第53話 ギルドの依頼と新人ハンター
州都を離れた一行は、州外れの街ディストに到着していた。
「アラン様、どうかマジックハウスを使ってくださいませ。」
女の子ハンターが、祈るようなポーズを見せる。
「無理だな。街中でマジックハウスの使用は禁止されている。だいたい人の土地に、家建てたら怒られるだろう。」
道中、野宿が嫌なアランが、マジックハウスを使ったため、女の子ハンターは、宿代が浮くとばかりに、街でもマジックハウスを使わせようとしていた。
「えー、そんなー。」
女の子ハンターが、がっかりする。
「じゃぁ、ちょっと離れた場所にマジックハウスを建てて、街に繰り出せばいいんじゃないか。」
今度は、新人ハンター君が、名案とばかりに話してくる。
「嫌だね。面倒くさい。そんなことしたら警備をしている州兵に怪しまれる。せっかく旅しているんだから、街中を楽しめ!」
アランは、そうは言ったものの、ラシフィコ州では、各州の中継地点となっているこの街ディストを少々面倒な街と認識しているので、2人を安い宿に行かせるのをためらっていた。
色々な州から人が集まるから、揉め事が多いんだよねー。
やっぱりオラが街が1番ってやつで。
アランは、2人を見た。
「じゃあ、中くらいの宿屋にして、3人で泊まるのはどうだ。1人で泊まるより安いし、値引き交渉しよう。」
アランの提案に、新人ハンターくんは納得してくれたが…。
「レディに、獣と一緒に泊まれって言うの!」
女の子ハンターが、腕組みしてこちらを睨んでる。
「いつもチルチルと泊まってるだろ。」
アランは、何が不服とばかりに話すと、女の子ハンターは、指を差して言う。
「失礼ね。チルチルをあんた達と一緒にしないで!頼れる相棒よ。獣はあんた達よ!」
えーー、俺達、獣扱いかよ。
何も、してないだろう!
マジックハウスに泊まった分、金払えや。
「勝手にしろ。」
アランは、ため息を吐いて歩き出す。
ハンターとして、新人ながらやって来ているんだから、ほっとく。
だいたい、俺は、一人旅だった。スタさんとボッサはいるけど。
「はぁー!ギルド依頼2回目!」
宿屋の一室で、アランは呆れていた。
結局、2人ともアランについて来て、続き部屋になっている部屋を借りて集まっていた。
アランのベッドの上には、スタンとボッサが死んだように寝ている。
アレクサンダーは、床に座り、新人ハンターくんを困った顔で見ている。
チルチルは、アランのベッドで、アランの横に座る女の子ハンターの足元に座って、つまんなそうに尻尾を振っている。
「俺は、ハンターじゃぁないから分からないけど、最初は初心者用の依頼をこなさない?」
アランは、少々困ったように2人を見た。
「ちまちまと面倒じゃない。この前の討伐でぐっとレベルが上がったんだから、依頼受けれるし、いいじゃない。あんたもいるし。っで、早く街に繰り出しましょうよ。」
女の子ハンターは、さっさと街に出たいと足をパタパタさせている。
「俺は、もっと強い奴とあたりたいぜ。」
新人ハンターくんは、力強く宣言。
困った顔の相棒が、さらに困った顔になっているように見えるのは、俺の気の所為かな。
経験値少なくて、レベル上がったのは、あのクソジジィ達のせいだよな。
アランは、自分も昔、同じこと言ってたかもだけど…。
面倒くせーな、コイツら。




