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兄弟?-2
「兄弟?何かの間違いではないのですか?」
「いや、君と父親が一緒だ」
ああ、そうか愛人の息子だ。それは僕は知らないわけだ。でもどうして?
もう何年も会ってない、家族の縁を切った人の息子が会いに来るんだ?
「君には、伝えなくてはいけないことがあるんだ。長くなりそうだから、どこかに移動したいのだが…」
そんなに店が立ち並んでいないこの街に話せる場所なんてなかった気がする...
「僕の家がそう遠くないのでそこでどうですか?少し散らかってると思いますけど…?」
「いいのか!?ならお邪魔させていただきます」
歩いていて気づいたことがある。
僕の兄弟と名乗るこの人は、僕と顔つきがそっくりで僕とあまり背が変わらない。
それなのに、僕より大人びて見える気がする。
僕より何歳かとししたのはずなのに...
いつもの黄昏時の夕日がちがうものに思える。
何かが変わりそうな気がする。
今までのようにはならない、日常が崩れそうな気が...
何かを忘れている気も…