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逆転生活満喫中  作者: テト
異世界誕生
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約束の日


暗い洞窟の中、呼吸は荒く喉の焼けるような痛みに気づかないほど必死に走っている。近くにラキはいないようだ。後を振り返ると、大蛇がものすごい速さで迫っていた。

曲がり道に差し掛かったその時、目の前に現れたのはオーク達だ。逃げろと叫びながら近づくも、オーク達は動こうとしない。それもそのはず、言葉が通じないのだから。ラキがいないことを悔やみ、オーク達をかき分けて逃げるしかないと、押しのけながら進んでいく。突然、身体がガクッと何かに引っぱられ前へ進めなくなり振り返る、そこにはオーク達の下半身と自分の右足が一緒に喰われているところだった。


「んグァッ‼︎…ハァハァ」

(夢、オークの感触とか妙にリアルだったな)


呼吸を整え自分の状態を確認すると、夢がリアルな訳が明らかになっていた。

寝言でラキを呼んだのだろう、腹の上に重なるように乗りかかっている。その奥に見えるのは、右足の横で丸くなって寝ているロジ丸の姿。昨日までは、柔らかくシリコンに近い感触だったように思うが、目の前にいるロジ丸の鱗はまるで鎧のように硬い。その鱗が、右足脹脛に軽く刺さっていた。

大きく深呼吸して、声をかけた。


「おはよう。」


振り返るとホゴロラも枕元で眠っていた。

前の自分では想像しかできず諦めていた、動物に囲まれた夢のような暮らしに思わず笑みがこぼれる。

他の人からすれば動物と魔物の違いはあるかも知れない、だがそんなことは、どうでもいいことだ。


充電を終えたホゴロラにお礼を伝え、朝食を食べたロジ丸と一緒に【魔物園(ガーデン)】へ、ラキとルガンの様子を見たりいろいろと済ませギルドへ。


洞窟の討伐クエストを1つ受注して、ジークに声をかけた。



「おはよう、ちょっと聞きたいんだけど大きめの布とかベニヤ板、木材とかってどこで手に入る?」


「おはよ、俺がなんとかできないことはないな。じゃあ、それ用意するから俺が違う町へ移動する時に護衛として付いてきてくれないか?」


「用意してもらえるのは助かるけど、無理かも知れない。仲間ができてついてくことにしたから、聞いてみるからそれからでいいか?」


「了解。それと、Fランク昇進おめでと」


一瞬なんのことを言われているのか理解が遅れたが、笑顔でお礼を返し海へと向かう。


「ササってたまに可愛いんだよな。」


手を振り送り出し、ボソッとつぶやくジーク。護衛の頼みを聞いてもらえるよう、調達交渉に出かける。



海へ向かう前に、洞窟近くでゴブリンを探し海へ集まってもらうことにする。

その間に、洞窟内でオークも数人連れて海辺へと向かった。途中興奮したのか、ラキが楽しそうに話しかけてくる。


「大人数だね、雑魚は逃げてくよ。ササ」


「ああ、ちょっと考えがあって。雑魚って、そんな言葉いつ覚えたんだ。」


(悪い子に育たないように、しっかりしなくては)息子をもつ母親のような気持ちになった。正確には父親だね。


そんな感じで、あまり魔物に襲われず海辺へ着いた。すぐ器に、疲労回復の木の実を入れすり潰し海水に溶かして置いておく。

魔物園(ガーデン)】からルガンを呼び出す予定だが、海の深い方へ呼び出せるのか不安だったので服を脱いでパンツ1枚になり、海の中へと歩き出す。

ラキは通訳として必要だが、泳ぎながらというのは難しいのでオークの1名に担いでもらい、海の魔物が襲ってきた時のため3名のオークに守ってもらいながら進む。


「ルガン、こんなところでどうだ?」


水位が胸の位置に達したので、呼び出しさらに口元へ近づく。


「十分だ。感謝する。海で困ったら助けになるって。」


「それは心強いよ、元気で、またな」


木の実の水を飲み終わりラキが通訳すると、ルガンはどんどん沖へと見えなくなっていった。最後に特大の潮を吹き、あたり一面大きな虹がかかり幻想的でとても綺麗な光景をプレゼントしてもらった。慌ててスマホのカメラ機能で保存して、人生で初めて達成感というものを得た気がした。


「あー、ササの笑った顔初めて見たよ。」


「そうか?」


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