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LEGEND MONSTERS(レジェンド・モンスターズ)  作者: プリンアラモード
第2章 アレクの館
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Episode6 痕跡

■今回初めて登場する書物■

『テールンの呪い』(アイン・著)

テールン石をテーマにした呪いのお話。子供向けの絵が多い本。この本に書かれていることはほとんどが本当のこと。

『ジェームズ旅行記』(ジェームズ・著)

写真家・ジェームズの写真集。テールンに関するページもある。

●今回初めて登場するアイテム●

テールン石

テールンの地区だけで採れる石。テールンから持ち出すと輝きは失われ、普通の石と見分けがつかなくなる。強大な魔力を秘めている。

 ついに、リドナー、バーロン。そして、テーラの3人による冒険が始まった。

 初めに僕たちは大地の神の石像がどうなっているか見てみることにした。僕たちは馬車で像の近くに行く。


 数分後、大地の神の石像の近くに着いた。僕たちは馬車を降り、石像のところへ行く。

 そこは無残に荒れ果てていた。ただの石ころとしか言えないような破片がいくつも転がり、魔力も尽きている。

 そう...石像は完全にその機能を失ってしまったのだ(ちなみに、海は空には雲一つないにも関わらず荒れていた)。

 「なんてことなの...!?」

とテーラは言う。本当になんてことだと僕も思う。

「何か手掛かりは...っと。」

バーロンがそう言いながらところどころ漁りまくっている。僕も手掛かりを探そうと周辺を漁る。

 すると、島の南西に位置する地区・テールンでだけで採れる石『テールン石』が石像の破片の中に交じっていた(もちろん、輝きは失われていた)。

 って、ことは犯人はテールンの者か?いや違う。テールンの者ならよっぽどの理由が無い限り地区から外へ石は出さないはず。しかも、その理由とは3つに決まっていたはずだ。たしか、そう何かの本に書いてあった気がする

 僕は思い出してみる。幼い頃に読んだ本だ。あのときは、ただの迷信だと思っていた。島にテールンという地区があることも。そして、その地区だけで採れる石があることも。全部作り話だと思っていた。

 ども、ある本を読んで本当の話だと知ったのだ(まぁ、全部が全部本当の話では無かったのだけれど)。たしかその題名は『ジェームズ旅行記』だっけか。写真家・ジェームズの写真集。もう1つの方は何だっけか。たしか、テールンの何とかだったはず...

 「どうしたの?」

深く考え込んでいる僕を見てテーラが聞く。

「いや...ちょっと考え事をしてただけ。」

と僕は答える。すると、彼女は

「そんことぐらい見たらわかるわよ!」

と返す。

「わかってんなら聞く必要はないだろ!?思い出そうとしてたのに...!」

「そんな石ころ見て何を思い出すっていうの!?」

「これは石ころなんかじゃない!テールン石だっ!」

彼女ははぁ?という顔をした。そして、突然クスクス笑い出した。笑いながら

「リドナーはまだそれを信じていたの!?あなた19でしょ?まだそんな迷信信じてるの?」

と言う。迷信じゃないぞって言ってやりたかった。いや、言おうとした。でも遮られた。先に彼女がしゃべったのだ。

 「『テールンの呪い』をまだ信じてるなんて子供ねぇ...。呆れた。」

とため息をつきながら言っている。そうだ!あの本は『テールンの呪い』だ。彼女はそれを教えてくれた。だから僕はお礼を言う。

 「ありがとう。」

と。彼女はえっと驚く。そして、あなたってドMなのっ!と言いだした。が、その本の内容を思い出そうとする僕にとって、そんなのは気にもならなかった。

 思い出した!確かこう書かれていたはずだ。

______________________________________________________________

 昔々、バッファル島の南西にテールンという国があった。

 その国ではテールン石という石が採れた。その輝きは人々を癒した。そして、石を理由もなく国外に持ち出すことは固く禁じられていた。

 さらに、その持ち出しの許しが出る理由は3つしかなかった。

賢い人にお渡しするため

お墓の奉納品にするため

そして、神様への貢物にするため。

 しかし、自分の利益のためだけにこっそり石を持ち出したものがいた。

その者は一生解けない呪いにかかり、今でも呪いに苦しんでるという。

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

 誰が何と言おうと呪いの話だけが迷信で、他はすべて真実だ。『ジェームズ旅行記』がそう教えてくれた。そして、石を持ち出したものは後に子供を産み、その子供は賢者となった。石は代々受け継がれ今に至る。

 その家系の末裔が石像を壊したに違いない。僕はマリリンさんにこのことを伝えようと思い

「この石に見覚えが無いかウォルト様の家に戻って、マリリンさんに聞こう!」

と思う。しかし、その手間が省けた。

 突然、目の前に本人が現れたのだ。

「私の水晶があなたたちの場所を教えてくれたんです。」

と彼女は言っている。僕は

「この石に見覚えはありませんか?」

と聞く。すると彼女は

「そういえばその石...クリスがいつも肌身離さず持っていましたね...。」

と答える。

 ってことは...!

「バーロン!テーラ!おそらく犯人はそのクリスさんって人だ!」

「何言ってるの?リドナー?大丈夫?」

とテーラ。少しイラッとしたがバーロンの言葉の方がもっとイラッとする。なんと

「救急車を呼んでやろうか?」

と言ったのだ。自分の仲間を病人扱いするなん最低な奴だと思った僕は、

「病人扱いしやがって!僕は確かな筋で言ってんだよ!」

とカンカンになって言う。するとテーラが、

「あら?確かな筋って?」

と言う。

 そう言われた僕は自分の推測を全て話してみる。

 それを聞いたテーラとバーロンは大笑いしている。

そんな2人にムカムカしながら、僕は

「それならテールンがあったという証拠を見せてやるっ!そして、呪いの話だけが迷信だったって証明してやる!僕についてこい!」

と言う。

 僕は話の根拠を伝えるため、彼らを連れて我が家に徒歩で戻る(マリリンさんに瞬間移動が使えるほどの魔力は残っていなかった)。

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