第11話 勇者の真実
2018年5月8日、ストーリーをわかりやすく、読みやすくなる為かなり変更や修正をしました。
勇者が、香織に見せたのは三ヶ日家の家族にしか持てない、家紋をモチーフにしたカギだ。
「なんでそれを持ってるのですか?」
香織が驚くのは同然だ。
このカギは、三ヶ日家の家族しか持てない、家と自分の部屋と個人的に使う金庫のカギだからだ。
「俺は、こちらの世界に召喚されるまであの家に住んでいたからな。」
香織は意味がわからなかった。
「香織、覚えていいないかもしれないが実はな、俺がお前の兄だからさ。」
「そんな、そんな私に兄がいたなんて聞いたことありません。」
「まぁ、少し落ち着いてくれ。それで俺の話を聞いて欲しい。」
「ふぅーー。わかりました。カギの事もありますから、あなたの話を聞きます。でも、そのあとは、太郎の所に帰して下さい。」
「椿か。久しぶりに見たが、アイツとんでもない化け物になってたな。」
「太郎が化け物ってどう言う事ですか?」
「なぁ、英雄!お前アイツと戦って勝てると思うか?」
「いや、無理だね。多分瞬殺されるね。」
「だよな。俺でも戦いにすらならないな!」
勇者と英雄は、笑いながら太郎の強さを話していた。
「香織、因みにお前は、ヤツより強いぞ。」
「なっ、何を根拠にそんな事。それに私達は……」
「まぁそれより、話をしよう。香織達はあの国の奴等に、俺たちを殺せ!とか言われたんだろう?」
香織はビックリして、少し身構える。
「香織、そう警戒するな。俺はお前をキズつけたりしない。でも、香織をキズつける奴等は絶対に殺す!」
香織は勇者の殺す!って言葉が本気な事と
勇者にまとわりつくオーラが、今までいかに壮絶な戦いで、命をかけて戦ってきた事がなぜか香織には分かってしまった。
「香織、少しは落ち着いたみたいだな。ならもう少し話をしよう。俺の昔の話だが、当時の俺は三ヶ日家の長男で、15歳だった。香織はまだ3歳の時の話だ。
ある日、親父の家の執務室で高校の合格の報告をしていたんだ。だがいきなり部屋の床が光だし、あまりの眩しさに目をつむっていたら、いきなりこの世界に来ていた。
もっとも大ケガをしていた俺を英雄が、いやアンが助けてくたんだよ。でなければ間違いなく知らない世界で死んでいたよ。突然消えた俺を見ていたおやじにしたら、手品みたいに消えたからそのあとはかなり大変だったと思うよ。」
「で、でも、そんな話し聞いたことありません。もし本当なら何か形になる物や話しぐらいあっても……」
「三ヶ日家でいきなりおやじの前で長男が消えたんだぞ。そんな話し誰も信じない。」
「だから、最初からいない様に三ヶ日家が全力で色々したんじゃないかと思う。例えば海外の親戚の所養子にいってにいる事にするとか、海外にある三ヶ日家が経営している病院で療養中とか、三ヶ日家ならいくらでもそんな感じにしたんじゃないかな。」
香織は呆気にとられていた。なぜなら海外に親戚がいるとか、海外の病院の事とか、ここまで言われて、しかもあのカギまで持っている人は、やっぱり……
「まだ、信じられないか?」
「いきなりそんなに話しをされても……でも。」
「まあ、取りあえず香織には元の世界に帰れる様になるまで俺達の側にいるように。その方が安全だからな。」
「嫌です。早く私をみんなの所に帰して下さい。みんな絶対心配しています。特に太郎なんか……」
「椿のヤツか。本当ならヤツも一緒にと思ったんだけど、アイツが持ってる力は相当にヤバい。だから、一緒に連れてくる事が出来なかった。いや、むしろあそこにみんなと一緒なら、みんなを守れるな。」
「それに、あの力をアーゼスト国やセリーヌ国の奴ら知られたら間違いなく利用される。本当にこの世界がマズイ事になる。」
香織は、話しが全然見えなかった。
「いいか香織、あの国の奴らがお前らになんて話しをしたかだいたい想像がつく。」
「どうせ、俺とアンが国を逆らって、世界を滅ぼす奴等だ!とか言ってるだろう?それで、この世界の2つの国が俺達によって滅ぼされたとか。それ全然話しが違うからな。」
「詳しくはまた後でするが、あれはセリーヌ国とアーゼスト国によって滅ぼされ、それを全世界に俺達の仕業にしたて、共通の敵を作ったんだ。さらに危険なのは、また力を持った奴らをどんどん召喚して、その力で世界を狙ってるんだ。あれは危険だ。国王はあんなんではなかったはずなのに、突然俺達を捕まえて死刑にしようとしたからな。」
香織にはもう全然ついていけない話しだった。
「だから、あそこにいるのはマズイから、取りあえず香織だけ連れてきた。香織の事は俺が命をかけて守るよ。」
「私も父である国王がまるで別人のように変わった理由も知りたいし、今後一緒に行動しよう?」
アンが父親が、国王が突然人が変わったと言う。香織はどれを信じて、どうすればいいか分からなくなっていく。
「取りあえず、当分はここにいれば大丈夫だけど、そのうちまた何人かを連れてこよう。」
香織はすぐさま
「なら、太郎を、お願い。今どうしていいかわからないから。」
「ヤツは無理だ。」
「どうして?」
「ヤツはおそらく、俺の事を香織をさらった敵と見てるし、アイツの力が異常すぎる。アイツ自信が納得して話しを聞いてくれなくちゃ俺達は直ぐに殺される。」
香織はこの人は私の兄であり、先生によって召喚された理由が、戦争の道具だと知り頭がパンクしそうだった。
「勇者、誰か何人かやってくるよ。」
「ここは大丈夫。見つからないようになってるから、少し静かに様子をみよう。」
香織も少し静かになる。
「あれ、セリーヌ国の奴らじゃないね
。ドリーン国の奴らみたい。」
香織は咄嗟にその場から飛び出していく。
勇者はビックリして慌てて香織を止める。
「何やってんだ!今見つかったらかなり面倒な事になるぞ。ましてや、ドリーンの連中に見つかったら、香織お前大変な事になるぞ。奴らは女を見ると見境がないからな。この意味分かるだろう?」
するとアンが
「うん、奴ら別の方に行った見たい。」
「アイツらに見つかったら、皆殺しにするしかないからね。アイツらのせいで、あちこちの村や街なんか、特に女の人は見られない程ヒドイ事になってるからね。」
「それも、全部勇者のせいにされてるよね。」
「それ、言うなよ。最初かなりショックだったんだぞ。」
そう言えば、勇者と英雄の本当の関係が知りたくなった。
「あの、聞いてもいいですか?」
「なんだ香織。」
「あの、そのですね、二人の関係を聞いてもいいですか?」
「……私と勇者の?」
「はい、そうです。アーゼスト国で聞いた話しでは、二人は結婚するの仲だったと聞いたので、本当は……」
香織はアーゼスト国で聞いた話しを、二人にそのまま話した。
「へぇ、そうなんだ」英雄が物凄い殺気を放ち香織を見ていた。
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