第17話 不幸の始まり。
充電器線切れで充電できず、一日あいてしまいました。
これ、2、3ヶ月に1回コード買ってるなぁ~。(苦笑
これは太郎や香織が召喚される約11年前に遡る話だ。
ある、豪邸の一室、冬の晴れた日のお昼過ぎに一人の学生服の若者と、メガネをかけた40半ば過ぎの中年男性が、仕立てのいいスーツをダンディに着こなた人物がいた。
「お父さん、今日は高校合格が決まりましたので報告に来ました。」
「そうか。それは良かったな。」
「はい。あとは中学校の卒業式だけです。卒業式には来られるのですか?」
「うむ。その日は仕事で抜け出せないので、お母さんと香織が一緒に行くそうだ。香織もやっと手がかからなくなってきたようだから、一緒行きたいそうだ。」
「そうですか。僕も久しぶりに香織に会いたいですね。大きくなっただろうなあ。」
「そうだな。ここ3年で数回しか会ってないからな。でもこれからは一緒だ。一生に暮らせば、毎日会えるからな。」
ここは、三ヶ日家。
今話をしていた二人は、15歳の勇者と、その父親の修一の二人。
三ヶ日家は、大企業の三ヶ日物産をはじめ、物流、デパート、運輸、海運と様々な企業のトップの会長だ。
三ヶ日家は、長男として生まれたら、小中学校は公立の一般の学校に通い、中学生になると、普通のアパートで一人暮らしをする慣例があった。
これは、早いうちに一般常識と、金銭感覚、そして自立心を高める為の言わゆる三ヶ日家独自の帝王学を学ぶ為の慣例だ。
今の会長、修一も同じ事をしてきた。
今後は、高校から大学へと進みながら、各会社に顔を出して仕事を一から学んでいく。
これからは、かなりハードな青春になるのは勇者も覚悟のうえだ。
そうなるように、教えられてきているから、疑問も不満もない勇者だ。
「卒業式が終わった後、引っ越し作業が終わったら、暫くはゆっくりするといい。高校入ってからは、学校以外は基本どこかの会社に行ってもらうからな。旅行でも、何かやりたいことでもあったら、今のうちだぞ。」
修一は、少し微笑みながら太郎と会話をしていた。
すると、突然部屋が暗くなり床一面に見たこともない模様が浮かび上がり、光が部屋一面を包み込む。
突然の出来事に二人は声も出せず、さらに眩しい光が視界を奪う。
しばらくすると、光りも収まり眩しかった目も視力を取り戻し、ゆっくりと開けてみた。修一は部屋の中にいた勇者がいない事に気付き、辺りを慌て探し廻る。
「いさむ?勇者!」
「誰かぁ、誰かいないかぁ~」
「は~い、会長お呼びですか。」
第一秘書の若宮さんがやってきた。
そして、少し震えながら秘書の若宮さんの両肩を掴み
「いいか、良く聞け。今、私の目の前から突然勇者がいなくなった。床が突然光り出し、その光が勇者を包み込んだあと、いなくなっていたんだ。」
修一は自分でも何がなんだか分からなく、かなり同様している。
秘書の若宮さんも、会長の言っている意味がよく分からなかった。
「会長、少し落ち着いてください。もう少しゆっくりとお話下さい。」
「だから、私の目の前で突然勇者が消えたんだ。」
修一自信、半分夢でも見てるのか?と思う程の事が目の前で起きてしまったのだ。大企業の会長さんはこんな手品みたいな非現実的な事、非科学的な事がある訳ないと思っているからだ。
「会長、少し失礼します。今、警察への連絡と奥様に連絡を取ります。」
「ちょ、ちょっと待て!警察は今はまだマズイ。誘拐も考えられるから、大学の同期だった、警視長官に私から今連絡を取る。その間妻に連絡をして、私の今日のスケジュールは全てキャンセルすること。君は当分の間、この件が片付くまで、会社との連絡約の為、家に留まってもらえるか。」
「わかりました。では、すぐ奥様だけには連絡します。」
「頼む。私も今すぐ電話する。」
幸せな一日が、一転不幸が舞い込んできた。それは、太郎と香織までに続く、次々に起こる信じられない事件の始まりだった。




