Episode2 救出
◆今回初めて登場する人物◆
バーロン(29)
リドナーと知り合いで中年の馬車タクシー運転手。しかし、それは副業で本業は剣士である。
ジャック(20)
最近、成人を迎えたオーロラのイケメン彼氏。顔だけじゃなく性格もイケメンである。
ジャック君の家に向かって馬車は走る。
やけにひづめの音が大きく感じる。緊張しているのだ。と、私ははっきりわかっていた。なんて考えるていると...
「お前の名前は何だ?俺はバーロンだ。」
と、運転手がこっちを向いて言った。つながる口髭と顎鬚に、がっちりとした体格。それは強そうな、お城とかの衛兵選抜試験ですんなり合格しそうな、そんな雰囲気をたえだよわせる中年の男性だ。私は、ずっと”中年の男性”とかいうものは、うさん臭いものだと思っていた(イメージにとらわれていたのではなく、確実にそう思っていたのだ)。なのに、このバーロンさんとかいう中年の男性は全くうさん臭くない。それどころか、なんだかかっこいいなと思うぐらいなのだ。
「えっと...私は、テーラです。」
と、私は返す。その瞬間、はっ!と、声を出してしまう。オーロラが近づいてきている。私は、彼に
「あの...もっととばすことはできませんか?」
と聞く。あー、なんて失礼なこと聞いてんだ?私のバカー!!しかし、彼は
「よし、わかった!しっかりつかまってろ!一気に駆け抜けるぞ!」
と言う。えっ?と思う間もなくいきなり高速になる。私はとっさに壁際に用意された手すりにつかまる。馬車はそのスピードのまま坂を下ったり上がったり。まるでジェットコースターのように、くねくねと高速で道路を駆け抜ける。
それからわずか1分ほどでジャック君の家の前に着く。今では、オーロラの気配は全くなくなっている。私はありがとうとお礼をし、お金をわたそうとする。が、彼はいらないという。次の瞬間には、馬車は走り出している。私はその馬車が見えなくなるまで、バカみたいとわかっていながらもありがとうを何度も繰り返しながら手を振り続ける。そして見えなくなると彼の家の表札につるされた鐘を鳴らす。
カラン、カラン
すると、彼は出てくる。その瞬間、彼は大いに驚く。そりゃそうだよねと私は思う。自分の彼女の友達が大けがをして自分に会いに来るなんてね...。
「どうしたんですか!?テーラさん?」
「詳しくは中で話すね...。」
「...はい。」
私は彼に何があったのか、誰がやったのかなどをありのままに話す。
「そうですか...オーロラが...。」
「ジャック君ならどうにかできると思って...。無理...かな...?」
「いいえ。そんなことはありませんよ。僕が何とかしましょう!」
「ありがとう。」
本当にありがとう。ジャック君は私のケガの手当てもしてくれた(止血のために体をべたべた触られのはちょっと嫌だったんだけど...)。や...優しいぃ...。と、私はなんだかじんと胸を打たれるような気がした。って...ダメよ、私!オーロラの彼氏なんだから。彼女が悲しんじゃう。でも...でも私はいっそのこと付き合っちゃおうかな?って思うぐらい胸を打たれいたのだった。
* * * * *
もう、あの馬車は見えない。猛スピードで走り抜けて行ってしまった。私にも同じことができたのだが、それには大量の魔力を使う。こんなところで貴重な魔力を使うな。と、心の中で誰かが囁いた気がした。いや、必死で訴えていた。だから、私はゆっくり行くことにした。この魔力はテーラを殺すのに使おう。うん。
やっとジャックの家に着いた。そして、表札につるされた鐘を鳴らすと彼が出てきた。
「ジャック!アンタの家にかくまってんでしょ!?」
と怒鳴りつけると、彼は冷静に
「誰のことだい?」
と聞いてくる。はぁ!?
「とぼけないでっ!テーラのことに決まってんでしょ!?」
と、私はキレ気味で彼に言う。
「テーラさんならいるが...」
全部聞き終わる前に私は彼を押しのける。テーラがベッドに寝転んでいる。私はナイフを出す。しかし...
そのナイフは払いのけられる。彼がやったのだ。
「なにすんの!?テーラが生きていようと死んでいようとアンタには関係ないでしょ!?」
「いや、ある。」
「何でよっ!?」
「テーラさんは君の友達だろ?僕には恋人の友達を守る義務がある。」
「義務どころか、権利すらないわよっ!」
と言い、払いのけられたナイフを拾い、彼を刺そうとする。しかし、その手が止められる。そして...
唇に何かが触れる。なんだかとても柔らかいものが。それは彼の唇だった。えっ?キ...ス...?
その瞬間、私から殺意が消える。自分に取りついた何かが一瞬にして浄化されたかのように。てっ...てかっ!長すぎ...!キス...まだしてやがる...コイツ...!私はひっ、と小さな悲鳴を出し彼から離れる。
「どうしたんだ?」
と、何事もなかったかのように涼しい顔で彼は言う
「い...いやっ...!初めてだったから...!キ...ス?」
私は真っ赤になりながらそっぽを向き言う。
すると、誰かが抱き着いてきた。ん、誰?
それはテーラだった。彼女は大粒の涙を流しわんわん泣いている。どうしたの?コイツ?
泣き虫でもないテーラが大粒の涙を...って、てかっ!この子血だらけなんだけど!
「どうしたの!?全身血だらけじゃないっ!」
と、私が聞くと彼女は
「うん...ちょっとね...。」
と答える。は!?
「ちょっとどころじゃないでしょっ!?」
と、オーロラはかなりキレ気味で言う。でも...でも、それはきっと彼女なりの優しさだ。私にはそれがわかっていた。
「ジャック君、止血とかしてくれてありがとね!」
と、テーラはにっこり笑いながら言う。は!?止血ぅ!?全身血だらけの彼女を見る限り、傷口も全身にあったはずだ。ってことはジャック...アンタ...まさか...!
「ジャック!アンタまさかテーラの体べたべた触ってたりしてないよね!?」
「えええっ!?」
やっぱり...コイツ...!
「セクハラで訴えてもいいんだよぉ?テーラ?」
と、私は怒っていながら、無理して笑顔を作る。
なによ!?オーロラ。無理して笑顔なんて作らなくていいよ?完全の顔に怒りが出てるし。
「訴えないよ。たしかにべたべた触られるのは嫌だったけど...。」
と一応言っておく。
「ほら!」
と彼女は言う。こんな会話が何分か続いた。会話が終わった頃には、オーロラに対する妬みなんて全くなくなっていた。そして、よし!私も彼氏作れるように頑張るぞ!と決心した。
というわけで、私たちは協力してオーロラを救うことができた。でも、リドナーさんもバーロンさんもよく初対面の私に協力してくれたな。と、私は少し不思議に思った。と、言うよりは2人とも優しい人だったっと言った方がいいだろうか?まぁ、どっちだって良い。なんしか、今はオーロラを救出できたことに集中したいのだ。私は。
終わり方が少し変でしょうか?
変だったらスミマセン(m´・ω・`)m
正直どんな終わり方をすれば良いのか分かりませんでした(∀`*ゞ)