第124話 痴話喧嘩。
翌朝。
みんなはまだ寝ている。
クラスメイトは時間が止まったままだ。
朝早起きの先生とマリーとヒトミが、今だに寝ている。時間も朝9時を過ぎていた。
おそらく、夜遅くまでガールズトークに花が咲いたのだろう。
一番寝坊助は、ユーナとリーンだ。
太郎も今だ寝ている。寝ているのか?
昨日のユーナの攻撃で、意識不明になってたり…………。
先生があくびをしながら、一番に起きた。
先生「椿君、大丈夫かしら。」
生徒を思いやる先生の気持ちか、一人の男を思う、大人な気持ちか。多分、両方なんだろうけど、今誰も起きていないこの状況を確認してから、太郎にキスをしようとしていたら、凄い視線を感じ、後ろを振り向いたらユーナが頬をピクピクさせながら。
ユーナ「先生は何をしておるのかな?」
先生「いや、椿君の顔色を見ていただけですよ?ユーナ様。」
ユーナ「ほっほうー。顔色をね。そのわりには随分と口と口が近かったようじゃが?」
先生「ユーナ様、見間違いですよ。」
ユーナ「ふ~ん、まっ、いいじゃろ。」
先生(ほっ。)
先生「あっ、それよりユーナ様おはようございます。」
ユーナ「うむ。おはようなのじゃ。他のみんなは…………まだ寝ておるな。」
太郎「う、う~ん。あっ!いたっ!」
太郎は目が覚めると、いきなり首に手を押さえて叫んだ。
太郎「いってぇ~!なんでこんなに首が痛いんだ?」
先生「椿君、昨日ユーナ様に回し蹴りを首に受けてた事をわすれたのですか?」
太郎「あっ、先生。おはようございます。俺がユーナから回し蹴りを?」
ユーナ「なんじゃ、覚えていないのか?お主は昨日、私の話も聞かずあの女の胸ばかり見ていたから、天罰がおりたのじゃ。」
太郎「はぁ?天罰?誰が誰の胸を見ていたから天罰だって?」
太郎は心外だ!と言わんばかりであったが。
ユーナ「私はお主の心が読める事を忘れておるな?何が心外だ!じゃ!大概にせいよ!」
太郎「うっ、そうだった。」
先生「椿君。なぜそんなに田中さんの胸を見ていたのですか?」
ユーナ「そうじゃ!何か理由があるなら今のうちに素直に吐くんじゃな。」
あまりの騒がしさに、マリーやヒトミ達も起き出した。
ワイワイ、ギャイギャイ。太郎とユーナと先生が言い合っている。
マリー「皆様のおはようございます。」
ヒトミ「みんな、おはようございます。」
太郎「理由なんて知らないし、見つめてもいないからな!」
ユーナ「嘘つき!しっかり見ていたではないかっ!」
先生「椿君、田中さんは確かに胸は大きいですが、ユーナ様には負けてますよ。」
マリー「どうしたんでしょう?」
ヒトミ「また太郎様がスケベな事でもしたとか?」
マリー「太郎様ったら、そんなにえっちな事がお望みでしたら、是非このマリーに。」
ユーナ「マリー!お主も黙っててくれぬか!コイツが図に乗るからの。」
先生「椿君、そう言う事なら、先生に言って下さい。エロエロ………じゃなく、色々助けますから。」
ユーナ「先生も黙ってて欲しいかな?」
ヒトミ「また、朝からすごい痴話喧嘩してるよ。ニーナ様が寝ていてよかったかも?」
まだ、1日は始まったばかりだ。




