パティシエの卵と甘党
ほのぼのです。
ラブストーリーまで行きません。
ただの自己満なので…
楽しんでいただけるとうれしいです
主人公
高校2年のお菓子作り大好きな子。プロ(?)級の腕の持ち主。
しょうへい
不良青年。金髪で喧嘩がめちゃくちゃ強く地域内ではボス的存在。
ちょっとツンツンだけどホントは…
「きゃぁっ…!!!!!」
「騒ぐんじゃねぇよ。」
「ひゅ〜♪上玉じゃん♪」
なんでこんなことになったんだろう。ただ道を聞かれたから教えただけなのに。路地裏に連れて来られて縛られるなんて思ってもいなかった。
縛られた腕が痛い。
ここら辺はよくヤンキーとかが出るから注意しろって言われてたのに…。
涙が出てきそうになるのを必死で堪えながら彼等を睨みつける。
「そういう顔…そそるんだけど?」
ニコニコと一人が私の顎を掴みながら上を向かせた。
「離して」
「気が強いお嬢さんだな」
もう一人も醜悪な笑顔を浮かべながら私に近寄ってくる。
怖い。助けて。誰だっていいの。お願い。私は目をぎゅぅっとつぶった時。
「てめぇら何やってんだ?ぁあ?」
更にドスの効いた声が路地裏に響いた。彼等の動きが不自然にストップし私はその声へ視線を移した。
「おい…お前ら。俺言っておいたよな?俺と同じ高校の女子生徒には手をだすなって…」
ボキ…ッと指が鳴る音に彼等も更にぎこちなく後ろを振り向いた。スッゴく不機嫌そうに睨む金髪青年の姿。あれ…この人って…。
彼等は金髪青年を見ると急いで私の縄を解くと
「すいませんしたっ!!!しょうへいさんっ!!!」
そう言いながら走り去っていった。
なんと速い。すぐに見えなくなってしまった。
「…ちっ…」
私この人知ってるわ。そりゃそーだろ。同じ高校だし。しかもちょ―有名人。悪い意味でだけど。と自問自答を終了させ、腕をさすりながら立ち上がった。
「ありがとうございます」
一応助けて頂いたしお礼をと言ってみると何も反応せずにただ突っ立ってるだけだった。
あれ?思ったよりあんまり怖くないな…
「るっせぇな…てめぇなんか助けてねぇよ。っちぃ!!!!。ボコれると思ったのによ。あいつら逃げやがって…!!!」
前言撤回。めちゃくちゃ怖い!!
「ハハ。デハ、シツレイイタシマス。」
そう私が言うとまた反応さえせず、ただ近くのごみ箱を蹴っただけだった。
「う―」
昨日のでちょっと縄の跡が痣になってしまったがあとは怪我はしていない。
ということで何故か手作りクッキーを作ってしまった。
何が"ということ"なんだというとちゃんとお礼をしなきゃと思っただけなんだが。受け取るか?うーん…
想像力は豊かな方だと思うんだが…
「ないわwwww」
想像ができなかった。
作ちゃったし渡せば勝手に処理すんだろ。と強制解決して校舎の中を歩き回ること約1時間。
「いないんだけど」
歩き疲れ、ため息を付きながら窓から顔を出すと中庭で昼寝しているのを発見した。
「発見」
一階だしいいや。と窓から外に出るとしょうへいさんは気持ち良さそうに眠っていた。近寄り隣に座ると自分が困った状況にいることに気がついた。
「どうしよう。何これ。あたし起きるまで待つの?待つパターンなのこれ。」
それはイヤだ。かったるい。しかもあんだけ探したのに寝てるとかふざけんな☆と脳内で処理するとクッキーの袋を寝ている隣に置くことにした。そして置いた瞬間。
「誰だ」
すっごい冷たいトーンで発された言葉に私は固まった。うんともすんとも言えずに座りこんでしまう。
「なんだよ。昨日の女か」
興味なさそうに呟くとぐるん寝返りをうった。すると袋に身体が当たりガサという音に気がついたのか、私のクッキーの袋に気がついた。
「これなんだ」
彼は身体を起こし袋を手に取ってまじまじと見る。私は後ろを向いていまだと頑張って声を搾り出す。
「作った。お礼。」
単語じゃん…。と若干泣きそうになりながら立ち上がると。
ガサガサという音とサクっという音が聞こえた。
「げ…すげぇうめぇ」
おい。"げ"ってどゆうことやねん。
「おい。これってどうやって作ったんだよ。」
「……え…?」
興味示したぁぁあああ!?
私は勢いよく振り返りしょうへいさんを見ると真剣な表情で
「なんでこんなにサクサクなんだ?しかもしつこくない甘さ…うまい…」
んな感じのを呟いている。
「あのさ…興味あるなら…今度レシピ教えようか?」
「ホントか!?」
嬉しそうに顔を上げた彼に私は
……オトメン…?
と思ったのだった。
「ただいま」
家に帰ると妹、兄1、兄2がいた。妹が手に持った興味を示し、鼻のいい兄2がニコニコとし始める。
「しょ―へい。何それ」
「いい匂いやなぁ?クッキーとちゃう?」「当たりなんだけど…おい」
頂戴とか食べたいとかも無しに
「美味しい」
奪い去り食べはじめているではないか。
「こりゃうまいやん。しょ―へい負けたとちがうか?」
「本当か?じゃ俺も食うか」
兄1まで食べはじめる始末。
「うっせ。見てろすぐにそれ以上作ってやるし」
無駄に湧いた闘争心に俺は苦笑いした。でも他人の手作りを食べるのも悪くないなと思うのだった。
「おい」
「ん?」
聞き慣れない男子の声に疑問を持ちながら振り返ると
「これ」
渡されたのはクッキーの香ばしい香りに包まれた袋。
「お礼」
え。しょうへいさんじゃないか。それだけでもサプライズなのに。クッキーくれたよ。わ―い。ってお礼のお礼ですか。
「ありがとう…でもまだレシピ…」
「いらない。自己流で抜く」
「は?」
「とりあえず。好評だったぜ」
「いやだからね、は?」
「気にすんなよ。あ…またクッキーくれよ?あとほかのも食べてみたい。」
「いや…えっと…いいけど…」
自分で作るんだぁ。やっぱり。予想外すぎんだけど…まぁいっか。
「作るの好きなんだ?」
私の素朴な疑問に彼はただ
「食べた人の嬉しそうな顔が見てぇだけ」
とはにかみながら言った。
「っ/////」
私はその可愛らしさに思わず赤面。
「そっ…か…。じゃあ私も腕によりをかけて作る。抜かれないように…ね。」
私がニヤリと笑うと
「受けて立つ」
と嬉しそうにハイタッチしたのだった。
「お―い。しょ―へいく―ん」
「ん?あ…。今日は何?」
「新作」
「まじで!?」
「いえす。今度一緒に作りたいね」
「………。」
「どうしたの?」
「お前んちで…いいなら」
「いいけど…どうして?」
「なんでもねぇ」
「食わせないよ。吐かないと」
「そんなの不可抗力だっ…!!!」
「知らないそんなの」
「くっそぉお!!!!」
残念だね←
今日はふわふわマフィンなのに
だから
お前なぁっ…!!!!
不思議な友情の完成☆
続きません☆
多分
続きが読みたいなという方は是非言って下さい!!
きっとやる気が出ます←