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逆転生活満喫中  作者: テト
異世界誕生
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精神力とスキル

ギルドで素材を手に入れるため情報を集め、クエストを受注しメイグロックの西側出口を目指す。大きな国だけあって、同じ国の中でも文化が違っているようだ。西側には、魔人などが多く生活しているようで見慣れない人の姿をしている者が多い。

ここでは、毛皮や肉など魔物との戦利品などが多く売られ加工品は少ない、値段が他より安く手に入るので外へ出る前にここへ寄って補充するのがいいだろう。まっすぐ西へ歩いて約5人に1人の割合で人間を見かけ、魔人と仲良くしているところもあった。戦争をしなくても協力していけるんじゃないかと、疑問に思う。


出口まで来ると、鎧の兵士が1人近づいてくる。


「ご苦労様です、イーユ様から、何かあればすぐ駆けつけるのでこちらを。とのことです」


兵士は持っていた銀色の小さな笛のような者を渡してきた。犬笛に似ているそれは、魔法がかけられていて、この国の兵士ならどこにいても聞こえるようにできているらしい。そんな物を渡してくるほど、これから行く場所は危険なのだと緊張したが、兵士が言うには実験中の笛で効果を試すためらしい。それを聞いて安心できるわけがない、微妙なお守りとして持って行くことにした。


出口を出てまっすぐ道を歩きながら、採取はかかさずラキと話しながら目的のものを探す。


「狼になってたんだな、勝手に白い犬だって決めつけてたよ。他にはここへきて変わったこととかあるのか?」


「ここへ来る時に、話せるようにしてもらったことで強い魔物からの加護が必要だったから、フェンリルって魔物の加護をもらえたよ。あとは、寿命が人間より長いらしいってことかな?」


「へー、なんか強そうだな。人間よりってことは、そうか。僕の最期をよろしくな」


「ササは他の人より弱そうだから、その時が来ないように頑張るのが大変そうだな。」


「今鍛えてるから」


前の世界で生まれてすぐ死んでしまったラキが、この世界では長く生きていられると聞いて嬉しかった。それと同時に、自分がいなくなった後のことは考えないよう冗談に変えて笑う。


その時、目の前に異様な雰囲気の森が見えた。北にあった森とは違い、暗闇にジメジメとした空気の中に不気味な視線を感じる。


「なんだ?」


「ササ、逃げよう。早くっ」


「…囚われし魔物」


自分の3倍はある大きさに、左右に伸びたツノが二本、はっきりとは見えなかったが鬼のイメージにぴったりと当てはまる、ラキの言葉に振り返り必死に走り出すも、恐怖で呼吸が乱れ心臓が中から太鼓を鳴らされ今にも破けてしまいそうだ。隣を走るラキが視界に入る、後方から何かの影が伸びてきていた。


(今【魔物園(ガーデン)】へ戻せばラキは助かる。でも、自分が捕まれば同じこと。どうすれば…)

「俺が囮になる。その間にできるだけ離れて」


「絶対嫌。そんなこと、するなら【魔物園(ガーデン)】に…」


意識が遠のくのがわかった。ラキが振り返り、影を交わして戦っているのが見えた。倒れる寸前ラキを抱える形になる。


(これじゃ前の世界と同じだな)

「死ぬなよ」


「待て、こいつは奴隷ではない。」


目を開けると、ラキがこちらを覗いている。その周りにロジ丸やホゴロラまで並んでいた。頭痛が酷く、力の入らない身体をなんとか起こし確認する。


「どうなってる?」


「催眠魔法がかけられたみたいで、ササは眠ってたんだよ。そしたら、みんな出てきちゃった。」


「敵は、倒したのか?」


「あそこにいるよ?2人」


バッと振り返るとそこには、角の生えた1匹の大きな牛のような魔物と小さな子供が1人いた。

片方の目は髪で見えないが、目つきは鋭く反抗期だろうと思わせる金髪の男の子。牛の魔物は、未だ怒っているように唸っていた。


「魔物奴隷を解放している途中だった。誤解だったことを誤る。では」


「…ブフォー、フンッ。」


「頑張って」


「!?…」


金髪少年は魔物使いなのか、仲間の牛と奴隷にされている仲間を助けているのだろう。謝罪は受けたので挨拶を交わしただけなのだが、酷く驚いていたことに違和感を覚えた。


「ふぅ〜、よかったねー無事で。みんなどうやって出てきたの?」


「よくないよ。いつもの寝るのとは違って、精神が乱されたからじゃないかな?スキルに精神力も関係してるみたいだし、ササの精神が壊れたら【魔物園(ガーデン)】も崩れると思う。」


「あー、心配かけて悪かった。みんなありがとう、ラキは残っててね」


不思議な魔物使いに出会い、スキルについて新たに情報を得られた。帰るまでに必要な素材を集め、装備を揃える。


「次にこの国から出るときは、逃げなくてすむように強くなる。」


「俺だってササの出番がないくらい、強くなる」


魔法やスキルについて学び、訓練場で稽古に参加させてもらえることになった。初めからそのつもりだったらしく、イーユは不気味な笑顔で迎え入れてくれた。

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