第129話 裸族
翌日………
早起きの先生やマリーは、すでに朝食の準備をしていた。
太郎「先生、マリーおはよう。」
先生「椿君、おはよう。」
マリー「太郎様、おはようございます。」
ふと、太郎は周りを見渡している。
太郎「あ~っ、そうだった。コイツらいつまでもこのままだと不味いな。」
太郎は時間が止まったままで、半裸状態のクラスメイトを見て思っていた。
が、なぜこんな事になったんだっけ?
太郎は、事の顛末をすっかりと忘れていた。
いや、強制的に忘れさせられていた。が正解かも。
連日、気を失うようなキックを受け、連日痴話喧嘩に発展し、最後は仲良く円満解決になったのは、時間的に考えてどれぐらいたったのか?
太郎「う~ん、わからん。」
ダメだこりゃ。
太郎が考え事をしていたら、いつの間にか、ユーナ以外は起きていた。
シーバ、リーン、ニーナ、ヒトミは
「太郎様~、おはようございます。」
太郎「みんな、おはよう。ところでユーナは?」
シーバ「ユーナ様ならまだ寝ておられます。」
太郎「ちっ、本当にだらしないヤツだな。外見だけならピカ一だが、口の悪さと、態度は最低だな。でも……。」
チラリとユーナの寝ている馬車の中を覗き込むと、そこには信じられない光景が!
太郎「な、な、なんて格好で寝てる!裸族か?裸族なのか?」
焦った太郎はつい叫んでしまった。
それを知った先生やマリーが慌て馬車まで走ってくる。
先生「椿君っ!中は見てはダメです!」
マリー「太郎様~!それだけはダメです!」
はっ!と我に気づき、すぐさま馬車から離れた。
先生とマリーは、はぁはぁと息を切らしながら、俺を睨んでいた。
先生「椿君?見ましたね?」
へっ?
マリー「太郎様、見ちゃいましたか?」
はっ?
いやいや、なんで責められてるの?
太郎「ちょ、ちょっと待って!なんで俺がおこられるの?」
先生「勝手に女性の寝室を覗いたからです。」
いや、寝室じゃなく馬車ですよ?
マリー「やはり、手を打っておくべきでした。」
太郎「な、なんの話?」
先生「ユーナ様は、全裸でないと寝られないようなのです。」
やっぱり裸族?
マリー「最近、太郎様が気を失っている事が多かったので、すっかりと忘れていました。」
先生がふと、ユーナの寝ている馬車を覗いたら、凄い悲鳴が!
先生「きゃーーーーーっ!ユーナ様。なんて格好で寝ているのですか?」
マリーも続いて馬車の中を覗き込む。すると、
マリー「きゃーーーーーーっ!なんてはしたない!」
シーバやリーン達が川から顔を洗い終わったのか、馬車の近くまで戻っていた。
先生「椿君っ!み、見たのね?見ちゃったのね?」
マリー「きゃーーーーーっ!太郎様のエッチ!」
うわ~、酷い。完全に悪人だな俺は。
ニーナ「太郎様、どうしました?」
リーン「む?まさか?」
シーバ「何かあったのですか?」
ヒトミ「あちゃ~、太郎様。やっちゃいましたね?」
先生とマリーはどうしたものかとアタフタとして、ヒトミは何となく状況が理解できたのか、ニヤニヤとしていた。
そう、ユーナは真っ裸で寝ていた。それだけならここまで話が酷くならない。
問題は寝相だった。
思い出しただけでもドキドキする。
ユーナの裸は、前に先生を生き返らす儀式の中で見たことはあるが、それでもその時は直ぐに血の池に入りほとんど見ていなかったから、あそこまでエム字になった状態では生まれて初めてだった。
健全な男子高校生なんだから、反応もするし、それがキレイなお姉さんなら尚更だ。
まっ、この際性格や態度の悪さは置いといて。
太郎「はぁ~、これでユーナが起きてきたら、また一日中言い争いかよ。しかも7対1の勝負。負けは確定だな。」
どうも、この世界に来てからは、女難続きだ。
また、クラスメイトは放置か。
いつも読んで頂き、本当にありがとうございます。
短い文章ですか、誤字脱字などありましたら、スルーしてお読み下さい。




