第49話 まったり
「あー、生き返るー。」
アランは、宿に戻り、風呂に浸かった。
あー、何日か休んでから出発したいなー。
「うわっ、…なんで入ってくるんだよ。」
スタンとボッサが、風呂に飛び込んで来た。
スタンは、いつものことだが、ボッサは、ついうっかりスタンについて来てだったので、飛び込んできたクセに、びっくりして、風呂の外に慌てて出た。
体をふるふると振り、泡を飛ばしている。
「出たな!泡々魔獣めー。」
スタンは、泡風呂の中から顔を出したので泡だらけだ。
「こうしてやる!」
アランは、スタンを洗ってやる。
「うわっ!」
ボッサがまた飛び込んで来た。
「増えやがったな、泡々魔獣めー。」
アランは、ボッサも洗ってやる。
まったく、アホか俺。
スタンも、飽きねーな、この遊び。
スタンとボッサを先に出すと、キレイに乾かしてやる。
で、自分も乾かして、最後は、服をキレイにして着るっと。
日常が戻ってきたー!
あー、なんか腹減ったなー。
今日は、早く寝たいし、下の食堂でいいか。
アランは、急いで下に降りる。
受付の色っぽいお姉さんが手を振り、アランも手を振り返す。
宿屋から食堂へと続く短い廊下を渡り、食堂に出ると、皆同じ考えなのか賑わっていた。
「お疲れ。」
次々に声をかけられる。
もうすでに、洞窟を出た時に、挨拶やらお礼を言い合った仲で、最初に泊まった日とは、まったく違う雰囲気だ。
討伐の時の一体感がまだ続いている。
皆、笑顔が絶えない。
アランが席に座ると、可愛い子ちゃんがやって来た。
「お疲れ様ー!凄い活躍だったみたいね。今日はね、お店からのスペシャルメニューになっているのよ。」
メニューは、一択になっていた。
ステーキとたっぷりマッシュポテト、サラダに、ビーフシチュー、デザートのサワーチェリーパイ。おかわり自由の美味しい焼きたてパン。
ステーキのグラムは、選べて、料金は一緒!
スゲー、肉、肉しいメニューだ。
「ありがとう。じゃぁ、ステーキ300グラムで、あと地ビールもお願い。」
「あら、少食ね。みんな500グラムぐらいペロッとよ。お子様達にもお肉あるから待っててね。」
500グラムって、ハンター達だけだろ。俺は、魔法使いなんだよ!
「お待たせー!スペシャルメニューよ!」
スゲー量じゃん。マッシュポテト半端ねぇー。
パンもカゴいっぱいじゃねーか。
「食い切れるかな…。」
アランは、呟いた。
「あらー、お子様達を見て!あんなふうに食べなきゃ!」
可愛い子ちゃんは、スタンとボッサとアランを撫でて行ってしまった。
また、撫でられた。
アランは、スタンとボッサを見た。
……肉食獣。
俺は、ゆっくり味わって食べる。
アランは、嬉しそうに、ナイフでステーキを切り始めた。




