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逆転生活満喫中  作者: テト
異世界誕生
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洞窟探検できませんでした

しばらくの間、洞窟の入り口付近で魔法の基礎を練習していた。

当初の目的である、洞窟内の採取クエストは後回しでもいいみたいだ。

これまでの練習の成果は、火と土に適性があるらしくその中でも火は相性がいいようだ。身の回りの簡単な攻撃や、やりたいことを魔法で少しずつできるようになってきていた。

炎のボールを投げつける攻撃は、サイズをいろいろ調整でき、火傷しない温度の火で手を覆いカイロのようなことまでできた。これは、相性のいい火の属性だけである。土属性では、落とし穴を作るくらいしかできない。練習あるのみだ。だが、魔法を使う度に魔力を消費するため、魔力が尽きてしまうと最悪死ぬこともあるらしいので要注意だ。


イーユに聞いた話では、この世界で魔法はそれほど珍しくないが、基本的には1人につき1つの属性しか使えないとのこと。精霊との相性が関係あるらしく、転生や転移してきた者のみが全属性を扱えたり、チート級な魔力を秘めてやって来るらしい。魔力やスキルなど能力の個人差はあるが、異世界人はほぼ間違いなく羨ましがられる程の強さらしい。


ここで1つ疑問が生まれた。この世界に来て最初にハズレと言われ捨てられたのは記憶にある。


(当たりの転移者は私以上に素晴らしい能力なのだろうか?そもそも当たりだった場合私はどうなっていたのか、イーユはもしかするとそのことを知っている可能性も?)



イーユに言われた魔法の課題をクリアして、【魔物園(ガーデン)】の様子を見ていると急に視界の隅にラキが現れる。

魔法が使えるようになったので、守ってもらわなくてもよくなり、ピンチになったら呼べばいいというわけで、心配せず1人で遊びに行っていたみたいだ。


「洞窟内で今、オーク達が騒いでたよ。海の魔物が消えたから、縄張りを広げる広げないとかで。」


「危ないだろ、何かあったらどうするんだよ。」


驚いて声が大きくなってしまったが、ラキはニッと笑って得意げに言う。


「バレたってラキのが速いから大丈夫だよ」


(そうゆう問題か?)

少し調子にのってる感じのラキに、なにもなければいいのだが。


「ははは、オークが騒いでるから洞窟には行かない方がいいね?」


「オークたちと話をしてみてもいいんじゃない?」


ラキは、少し考えるそぶりを見せ提案してきたが、その目は好奇心で輝いていて、今にも洞窟へ向かいそうな空気だ。とりあえず、イーユを待つことにした。

そのイーユはというと、私に課題を出して30分ほど下見に行ってくると言い残し、洞窟へ入ってしまったのだが、約束の時間を過ぎても戻ってこない。

洞窟内で何かあったのだろうか。


「よし、イーユを探しに行くか。」


「新しい仲間がいるといいね。」


少し会話が噛み合ってないな、と思いながらも警戒しつつ洞窟へ入ることにした。


洞窟内は、薄暗い岩肌に前方は完全に暗闇になっていて、ひんやりと涼しい空気が進むにつれて不気味さを増し、闇に吸い込まれるような感覚に少し怖気付く。しかし、覚えたての魔法で足元を照らし隣を歩くラキを見ると、まるでいつもの散歩をしているみたいに尻尾を振って歩いている。


「イーユの匂いを探してくれよ、オークたちは後でいいから」


「そうもいかないみたいだよ、もう気づかれてる」


ラキの言葉に驚き、周りをキョロキョロ見回す。そこには、暗闇の中にギラギラと目が光っているが、その光の位置は2メートルを優に超えていて、気づくと血なまぐさい匂いも漂ってきた。完全な化け物に出会ってしまった私は、足が震え冷や汗を流し心臓の音が徐々に大きくなってくる。狼狽えながらも、周りの光の数を数え6匹だと確認できたが、だからといってどうすることもできない。とても長い時間沈黙が続いていた気がしたが、握りしめて汗ばんだ手をラキが鼻でつついてきたので、覚悟を決め話しかける。相手も攻撃してこないことに不思議に思ったが、こちらが動く瞬間を待っていたのかもしれない。


「こんにちは、人を探しているのだけど通してもらえる?」


「それじゃオーク達、通してくれないと思うけど

……食物置いてけばとおしてくれるって」


やっぱりオークだったのか。乗り気じゃないラキだったが、あっさり通されてしまったことで少し肩を落としている。


「あ、渡していくから並んでもらって」


ラキのご飯を【魔物園(ガーデン)】から出して準備を始める。すると、明かりの下に1匹ずつ出てきたその様子はイノシシの顔をした大きな人間だった。その場にいるオークたちは男ばかりで筋肉がすごく、持っている武器も自分たちで作ったのであろう大木や石の塊がついたハンマーのようなものが多い。

1人1人に手渡していき、食べ終わった頃に通してもらい別れを告げようとした。


「じゃあ、また」


「ササッ」


ラキの叫び声が聞こえたが、振り返った時には後ろから両腕を抱えられ足が宙に浮いていた。


(え?約束なんて無視ですか?そんな山賊的な魔物がいるなんて。あ、ラキ)


「ササを放せ」


「ラキ、大丈夫だよ。攻撃されたわけじゃないから、いざとなったら頼りにしてるよ」


というわけで、2匹のオークに抱えられ洞窟の中を歩き回りオーク達の住処へ連れて行かれた。ラキは黙って後ろから付いてきていた。住処へ着くまでに、他の魔物と出会わなかったことからこの洞窟ではオークが1番強いのかもしれない。

着いた先でいきなり降ろされ、オーク達も座り出す。ラキは、横へ来て顔を舐めてきたので撫でていると少し間を空けて、オークが何やら話し出した。


「どーしたんだ?」


「ここにいる仲間にも食べ物が欲しくて、病気のやつもいるらしい」


食料なら問題ないが、病気によっては固形の物が食べれないかもしれない。元気そうなオークには、【魔物園(ガーデン)】から渡して病気のオークの場所へ案内してもらった。

ラキにいろいろ聞いてもらった結果、多分だが軽い脱水症のようなものだと判断してギルドで食べていたサンドイッチの残りや、【魔物園(ガーデン)】の海水を水で薄めて容器に入れて飲ませるようにと渡す。

点滴で直接水分を補給できれば早いが、さすがにできない。そこで1つ可能性を思い出す。回復魔法により、今までの常識を覆しある程度のことは治してしまうという。

イーユに習ってはいたのだが、練習もできないので成功すればいいが失敗した時どうなるのかわからない以上、大きな賭けになる。



「本当に危ないと思ったら、魔法を使ってみるけどとりあえずこれで様子見てもらって。」


「感謝するってさ。イーユを探しに行く?」


頷きオーク達と別れ、洞窟を歩き回り見覚えのある場所へと出てくる。目の前に立つイーユは、すごい剣幕でツノが生えてきそうなほど怒っていた。


「ただいま。はは」


「待つこともできないのか、バカ」


お互い無事だったことに安堵し、事情を説明して怒りを収めてもらう。

イーユはというと、洞窟内が妙に静かだったため念入りに調査をしていると、目的であった鉱石を見つけ採取をしていたらしい。

このままギルドへ戻り解散し宿へ帰った。

今日もまたぐっすり眠れそうだ。

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