第62話 出発に向けて
朝食を食べた後、アランは2人に剣の稽古をつけた。
一応、基本さえしっかり学べば、後は色々な人から学んで、自己流でやっていくだろう。
のみ込みも早いし。
次の街を何処にするか考えとかないとなぁー。
東のジャイロか。
どこ経由で行くかな。
「ちょっと上の空とか、腹立つんだけど。」
女の子ハンターが、鋭くアランに木刀を打ち込む。
「あー、ごめん、ごめん。ちょっと、2人で稽古して。俺は、スタさんとボッサも見てやりたいから。」
スタンは、小さな火の玉を続けて吐き出していた。
前からしたら、うげうげ言わなくなったし、大きな火の玉攻撃も強烈だ。
今や、アランも受ける気にならない。あんなの危ない、危ない。
そして、アランは、腕に布を巻く。
どんなに噛みついても大丈夫なように魔法をかけてある。硬いわけではないので、ボッサの歯も大丈夫。
「よし、来い!」
ボッサが、うー、うー言いながら噛みついてる。
可愛いー。
鼻にシワ寄せて。
低い姿勢なので、アランは疲れて、たまに腰を伸ばすとボッサが宙ぶらりんな状態に。
それでも離さない。
あんまり長くやって、さすがに顎が疲れるだろうと思い、終わりだよと言っているのに、ボッサは止めない。
「おい、ボッサ、いい加減にしなさい。」
まだまだとばかりに宙ぶらりんになっている。
しつこいな。
スタさんが、ボッサの尻尾で遊び始めた。
ボッサは、ようやくアランの腕に飽きて、スタンに興味を示し遊び始めた。
スタさん、グッジョブ!
2匹で、追いかけっこが始まった。
もう、稽古ではないな。
アランは、2匹を見ながら笑う。
あまり、戦うところが無いルートを探さないとな。
東は、少々物騒な噂が多かったので、アランは、街で情報を得ないとならないと考えていた。
アランの後ろには、新人ハンターくんと女の子ハンターが、アランの様子を見ていた。




