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七行のプロローグ
全身砂だらけになりながら、彼女は何時も砂場で狂った様に遊んでいた。見た目は小学生高学年頃で、明らかに砂場遊びは卒業している年頃の子だった。
何週間か前から、その子は公園に現れる様になった。その前まで彼女が何処で何をしていたのか、誰も知らない。みんな、その子の名前すら知らない。知っているのは、砂場で妙なテンションで遊んでいる事と、何時も白いひらひらの寝巻きみたいなワンピースで遊んでいる事だけ。その子はセミロングの真っ白で綺麗な髪の毛を持っていて、肌も死人の様に真っ白だった。
全身真っ白の女の子が、砂場で狂った様に遊んでいる。
それが何だか不気味で、みんなは何時もその子を見ない様にしていた。まあ僕の家は、彼女が遊んでいる公園のすぐ目の前だから、みんなみたいに見ない様にするのは、ちょっと難しかった。
そして、僕が彼女についての様々な事を知るのは、僕の通う小中高一貫校にある、珍しい部活に入部した時だった。そして僕は、或る奇妙な事件に巻き込まれる事になる。