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1話 全ての始まり

主人公ウィル・アルフィスは交通事故により命を落としてしまった。気がつくと眼の前に女神?が現れ,,,,異世界でいろいろな人やいろいろな種族そして神と廻る冒険!

俺、ウィル・アルフィスは、どこまでも続く真っ白な空間で、宮殿のの前に立っていた。


「ウィル様。この度は不慮の事故によるご逝去、心よりお悔やみ申し上げます」


机を挟んで向かい側に座っているのは、白銀の髪を持つ息を呑むほど美しい女神だ。

だが、その態度はどこかの役所の窓口のように淡々としており、手元の書類にスラスラと羽根ペンを走らせている。神秘性や慈愛といったものは一切感じられない。


「さて、本題に入ります。ウィル様には特別な使命を与え、異世界へと転生していただきます。現在、転生先の世界で密かに滅亡を企てている『魔神』の討伐をお願いしたく存じます」


あー、なるほど。理解した。

オタクなら誰もが一度は夢見る、異世界転生からのチート能力で無双する王道展開だ。正直、少しだけテンションが上がる。


「わかりました。やれるだけやってみます。……で、俺のチート武器は? 聖剣ですか? それとも全属性魔法?」

「いえ、当方から授与させていただくのは『継承』の能力となります」

「けいしょう?」


女神はにこりともせず、マニュアルを読むような平坦な声で説明を続けた。


「現在、その世界にいるかつての偉大な神々……『神人しんじん』たちは、魔神の結界の影響で力を失い、人間社会にひっそりと隠れ住んでおります。ウィル様の役目は、彼らを見つけ出し、絆を結ぶこと」

「はあ」

「彼らと契約を結ぶことで、あなたの『継承』が発動し、失われた神話級の力をあなたが代行して振るうことができるようになります。言わば、あなたは神の力を宿すための『器』ですね」


「……それって要するに」


俺は渡された設定を、脳内で現実的な言葉に変換した。


「俺自身が最初から強いわけじゃなくて、現地でその『神様』たちを見つけて、頭を下げて力を貸してもらわないとダメってことですか? 完全に他力本願……というか、俺ただの『代理人』じゃないですか」

「代理人。……なるほど、非常に的確な表現かと存じます。では、手続きは以上となりますので」


いや、褒めてない。

つまり俺は、見知らぬ世界で神様たちを探し出し、契約して力を分けてもらわないと、何の技も使えない一般人ということだ。


「あの、ちなみに俺に拒否権は?」

「規定により、お受けできかねます。なお、魔神が世界を滅ぼすまで数十年は猶予がある見込みですので、ご自身のペースで神様を集めてくださいませ」


事務的な返答と共に、俺の足元が急激に眩い光に包まれ始めた。

おい嘘だろ、話が急すぎる。


「えっ、ちょっ、待っ――! チュートリアルとか初期装備、生活資金は!?」

「それらは当方の管轄外となります。現地調達でご対応ください。それでは、良き異世界ライフを」


光の中に沈んでいく俺に向かって、女神は完璧な営業スマイルで一礼した。


「あの事務仕事女神、絶対にクレーム入れてやるぅぅぅーっ!」


壮大なる使命? チートで無双?

そんな甘い夢は開始数分で打ち砕かれてしまった。

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