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第87話 餌

 凄いな。


 アラン達は、馬車に乗り出発していた。


 馬車は、荷馬車が4台、人が乗った馬車は、8台だ。

 護衛は、40人位いる。

 チームごとに分かれていて、前後左右にいる。

 さらに後方に1チーム、左側に1チーム多く置いて、馬車には、各1名ずつ魔法使いが乗っている。


「ねぇ、凄くない?姫様ったら、いくら私達がいるからって奮発しすぎじゃないかしら。」

 ニーナが、小声で話す。

 たぶん、馬車に乗る人達が、異常に静かだからだ。


「魔獣図鑑買えよって言ったよな。あれに生息地や対戦法も書いてあるんだから。もうそろそろ死にたくなかったら買え。」

 アランは、呆れながら言うと、左手の雪山を見た。

 馬車は、必要以上に雪山近くを通った。


「来るぞ。」

 アランの言葉に、ポールとニーナ以外は身を伏せた。


「何が来るんだよ。」

 ポールが、馬車から身を乗り出すとアレクサンダーが、ポールが落ちないようにズボンのベルトを噛む。


 アレクサンダー、出来た子だよ、お前は。

 アランは、思わずアレクサンダーを撫でた。


 スタンとボッサも初めて来たところだが、異様な雰囲気なので辺りを警戒している。


 バキバキと木々の折れる音と同時に地響きがすると、何処からともなく護衛以外のハンターや魔法使いが、魔獣や馬、魔導具を使って大勢現れた。


「何だよ、スゲー人数じゃん。」

 ポールが身を乗り出したまま、大声を上げる。




「……何だよ、…あれ」

 ポールとニーナ、4匹が固まっている。


 雪山から、氷を纏ったような大きな四足の魔獣が現れた。

 デンガより大きく、見るからに硬そうな鎧を着ているような体を見て、ニーナが呟く。

「どうやって戦うのよ……。」


 周りを同じように氷を纏った豹のようにしなやかに動く魔獣が大量に現れ、護衛としているハンター達が、倒していく。

 ハンター達が、取りこぼした魔獣は、魔法使いが倒していく。


 準備は万端だ。


 アラン達が、今回のルートを通ることで、ハンター達は狂喜乱舞した。

 久しぶりにどデカい奴と戦える。

 彼らにとって、アラン達は魔獣をおびき寄せる餌に過ぎない。


 まったく、ハンターって奴らは、クレイジーな奴らだな。


 アランは、彼らの戦いに羨望と呆れた感情で思わず笑った。



 彼らは、青空のなか圧巻な戦いぶりを見せていた。





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