第52話 最後は自分が決めること
祝賀会は、まだまだ続いている。
アランは、美味しい料理を食べ、果実酒でほろ酔い気分で、庭のソファーでくつろいでいた。
スタンを右足に、ボッサを左足に乗せて、上げたり下げたりしていた。
スタンもボッサも、足にしがみついている。
「今日、魔獣の調教所に入って行っただろ。この子の調教するのか?」
強面が、ほろ酔いでやって来た。
「違うよ、返金してもらったのさ。……調教したほうが良いのかな…。」
アランは、なんとなく聞いてみた
。
「別に、ニゲル種がすべてハンターの相棒にならないとイケない訳じゃないさ。…見ろよ。警備の奴らも連れているだろう。あの子らはここで、警備の奴らと一緒に訓練してるニゲル種だ。引退したハンターだって、そのまま一緒に暮らしているぜ。……要は、お前さん次第だよ。」
「俺次第……。」
アランは、ボッサを見た。
「魔法使いの相棒で、何が問題あるのさ。」
強面は、もう強面に見えないな。
アランは、思わず笑みがこぼれた。
「ありがとう。……そうだな、俺が決めるんだな。そうだ、最後は、自分で決めるんだった。」
「あぁ、お前達は良い相棒に見えるよ。」
強面は、ふらふらと歩き出した。
「俺も、決めてくるよ。」
統治者の娘のところに向かってる。
「…行ってらっしゃい。」
強面は手だけ振って、前進している。
ガチガチだな。酒の力はもっと必要な気がする。
「ボッサ、魔法使いが相棒でもいいか?」
ボッサを抱き上げる。
「もういいな。お前は魔法使いの相棒だ。」
アランは、ボッサにスリスリする。
「スタさんもだ。よろしくな。」
スタンにも、スリスリする。
2匹の魔獣をスリスリするアランは、はたから見れば、ただの酔っぱらいだが、とても幸せそうな酔っぱらいだった。
その2日後、アランとスタンとボッサは、宿屋を出た。
また来てねと、受付と食堂のお嬢さん達に言われ、後ろ髪引かれる思いだったが、そんなにゆっくりもしてられない。
「さぁ、行くぞ。スタさん、ボッサ。」
急に、アランは呼ばれて振り向いた。
「待ってたわ。次の街で、ギルドの依頼を受けるから手伝ってよ。」
「なんでだよ、俺は、ハンターじゃないからお断りだよ。まったり旅なんだよ、こっちは。なぁ、スタさん、ボッサ。」
アランは、スタンとボッサを撫でた。
「ちょっと立ち寄るだけたがら、手伝えよ。」
新人ハンターくんも一緒だった。
相変わらず生意気な。
「気が向いたらなー。」
アラン達は、歩き出した。
ボッサが先頭を行く。
すぐさま、スタンが追い抜く。
また、始まったよ。
先頭争いが激しくなり、走り出した。
スタさん、お子様サイズより、大きいほうが勝てるだろうに。
アランの後ろには、女の子ハンターと新人ハンターくんも、それぞれ相棒を連れている。
アレクサンダーに、チルチル。
なんとも、大勢だな。
スタさんとボッサが、走って戻ってくる。
またかよ!
またしても、空飛ぶ魔獣を連れて来た。
しょうがないなぁー。相棒が助けてあげなきゃな。
アランは、笑っている。
相棒なんだから。




