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神は五つの力を見定める

僕はササラギ雄太、10歳

髪は赤で目は黄色

僕は生まれた時から壁の中で、外を見たこと無い。

「お~い!雄太~!!今日は外壁見に行くんだろ~!」

「おい!!クロエ!あまり大きな声で外壁行くとか言っちゃまずいだろ!」

ボカッ

「イッテ!殴るこったねぇだろ!!」

あ~ぁまた始まった

クロエと季実の喧嘩...

今日は三人で外壁を見に行くんだった。

「さっさとこいよ~!雄太!!置いてくぞ~!」

「もぉ~!待ってよぉ...!」

クロエは元々女の子として生まれるはずだった

生まれる前に嬉しくて舞い上がった母がすぐに名前を役所に届けたらしい

今はごっついジャ●アンみたいな体型だけどね...

季実はメガネをかけた男の子

体つきはひょろっとしてるけど、意外と気が強い


第一話 《神と神を殺す者》

「ここが外壁に一番近いアナグラだよ」

「うっぉわぁ!!すっげぇなぁ!!まるで秘密基地だぜ!!」

「アナグラは俺たちの暗号だろ...?アナグラは秘密基地って意味にするって言ったのクロエじゃん...」

「へへっ...そうだったな!」

クロエは恥ずかしそうに鼻の下を指で擦る

「雄太はここ初めてだよね?」

「あ、うん」

「じゃあ、早速だけど作戦会議だよ」

「おうっ!!さっさと始めようぜ!」

「ところで、右から抜けるの?左から抜けるの?」

「あぁ、ここは地下だって事忘れたか?」

「でも建物の配置からして出れるのは北か南だろ?ここ西ゲート付近だぞ?」

「おいおい...掘れば壁の外に出れるぞ?」

「そうだぞ!俺と季実だけで3ヶ月も掘ってたんだからな!!」

「うわぁ、だから学校の時絆創膏だらけだったのか...」

僕は思わず苦笑いしてしまった

「まぁ良いから来いよ!」

ガコッ

奥にあった大きなコンクリートの板を三人で退けた

「ふぅ~、やっぱり三人だと随分楽だなっ!!へへっ!」

そこには縦80cm 横90cmぐらいの穴があった

一人一人行くらしい

「もう向こうの家に穴を繋げておいたから安心していいよ」

「"神"が来なくて良かったぜ!」

「確か、ここの向こう側は昔"群馬県"って言われてたらしいよ」

「それおじいちゃんから聞いた!昔は一杯県ってのがあったらしいね」

「俺のオヤジの故郷は"ろしあ"って所らしいぜっ!!」

「そろそろ行こうか」


《第一地区外壁付近》

「うぁぁ!狭くて頭打ちそうだったよ!」

「文句言うなよ...スプーンじゃこれが限界だ」

ん?

僕は何かが来る気配を感じた

「待って、クロエ、季実」

「どうした?雄太」

ぼそぼそと静かに話した

「何か居る...!」

「えぇ!!それってもしかして神じゃねぇのか!?」

僕らは心臓が握り潰されたと思った

「クロエ声がデカイ!!」

季実が小声で言う

「なにがだよ、大丈夫だって!」

その瞬間、僕らの居た家の屋根に大きな穴が空いた

ガッシャン、ゴトッ

何かが落ちてきた

「...!?」

案の定神だった

「このまえ言ってた奴じゃないかな...職員がワメいてたよ」

「な、何て?」

「第一地区の近くに、"攻撃型ベルゼブブ"が来てるって...」

えっ...

ソイツは確か本で見たことあるきがする

ハエの王だったっけ...?

まさに僕らの前に立ちはだかる神は大きなハエが二足歩行で歩いて居た

「そんなの俺達じゃ相手出来ねぇじゃねぇかよぉ..!!」

「クロエくん、落ち着いて!」

「嫌だ..嫌だ!!死にたくねぇ!!俺はまだ死ねないよぉぉぉぉぉ!!!」

クロエは隠れていた木箱の影から、ドアへ走って行った

「ダメだ!!クロエくん!!」

季実も追いかけた

だが、次前を見た時屋根に大きな影が横切って行った

「あぁっ....うぁぁ....」

クロエの前に攻撃型ベルゼブブが居た

僕らは咄嗟に見つけたスコップと木の枝で戦った

「気を付けて!こいつの攻撃なんて食らったら僕ら一撃で死ぬよ!」

死ぬのは嫌だった

「クロエくん待って!!どこへ行くんだよ!」

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

クロエは走り去ってしまった

残された僕らに標的を変えた攻撃型ベルゼブブは、次の瞬間

空へ飛び上がった

そこに突然

一筋の雷光が走った

その光は速さを増し、攻撃型ベルゼブブを逃がさなかった

「待てっ!!」

その声が大人であるのはすぐにわかった

「逃げられてしまったか...」

その大人は50cmくらいの剣で攻撃型ベルゼブブを追い払ったらしい

「大丈夫か?君たち」

黒毛の男性はこう言った

「君たちを助けに来れたのはこの子が走って来たおかげだよ」

そこにはクロエの姿があった

「君たちはどうしてここに居るか聞いてもいいかい?」

「外を...壁の外を見たかったんです...!」

「そうか...名前は何て言うんだい?」

「雄太、ササラギ雄太です!」

「雄太か...いい名前だ」

男性は大きく笑った

「おっと、僕の名前を言って居なかったね」

「僕の名前は月ノ夜総麻、第一地区一番部隊隊長だ」

「ど、どうして隊長が単独行動してんだよ...」

季実は聞いた

「僕は一人で倒してしまえる、だから副隊長や新人が育たないと困るから離れて行動してるんだよ」

「そうなのか...」

「そんな事より、僕は帰って報告書書かなきゃなぁ~、"壁外に身元不明の子供三名が居た"ってね?」




あのあと、僕らの掘った穴は閉じられてしまった

あの一番部隊の隊長に憧れを抱いた事を、僕

ササラギ雄太は知らない。


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