表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/133

第46話 スタンとボッサ

 新人ハンターくんが、矢を放つ。


 スタンが、小さな火の玉を飛ばす。

 本当に、小さな小さなな火の玉が、デンガに当たり、下に転がる。


 …スタさん、また嘔吐していてる。

 頑張れ。


 ボッサは、デンガの後ろ足やら尻尾に噛みついては、急いでアランの所に戻り、また噛みつきに行っている。

 アランは、痛みに堪えながら、ボッサがデンガに攻撃を受けないように、防御壁を作り守ってやる。


 …しかし、ボッサの奴、中々腹立つ攻撃だなー。

 ちょびっと噛まれるって痛いよなー。


 とりあえず、ナイス!ボッサ!


 デンガは、小さな痛みの連続で、怒り狂っている。


「ボッサ!」

 デンガに殴られそうになったが、躱してアランの所に走って来た。


 ボッサ、スゲーすばしっこい!



 新人ハンターくんが矢を射ちまくっている。

 …他に攻撃無いのかよ。



 スタンの鳴き声が聞こえた。

 アランが、スタンを見ると、今までで1番、体が大きくなっていた。


 スタンは、いつもみたいに少し体を曲げている。


「おぉーー、スタさんやるのか!」


 いつもとは違う大きな火の玉が飛び出し炸裂した。

 が、スタン自身もびっくりしたのか、よろけて座りこみ、火の玉は、デンガではなく、洞窟の上にあたり、岩が落ちて、デンガの頭を直撃した。


 うーん、なんかだけど。

 スタさん、ナイスファイト!


 デンガは、よろけながらも前足を振り上げ、新人ハンターくんを壁に叩きつけた。


 新人ハンターくんは、立ち上がれず壁の所でうずくまっている。


 デンガが咆哮をあげる。



 アランは、もう限界と感じた。

 みんなを守れないし、自身も病気のせいで威力のある魔法を繰り出せなかった。

 体の至る所が痛い…。


「…薬草、間に合わなかったな。」


 最後の力を振り絞って、みんなを洞窟の外へ出さなければ。

 アランは、スタンとボッサ、新人ハンターくんを防御壁で囲い、宙に浮かべると、壁にもたれ掛かり、スタンとボッサを見た。



 スタンとボッサが、かしかしと音を立てながら、凄い速さで防御壁を掻いている。


 そんなことしても俺の防御壁は、破れんぞ。



 アランの頬を、涙がこぼれる。



「…スタさん、強くなれ。」



「…ボッサ、大きくなれ。」



 サヨナラだ。



 デンガが、アランの前に立ち咆哮を上げる。




 突然、防御壁が破れ、スタンとボッサ、新人ハンターくんが地面に落ちる。


「えぇっ、なんでーーーーーー!」



 デンガが、炎に巻かれ、凄まじい唸り声を上げる。


 アランの前には、1人の男の後ろ姿があり、振り向いた。


「苦戦中かね。」

 魔法協会の会長が、涼しげに問いかけた。


 クソじじぃー。


 いいとこ取りかよ。


 俺の涙、返せや!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ