見渡すと、先生達に見つめられていた。
「な、な、な、なんなんなんがっ。」
ニーナ「あっ、かんだ。」
先生「今噛みましたね。」
リーン「かんだ。」
ヒトミ「大丈夫ですか?」
「……………あなひゃがたひゃ?」
「「「「えっ?」」」」
「あのぅ、あなた方は?はっ?」
また何かに気がついたようだ。
「足、ケガ、治って。」
ヒトミ「スミマセーン。ソレハエルフゴデスカ?」
先生「ヒトミ、それはカタカナにしただけですよね?」
ヒトミ「えへへへへ。」
リーン「エルフには古代妖精語か今の世界共通語しかないはず。」
ニーナ「リーン様、妖精語なんてあるんですか?」
リーン「うん。」
「あ、あのう?」
先生「はい、何ですかエルフさん。それより足はもう大丈夫そうですか?」
「あっ、はっ、はいっ。もう大丈夫そうです。あのう、これは一体?」
先生「あ~っ、それはあそこで寝ているユーナ様が治したと思いますよ。」
「ユーナ様?」
ヒトミ「そう、女神様のユーナ様。」
「め、め、女神様?」
この子はさっきから驚きっぱなしだ。
ニーナ「そう、多分ユーナ様だね。」
「あの、あの、あの、あなた方は一体……」
みんなは顔を合わせて相談する。そして、
先生「私は元アーゼスト国第2王女のオリビア・アーゼストです。」
リーン「私は元アイリス王国第1王女のアイリーン・アイリスです。」
ヒトミ「私はヒトミ。」
短っ!
ニーナ「私は元ローゼン王国の第3王女のニーナ・ローゼンです。」
「みなさん、どこかの国の王女様なんですか?」
ヒトミ「あっ、私は違うよ?」
「あっ、そうですか。」
ニーナ「え~、ヒトミは勇者の孫です。」
ヒトミが、あ~余計な事をとニーナを睨む。
「勇者様のお子さまですか?」
ニーナ「いや、人の話はちゃんと聞きましょう。孫です。」
「勇者様の孫ですか!」
あれ?なんかおかしい?
そんな事をワイワイとやっていれば、側で寝ていたマリーやシーバも起きてくる。
マリー「はぁ~、みなさんおはようございます。」
シーバ「おはようございます。」
先生「マリー様、シーバ様、おはようございます。」
マリー「あら?あなたは?」
シーバ「うん、あのエルフの娘だね。あれ?ケガはもう大丈夫かい?」
「あっ、はい。あのう、女神様に治してもらったみたいで。」
「「うん?」」
マリーとシーバはユーナが戻ってきた事にに気がついていなかった。
マリー「ユーナ様、いつの間に。」
シーバ「それより、今さっきまで何の話をしていたのですか?」
ニーナ「えーと、自己紹介です。」
先生「さぁ、マリー様もシーバ様も。」
マリー「はい、先生。」
シーバ「わかりました。」
マリー「私は元サノキア王国の第2王女のマリーダ・サノキアです。」
シーバ「私は元ギュエル王国の第1王女のシーバ・ギュエルです。」
「みなさん、王女様なんですね。」
ヒトミ「あっ、私は違いますから。」
先生「それで、あなたは?」
「あっ、すみません。助けて頂いたのにまだ自己紹介をしていませんでした。」
「私は妖精国の王女で、ノア・シルフィと言います。」
「「「「「また?」」」」」
どうも太郎様は王女を引き寄せる何かが在るみたいだ。
ヒトミ「あっ、私は違いますから。」
……………。
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