たこ焼き
あれから、ギルドの外で別れるまでいろいろ話を聞くことができた。
イーユには召喚された記憶がなく、気づいた時には王の前で座らされていたこと。
その国は大きく他国においても力を持っている、今後人間同士の戦争もないとは言えない。
仲良くなった異世界人との出会いは、食時中のある一言がきっかけで同郷だとわかったらしい。
3人の共通点として、この世界の言葉を最初から理解できているということ。言われるまで考えたこともなかったが、普通に会話できることに心から感謝した。
イーユのスキルについて、常時発動型というよりも記憶以外のすべてがエルフという妖精なのだそう、受け入れるかどうかの問題らしい
その点、見た目にも特に変化のない自分は人間だと言えるが、美人で魔法に長けたエルフを羨ましく思っていることは秘密だ。
ここで、こちらのスキルに使っているスマホについて聞かれ驚いた。5年前にもスマートフォンは発売されていたが、まだ主流にはなっていなかったため知らない人もいたようだ。
電話からボタンがなくなる時代なのだと説明しておいた。
他には、この世界の食文化は戦時中ということもありってか、一般家庭では洋風の非常食レベル、貴族や大臣のディナーになれば、干していない肉や魚介が使われフルーツが少しついてくる程度。今のところデザートなんてものはなく、飲み物でさえ水かお茶のようなものしか見たことがないということ。
洞窟の調査のことについては、あの大蛇の魔物でさえそこそこ有名な強い魔物で名をピュトンというらしい。ロジ丸を食べようとしていたのか、守っていたのかはわからない。
人間と魔物での戦争は今までもあり、人の住む国が大きくなってきたことにより魔物の住処が減っていく。知性のある者だけを見たとき、人間は数で勝るが、武力では魔物の1匹に10人以上必要な場合もあるため簡単に計算はできないということ。
戦争の開始は、決まってどちらかの領域でドラゴンが衰退した頃から復活までとなっているらしく、ロジ丸の誕生が何らかの形で知られたため今は休戦中ということだった。
要は魔物も人間も土地と食料に飢えているということらしい。
そのあとは、イーユが転生した後の日本がどうなっていたかとかの話を楽しくしながら帰った。
「今日はいろいろ知れてよかった。明日また森へ行くけど、イーユも一緒に行くか?」
「明日は調査報告があるので遠慮するが、今後について話したいので、用が終わればギルドで待っていることにする」
「そか、じゃまた明日。」
宿に帰る前に軽食を買い足し、部屋でラキとホゴロラ、そしてロジ丸におやつとして与えた。
ラキはまだ全快でないため、今夜は【魔物園】で眠る。その代わりと言うわけではないが、ホゴロラにスマホの充電を頼みロジ丸は布団の隅で丸まって寝ていた。
この日も布団に入るとすぐ意識が飛んだ。




