第90話 これだよ、これ
「なんだよ、これ。」
ポールが不服そうに呟く。
アラン達は、翌日にはまた、南に向かう馬車に乗っていた。
ポールは、昨日のようにハンター達がいっぱいいて、またどデカい魔獣とハンター達の戦いが見れると思っていたらしい。
山から遠ざかるルートで南に行くのだから、危険は無い。
ハンター達も、5人と少なく新人ハンター達ばかりだ。
そうそう、餌扱いはゴメンだ。
アランは、上機嫌でスタンとボッサをもふもふしている。
馬車酔いする若い魔法使いもまた、乗っている。
前よりスピードは出てないし、普通に乗っている。
金髪長髪髭面ハンターと一緒かと思ったが、チームに入りたい訳ではなかったのだろうか?
まぁ、合う合わないは色々あるし、自由に選べばいいのさ。
アランは、陽射しの強さと、時より吹く風で、南へとだんだん近づく感じに少しだけ、ワクワクしていた。
面倒な奴らに会わなければ、南も楽しい。
ポールとニーナも、南は初めてだし、スタさんとボッサに、海で遊ばせたかった。
浮き輪とか着けさせたら、可愛いんじゃね!
あー、それと、串にぶっ刺した肉も旨かったな。
あっ、それと、焼きとうもろこしに焼いたイカ、そうだ南にはビールがあるんだよ。
暑い時に、カーっと飲むと最高なんだよなー。
暑いと言えば、かき氷!
ミーティア州から氷を取り寄せてんだよなー。
南は、あんまり好きじゃなかったが、意外にも、楽しみあるじゃん。
アランは、もふもふ達に顔を埋めた。
「くっさ!お前ら、洗わないとダメだな。」
スタンとボッサの奴、昨日の魔獣を見て、興奮して獣臭がいっぱい出ちゃったな。
まぁ、いいさ。
「宿屋に着いたら、洗おうな。」
アランは、スタンとボッサをもふもふしながら、宿屋について考えた。
あいつの家はなぁー、宿屋代浮くけど面倒だな。
海に近い宿屋がいいな。
……そうだ、あそこがいいや。
アランは、代り映えのない平地を見ながら、昔、南で過ごした時のことを思い出していた。




