第63話 ついて行く
アランは、嫌がる新人ハンターくんと女の子ハンターを、またグリンと戦わせていた。
街の両脇に畑があり、今度は反対側の畑に、前回と同じようにグリンが出没していた。
グリンは、数が多いが報酬は少ない、新人のレベル上げには良いが、新人が来ないと依頼の受け手がいない。
ギルドを探しに行った際、オッサンは、ぜひ頼むと必死だった。
2人は、もっと格上と当たりたかったらしいが、アランは、即答で受けた。
今度は、ほぼ自分らで終わらせよと2人の肩を叩いた。
基本を叩き込んだだけで、2人ともスムーズな動きになり、グリンを次々に切り倒している。
自身でも、最初とは違って楽に戦えているはずだ。
2人とも相性も良いみたいだし、このままコンビでハンター稼業すればいいな。まだ、ハンターになって間もないし、自信と経験を得るまで助け合える。
アランは、心配なのでそうして欲しいと考えていた。
「どう、師匠。中々でしょう。」
女の子ハンターが、自信ありげにアランを見た。
「この前より、グリンが少ないな。」
アランは、手をおデコに持っていき遠くを見るポーズをしている。
「バカ言え!かなり倒したぞ。」
「アレクサンダーがな。」
アランは、笑いながら呟いた。
新人ハンターくんは、気合いを入れて叫ぶ。
「アレクサンダー、見ていろ!俺の成長ぶりを!」
アレクサンダーは、いつもの困った顔になっている。
新人ハンターくんは、勢いがあり過ぎ大振りになりがちだったが、なんとか乗り切り、ギルドの依頼を終わらせた。
「はぁー、もうヘトヘトだよ。」
新人ハンターくんが、帰りの馬車に揺られている。
「次は、もう少し格上と当たりたいわ。」
女の子ハンターが、アランを見る。
「後は、州都に戻って依頼をこなせよ。俺は、旅の途中だっての。」
アランは、爆睡するスタさんとボッサを撫でる。
スタンのお腹を撫でるとバンザイをした。
「私達、師匠と一緒に行くわ。」
女の子ハンターと新人ハンターくんが姿勢を正しアランを見る。
「はぁー!ダメに決まってるだろう。東の遠くまで行くんだよ。俺は!」
アランは、驚いて大きな声を出したので、スタンとボッサが起きた。
ボッサが大あくびをした。
「……だってあんた病気なんでしょう。ひとりなんて心配だわ。……私も一緒に行きたいの。助けになりたいのよ。」
女の子ハンターは、必死に訴えた。
「なんで……。」
アランは、病気のことを言われ動揺した。
「ごめん。洞窟で魔法協会の会長と話してたこと、話した。」
新人ハンターくんが申し訳無さそうに頭を下げた。
「……どうでもいい。スタさんとボッサがいるから、俺はひとりで行く。」
アランは、話しは終わりだと言わんばかりに、そっぽを向いた。
「私は、ついて行くわ。絶対。」
アランは、怒って聞こえないふりをした。




