第12話 アンと香織
今日は丁度いい場所で終わらせた為、少し短くなってしまいました。
美人を汚く表現するのは難しいです。
今日も見ていただきありがとー!
香織の話しを聞いたとたん、アンから物凄い殺気が放たれた。
「あのクソおやじ!」
香織はアンの殺気と怒鳴る声で体が震える。そう言えばもう長時間トイレに行ってない事に気付き、少しモジモジしだした。そして段々我慢出来なくなってきた。
「おい、アン、香織に八つ当たりするな!香織大丈夫か?」
「あの……ごめんなさい、ちょっとトイレに……」
顔を赤くして勇者に小さな声で話す。
「アン、香織がお前のせいで、トイレに行きたくなったって。」
「え~、なんで私のせい?」
「お前が今殺を気を放ったからだよ。それより香織をトイレに連れてってあげてくれ。」
「こんな所にちゃんとしたトイレなんか無いよ。まあ、ついでに私も……」
「余計な事はいいから、早く頼む。」
「こっちにおいで。勇者に見られたくないから少し離れるよ。」
「誰が見るか!あと、さっきの奴らにも気を付けろ。」
「大丈夫。お姫様のトイレが終わるまで、ちゃんと見張ってるから。」
「余計な事はいいから、早く行け。」
アンと香織が認識阻害されてた洞窟から、出ていった。
アンが香織に話かける。
「しかし、あなたも大変ね。いきなり異世界にまで連れてこられ、そこでお兄さんが出てくるとは。しかもお兄さんが勇者だなんてね。」
アンはちょっとふざけた感じで香織をからかった。
「私にはまだよく分かってません。全部夢ならいいって思ってますから。」
「そうなんだ。あっ!さっきの話し後でもう少し詳しく聞かせて。」
香織はキョトンとして
「はい、私が知ってる範囲で良ければ。」
少し時間がたち、アンと香織が戻る途中で、最悪な奴らに出くわした。
ドリーン国の兵士だ。
「あれ、女の子が二人っきりでいるような場所じゃないよな?」
「小隊長、こんな所にいる女なら拐ってもいいっすよね。小隊長、もらっちゃいましょうよ。」
「マジ、女ってだけで超久しぶりなのに、二人ともスゲー美人だ。」
「おい、お前らちょっと待て。おい、そこの女二人名前をいえ!」
小隊長がアンと香織に聞く。
(ちっ、まいったなあ私一人なら何でもないけど、香織が一緒だと守りきれるかな。おそらく、この他にも、近くにまだ何人かいるはずだし。)
アンは心の中で舌打ちしつつ、腰にある剣を抜く。
「おいおい、なに考えてるだお嬢ちゃんたち。」
「小隊長、もうもらっていいっすよね。名前なんて後で聞けばいいじゃないですか。」
「ちょっと待てと言っている。お前ら、名前は?言わなければどうなっても知らないいぞ。」
「お前らクソヤローに、名前なんか教えたって、結果は変わらないでしょう。」
「小隊長、もう我慢できないっすよ!もう剥いちゃっていいっすよね?」
「こんな美人だ!どんな反応するか楽しみだ。へへへへへぇ。」
二人の兵士がアンと香織を直ぐにでも襲う構えだ。
「お前ら、あんまりむちゃやって殺すなよ。」
小隊長がそう言った瞬間一人の兵士がアンめがけて走り出す。もう一人の兵士は剣を抜いて香織めがけて走り出す。
「俺は、こっちの金髪もらうぜ!」
「じゃあ俺はこっちの黒髪女もらい!」
アンは目にも止まらない早さで剣を抜き、兵士めがけて振り抜く。その瞬間、まだ3メートルぐらい先にいた兵士の体が真っ二つになり、後から物凄い音が響く!
「ッッッドーーーッン!」
一瞬の斬撃。剣を振り抜いた後から音がやってきた。いわゆる音速を越えた斬撃だ。
小隊長や、もう一人の兵士は何が起きたのか分からないまま再び、
「ッバッーッ!!」
香織に襲いかかろうとしていた兵士に向かって斬撃が放たれた。
当然、その兵士も同じ目にあう。
香織は何がなんだか分からないまま再び、
「ッバッーーン。」
音速を越えた時に出る音が響き、最後の小隊長もぼとりと二つになった。そして
「香織すぐこの場を離れるから走って!」
しかし、香織は体の力が抜け、ガクガク震えが止まらない。
「早く!あんたもああなりたいの?死にたくなかったら走って!」
アンは必死に話すが、ペタりと座り込んだ香織にはムリと分かり、すぐに香織を抱き抱え、その場から離れた。
当然、この音に勇者は気付き、二人の方に走り出す。
近くにいたドリーン国の兵士達もこの異常な音に気付き、どんどん数が集まってくる。
(あ~また短気起こしちゃった。あのゲスイ顔見てたら我慢できなかった。あとで勇者に怒られるな。)
アンはそう思いながら、勇者の元に急いだ!
香織は顔を真っ青にして、今起きた出来事、人が簡単に死ぬ所を見せつけられ、吐き気が止まらなかった。
平和な日本で暮らしてきたお嬢様なのだ。グロ耐性はほぼゼロだろう。
香織が我慢できず、思わず吐き出してしまった。その後、その時の事が頭から離れなくて何回もおう吐する。
アンは、必死に。
「ここで死にたいの?死にたくなかったらさっさと起きて!」
アンは必死に香織に走るよう怒鳴る。
「ぐぇ、グスッ、おぇっ、ごほんごほん、苦しい、グス、はぁはぁ。」
香織は握った手を離さないようにアンに死に物狂いでついていった。
(太郎、助けて…………)




