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大暴走(1)

05/05 改稿

 鍛冶屋から宿に戻る途中で、三人と合流。そこで夕食をどうするかという話になったのだが、リリーが「行きたい店がある」と言い出した。

 無駄使いかなと思ったが、残り二人も賛成する。こういったときは女性に逆らわないのがコツと祖父に聞いていたので、その店で夕食を食べることに決まった。


「ケイ、その布にくるまれているのは何?」


「もしかして武器ですか? それにしては大きすぎますね?」


「村で使っていた鉄棒を持っていないと言うことは、それがケイの新しい武器でしょうか?」


 三人は僕が抱える布の包みに興味津々である。僕は布を少し開くと、三人に新しい武器…黒い大剣を見せる。


「うぁ、重いよこれ(・・)


 柄を持って剣の重さを確認したエステルは、その重さにあきれていた。


「ケイさん、そんな大きな剣を振り回せるのですか?」


 リリーは僕の体格と剣の大きさを比べて、本当に使えるのかと心配していた。


「かっこよい剣です。ケイが振り回すところが見てみたいです」


 エミリーは僕の力を知っているので、大丈夫ですよと二人に話していた。


 二人の前で、布に包まれた剣を振って見せると「本当に振れてる」と驚いていた。


 三人にお披露目した僕の新しい武器だが、大きな問題を抱えていることが分かってしまった。

 それはリリーがおすすめの店に入ろうとしたときだった。


「何かミシミシいってない?」


「そうですね。階段から変な音が聞こえますね」


「ありゃ、重すぎたかな?」


 冒険者達が通う店なので、階段や床も頑丈な板で作ってある。しかし僕と剣を合わせた重量は二百キロ。それが僕の両足にかかるのだ、地面にも少し足跡が付くほどの状態であった。


「(僕の新しい武器よ、すまない)」


 僕はこのまま店に入ると床が抜けてしまうと、折角手に入れた大剣は、店の入口付近に転がしておくことなってしまった。


 リリーお勧めの店は、鉄板の上で肉や野菜をセルフで焼いて食べる…所謂焼き肉屋のような形態の店であった。


 次々を運ばれてくるお皿を、片っ端からお腹に消し去るリリー。それを周りの客が感嘆の目で見つめていた。

 エステルは慣れているのか平然としているが、同席している僕とエミリーは凄く恥ずかしかった。


 お店で出てくる野菜は地球に似た物が多かった。しかし、肉に関しては良く分からない物が出てくる。

 分析結果(ログ)がどんどん表示されるが、ほとんど識別不能となっていた。新しい肉が出てくる度に何の肉かリリーに尋ねたのだが、彼女にもよく分からないと言われた。周囲のお客の話から、どうやらこの店は魔獣の肉を出しているらしいという事は分かった。


「(まさかこの豚肉っぽいの、オークの肉じゃないだろうな)」


 魔獣はその討伐部位以外は使い道がないことがほとんどだが、この店のオーナーはそれを安く買い取って食材として使っていた。分析結果(ログ)でも特に危険物質は検知されていないので、問題ないとは思うが、昆虫系の魔獣の肉は食べるのに勇気が必要だった。

 日本でもイナゴの佃煮とかあるが、僕はそれを食べたことはなかった。。


 夕食を終え宿に戻ろうという時、突然鐘の音が村中に鳴り響いた。


「何? この鐘は?」


「分かりませんね」


「あたしもこんなの聞いたことないよ」


「ケイ、一体何があったでしょう」


 不安になったエミリーが僕にしがみついてくる。


 周りを見ると冒険者達が慌ただしく動き始め、商人は露店や店を片付け始めた。


 その様子から、どうやら鐘は警鐘らしいと僕は当たりを付けた。


「森の方で何かあったみたいだね」


「どうやら大事のようですね」


 リリーが魔獣の森の方を指さすと、森から飛行型の魔獣が大量に飛び立つのを目撃する。


《多数の飛行型オブジェクトを検知:総数20,000以上と推測されます》


 ログを見るとものすごい数の魔獣が飛び立っているようだった。飛行型の魔獣は森の上をグルグル回っているが、一部は既に村に向かって来ていた。


「緊急招集がかかるかもね」


 エステルがポツリと言った。


「緊急招集?」


「ケイはまだ仮登録だから聞いてないか。本当ならギルドが出すんだけど、こういったギルドが無いところだと村長が出すんだ」


「緊急招集がかかると、その辺りにいる冒険者は全員緊急依頼を受けなければなりません。それを断ると厳しい罰則が課せられるのです」


「この状態の緊急招集って、魔獣が村を襲ってくるとかだからね。どのみち戦わないと死んじゃう事になるから、受けない冒険者はいないよ」


「こんな所で緊急招集に出くわすなんて、ついていませんね」


 エステルとリリーは、この状況を受け入れているみたいだが、僕とエミリーは全く状況について行けてなかった。


「二人は落ち着いているね」


「ああ、あたしとリリーのいた村じゃ、魔獣が襲ってくるのが当たり前だったからね。こんなの慣れっこさ」


「冒険者じゃ無いエミリーはどこかに隠れていてください。ケイさんは…仮登録なので、招集に応じる必要はないと思います」


 リリーは、冒険者ギルドの規則を思い出しながら、エミリーと僕が緊急招集に応じなくても良いと教えてくれた。


「(何かやばい気がするし、僕も参加した方が良いかな) いや、僕は君たちと一緒に行くよ。エミリー、君は宿に戻っていてくれ」


 二人と一緒に緊急招集に参加することを伝えると、


「ケイが付いて来てくれるなら頼もしいな」


「グリフォンを一撃ですもの。助かります」


 喜んでくれた。

 しかし僕が参加すると聞いたエミリーは、「ケイが行くなら私も付いて行きます」と言い始めてしまった。


「私は"回復の奇跡"が使えます。怪我をした人がいたら治療できます」


 エミリーの神聖魔法は確かに役に立つ。しかし彼女自身は魔獣とは戦えない。


「エミリー、村の教会に行ってそこで怪我人の治療をしてくださいませんか?」


 こういった時は、教会が怪我人を治療するための場所になるので、そこに行くことをリリーは提案する。


「…分かりました。私は、私のできることをします」


 エミリーは、教会に走っていった。


 それを見送り、僕たちも走り出す。村長宅の前には、多くの冒険者が集まっており、ちょうど村長が緊急依頼について話すところだった。


「冒険者の皆さん、お集まりいただきありがとうございます。森で異変が起き、魔獣の大暴走(スタンピード)が始まったみたいです。ネイルド村の村長として、この大暴走(スタンピード)から村を守ることを、緊急依頼として冒険者の方々に依頼します」


 村長の言葉に、冒険者の緊張が高まる。


大暴走(スタンピード)って?」


「魔獣の森から魔獣たちが溢れ出す事だよ。原因はいろいろあるらしいけど、今回のは何だろうね」


「森で火災が発生したとか、大雨で森が水浸しになったとかが原因だったこともありますが、今回はそれとは違うみたいですね」


 二人も原因は分からないようだった。


 大暴走(スタンピード)の原因について、冒険者達から村長に質問がとぶが、村長も原因を掴んではいなかった。


 ネイルド村に滞在していた一番ランクの高いパーティは、"麗しき翼"という若い女性だけのパーティであった。リーダーのアレクサンドラは、ハーフプレートを着込んだかなりの偉丈夫だった。

 アレクサンドラの冒険者ランクは上級の下と一流の冒険者であった。他のメンバーも中級の上以上のランクであり、正に腕利きの冒険者パーティであった。


 "麗しき翼"の指示に従って、集まった冒険者達はパーティ編成やランクに応じてチーム分けされていった。

 女性に仕切られる事に不満が出るかと思ったが、実力主義の冒険者の間ではギルドランクは絶対の価値が有る。冒険者は"麗しき翼"の指示に従っていた。

 まあ、時々反発するはぐれ(・・・)者もいたが、そういった連中は、周りの冒険者によって叩きのめされて(説得されて)いた。


 僕とエステル、リリーの三人は村の壁上に配置されることになった。

 エステル、リリーは弓と魔法が使えるので、石の壁の上で飛行型の魔獣を撃退し、壁の下の冒険者を援護する。

 僕は立派な外部装甲()を着ていたため、最初は壁の外で戦うように命令されたが、仮登録と分かると二人の護衛兼サポート要因を命じられた。


「あたしの弓より、ケイの投石の方が役に立つと思うんだけどね」


「同感です。私たちがケイのサポートをした方が良い気がします」


 二人は、僕の配置をもったいないと言うが、実力=ランクという判断基準に異を唱えるとややこしくなるだけである。僕達は空気を読んで命令に従うことにした。


 村を取り囲む壁に上がると、そこには投石機が数台置かれていた。その操作を行うのは、門番に立っていた兵士達だった。投石に使用されるサッカーボールぐらいの石が幾つも置かれていた。


「(あの石は使えそうだな。いざとなったら使わせてもらおう)」


 そう思いながら石を見ていたら、兵士達に睨まれてしまった。





 最初に村にやってきたのは、鋼蜻蛉スチールドラゴンフライという巨大な蜻蛉(トンボ)の群れであった。蜻蛉(トンボ)と行っても全長三メートルを超える大物であり、小型の魔獣や子供などを捕まえ食べられてしまう危険な魔獣である。

 一度捕まってしまうと空高く運ばれてしまうので、魔獣を倒しても墜落して死ぬ運命となる。つまり、この魔獣と戦うなら絶対に魔獣に捕まらないようにしなければならない。


「数が多い」


「魔法の詠唱が間に合わないです」


 数百匹の鋼蜻蛉スチールドラゴンフライに対し、壁の上の射手や魔法使いは数十人であり、圧倒的に人数が足りなかった。


 エステルとリリーに近寄ってくる鋼蜻蛉スチールドラゴンフライを、剣で斬り伏せていたがその数はいっこうに減らない。


「(こうなったら、僕がやるしかないな) すいません、この石を少しもらいます」


 鋼蜻蛉スチールドラゴンフライに投石機は役に立たないので、石は残っている。


「投石機の石で何をするつもりだ? それより鋼蜻蛉スチールドラゴンフライを追い払うんだ」


 兵士が鋼蜻蛉スチールドラゴンフライを剣で切り伏せながら僕を怒鳴った。


「こうするんですよ」


 剣を振るって、石を1センチメートル四方のサイコロ状に切り刻んだ。

 剣で石を切り刻むなんて冗談のように聞こえるかもしれないが、ヴォイルが鍛えた黒鋼甲虫ブラックスチール・スタッグビートルの剣は、恐ろしく切れ味が良かった。サイボーグの怪力と精密な動きで剣を振るえば。こんな芸当も可能であった。


「はぁ?」


 石をあっという間に切り刻むのを見て、兵士が信じられないといった顔をする。


 驚く兵士達を尻目に、石のサイコロを手に握ると、散弾の如く鋼蜻蛉スチールドラゴンフライに対して投げつけた。


 鋼蜻蛉スチールドラゴンフライの飛行パターンは単純で、行動予測がしやすかった。しかも羽は硬い外皮があるわけでもなく、攻撃を当ててしまえば簡単に打ち落とせる。それに僕が投げた石は、一発一発がライフル弾並の威力である。それが命中すれば、たとえ胴体でも只では済まない。


  サイボーグ散弾銃と化した僕から放たれる石の散弾が、次々と鋼蜻蛉スチールドラゴンフライを落としていった。

 空を素早く飛ぶ 鋼蜻蛉スチールドラゴンフライも、地上に落ちてしまえば冒険者達の敵ではない。落下した鋼蜻蛉スチールドラゴンフライは下の人に任せ、僕はどんどん石を投げつける。しばらくすると鋼蜻蛉スチールドラゴンフライの群れは、僕を脅威と見なしたのか、村の直前でVの字型に分かれそのまま何処かへ飛び去っていった。


「どうやら第一陣はやり過ごせたようだな」


 汗など出ていないが、僕は額を拭った。


「凄いというか」


「あきれますね」


 そんな僕を、エステルとリリーが呆れた目で見てくる。そして周囲の兵士達も、二人と同じような目をしていた。


「どうしたの?」


「『どうしたの』じゃないよね」


「ケイさん、自分が何をしたか分かってます?」


 二人は、僕に詰め寄って小声で抗議してきた。


「何をしたって、石を投げてただけだろ?」


「いや、剣で石を切っちゃうのもおかしいし、その石を投げて鋼蜻蛉スチールドラゴンフライを打ち落とすなんてあり得ないよ」


「エステルの言う通りです」


 二人はまくし立てるようにそう言ってきた。


「いや、僕が力持ちって知ってるでしょ。あれぐらい力のある人なら誰だってできるよ」


「できるわけ無いよ」「できません!」


 二人から盛大に突っ込まれた僕は、周囲の視線を見てやり過ぎたことを理解した。視線から逃れるように、、「矢が足りなさそうなので、取ってきます」と言って、ソソクサと壁の下に降りていった。


 矢を持って戻ってきたが、まだエステルとリリーは呆れた顔をしていた。





「第二陣が来たようだ」


 鋼蜻蛉スチールドラゴンフライが通り過ぎてから十分ほどすると、遥か先に見える魔獣の森から、魔獣の群れがあふれ出した。


 大暴走(スタンピード)といっても魔獣は一気に押し寄せてくるわけではない。それぞれの住処や移動速度から、魔獣達はある程度バラけて村にやって来る。

 最初に飛行型でもスピードの早い鋼蜻蛉スチールドラゴンフライが出てきたが、次に村にやって来たのは一角狼(ホーン・ウルフ)岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の群れであった。


 普段なら森の中で捕食関係にある二種類の魔獣だが、恐慌状態で暴走しているため、一緒になって村に突撃してくる。見たところ岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)が五十頭程度、一角狼(ホーン・ウルフ)が二百数十匹程度の群れが村に向かってきていた。


 岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)は全長五メートル、全高三メートルの猪の魔獣である。頭が石の様に角質化しており、突進による頭突き攻撃をまともに喰らえば、人などミンチになってしまう。またその厚い皮は生半可な攻撃を寄せ付けず、冒険者ランクであれば中級の中程度の実力がないと倒せないと言われている。


 森と村の間には木製の馬防柵が設置されていたが、岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の突進を止めることはできず、一撃で粉砕されてしまった。


 群れが射程内に入れば、投石機が動き出すだろうが、あの数の群れに対しては焼け石に水といったところだろう。

 実際、投石機から石が投げ込まれたが、運の悪い一角狼(ホーン・ウルフ)が数匹吹き飛ばされただけで、岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の勢いを止めることはできなかった。


 更に群れが壁に近づいてくると、今度は矢による攻撃が始まった。雨のように矢が降るが、魔獣の勢いは止まらない。エステルも懸命に弓を射掛けるが、倒れるのは一角狼(ホーン・ウルフ)だけだった。

 しかし、これで一角狼(ホーン・ウルフ)の方は、約半数が倒された。


 壁の前には幅五メートル、深さ二メートルほどの空堀があり、その後ろで冒険者達が集まって、岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)が来るのを待っていた。


 魔獣の群れが後三十メートルと近づいた時、魔法使いによって一斉に火属性の魔法が放たれた。大きな炎の壁が立ち上がると、毛や肉の焦げる匂いが壁の上まで漂ってくる。


 一角狼(ホーン・ウルフ)は、炎の壁を通り過ぎたところで、ほとんど勢いをなくし散り散りとなってしまった。しかし、岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)は勢いを残していた。岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)は毛皮のあちこちを焦がしながらも、堀を飛び越え壁に激突する。


 壁をものすごい衝撃が襲ったが、僕達は何とか持ちこたえた。足を止めた岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)を冒険者達が取り囲み、あちこちで闘いが始まった。


 壁の上から見たところ、冒険者達は次々と岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)を仕留めていた。しかし被害も大きく、多くの死傷者が出ているようだった。


 僕の目の前でも、大きな盾を持った男が岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の突進を受け流しきれず弾き飛ばされていた。そして岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)は弾き飛ばした男に向かって、再度突進を行うべく足に力を込めていた。

 彼のパーティメンバーが、岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)に攻撃を仕掛けるが、なかなか致命傷を与えることができていない。


「今助けるぞ!」


 そんな男の危機を見過ごせなかった僕は、剣を岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)に投げつけて、その背中に飛び乗った。


 投げつけた剣は岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の右肩に刺さり、その衝撃で岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)は体勢を崩した。背中に飛び乗った僕は、不安定な足場にバランスを崩しながらも剣を引き抜き、岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の頭に突き刺した。それが止めとなり、岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)は動きを止めた。


 岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)から剣を引き抜き下に降りると、壁の上からはエステルとリリーが心配そうに覗いていた。僕は大丈夫だと手を上げると、他の岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の攻撃に参加していた。

 弾き飛ばされた冒険者にパーティメンバーが駆け寄って、治療が行われていた。近寄ると助けてくれた事にお礼を言いながら彼は立ち上がろうとした。しかし、彼は足を痛めたらしく倒れてしまった。


「助けてくれてありがとう。君の助けが無かったら死んでいた」


「間に合って良かったです」


「しかし岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)の頭を一撃とはすごいな」


「この剣がすごいんですよ」


 大剣を見せると、冒険者はその大きさに驚いていた。


《脛骨を損傷:要治療》


 冒険者の足のスキャン結果(ログ)から、足の骨を折っている事が分かった。彼はもう戦えないと伝えると、悔しそうな顔をする。


 周囲を見ると岩頭猪(ストーンヘッド・ボア)一角狼(ホーン・ウルフ)の掃討はほぼ終わっていた。


 僕の聴覚センサーは、魔獣の群れが近づく音を捉えたが、次の群れがやって来るにはもう少しかかる。


「(エミリーの方はどうなっているかな) 彼は僕が教会に連れて行きます」


 僕は冒険者を背負うと、教会に運ぶついでにエミリーの様子を見に行くことにした。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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