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どん底から50年目

       西暦2065年  山田耕一、75歳

 

 神は、なんと、真実なお方だろう。

 75歳の僕は、3人の子供と、7人の孫に恵まれて、時々、油絵なんかを趣味に描きながら、幸せな老後を過ごしている。

 25歳の時、失恋と失業が同時にきて、ニート生活を過ごしていた僕が、本当に、小説家、実業家、政治家になるとは、、、あと、結婚できた!正直、これが一番嬉しかったかな、、、。

 この様な事が、本当に起きるとは、自分でも、自分が信じられないくらいだ。しかし、今の僕があるのは、苦しくも、切ない、あの二次元に、はまっていたニート時代がなければ、絶対になかっただろう、、、。いわば、蝶でいう所の、さなぎ時代だろうか、、、。さなぎ時代を通らなければ、蝶はいつまでも、いもむしのままか、死ぬだけだ。さなぎ時代あってこそ、成虫になれるのだ!

 


 まさに、神に不可能なことは何一つ無いのだ。

 100歳で愛する妻サラとの間に子供が居なかった、いわゆる昔話に出てくるような、

 “昔、昔、あるところに居た子供の居ないおじいさんとおばあさん”

 のようなアブラハムとサラの子孫を空の星、海の砂のように増やし、世界の祝福とされたように。

 アブラハムの子孫、イエスキリストが罪と呪いと死に打ち勝ち、愛と正義のヒーローとなってこの世界を救ったように、、、。


 

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