第95話 お子様も強化
アランは、パピィの魔導具店で、スタンとボッサの新しい首輪を試していた。
どこの魔導具店でもそうだが、ハンター達が連れている魔獣は、大きくなっている為、ボッサのようなお子様サイズがない。
だいたい、スタさん、何でお子様サイズなの。
いつ何時、危険な状況に成りかねないので、防御も攻撃にも優れた物を身に着けさせたほうがいいよなー。
「あの洞窟みたいに、勝手に来られたら、たまったもんじゃないんだからな。」
アランは、ボッサに首輪を付けたあと、服を着せるのに、前足を通してマジックテープで前をとめてやる。
首輪同様、革で出来ているが、魔法で伸びるように作られているので問題無い。
スタンも凄く大きくなるので、同じように魔法で伸びるようにしてある。
2匹を並べて見る。
黒で統一され、首輪には鋲のようなものが点々と付いている。
くっ、……ヘビメタ。
アランは、口を押さえて笑いを堪えた。
「まぁまぁ、……強そうに見えるかな……、お子様だけど……。」
アランは、笑いを堪えながら2匹を、再度見た。
くっそー、革の帽子も作れば良かった!
アランは、タイラーとラリーの診療所に立ち寄った。
「なぁ、ニゲル種ってどう鍛えるんだろう。」
アランは、ボッサを見ながらタイラーに聞く。
「俺に聞くなよ。俺は、お年のサンダーを鍛えたりしねーよ。」
「だよねー。」
アランは、ここに来る度に寝ているサンダーを撫でた。
「スタさんが、俺に6発も火の玉ぶっ放したのに、ボッサときたら、俺の腕に噛みついたままだったんだぜ、集中力は凄いけど、危機感なさ過ぎじゃね。」
アランは、ボッサを抱っこした。
今は、ボッサはヘビメタしてない、ただの毛玉だ。
うーん、もふもふ。
「なぁー、問題そっち?俺は、スタさんがお前に6発も、火の玉ぶっ放したほうが心配だよ。不満でもあるんじゃないか?」
タイラーは、スタンを抱っこした。
「……不満ねぇ、……あるわけ無いだろう。なっ、スタさん!」
アランは、スタンをタイラーから奪い返した。
……もしかして、あれか、本当は、ヘビメタは嫌なのか、大きなリボンが良かったのか!
……あれなら、あざとポーズが決まる。
「よしっ!スタさん、明日、買いに行こうな。」
アランは、スタンに頬ずりした。
「しかし、ポール達遅いな。」
アランは、診療所の時計を見上げた。




